意外と知らない豆柴の歴史

意外と知らない豆柴の歴史

ころころと可愛い豆柴。成犬になっても子犬の柴犬のような面影を残す姿が人気です。しかし小さくても柴犬。どういった歴史を持つ犬なのでしょうか。

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「豆柴」という犬種は存在しない?

お座りをする柴犬の子犬

小さな柴犬として人気の「豆柴」ですが、実はこの「豆柴」という「犬種」は存在しません。

犬種は犬種登録団体である「ジャパンケンネルクラブ(JKC)」や「日本犬保存会」により認定されるものですが、これらの団体からは認められていないという点が犬種としては存在していないといわれる理由です。

それでは、なぜ存在しないはずの豆柴という犬種がここまで広まっているのでしょうか。

「小柴」って?

柴犬の子犬

「小さな柴犬」のことを、豆柴以外にも「小柴」と呼ぶことがあります。これらはいずれも「小さなサイズの柴犬」を表すもので犬種ではありませんが、小柴は戦前の昭和30年頃より作られていたとも言われています。

体格の小さな柴犬同士を交配させた結果、生まれた小さな柴犬のことを「小柴」と呼び、これらの犬は狩猟犬として、山岳地帯で活躍していたそうです。

また、JKCや日本犬保存会では認められていませんが、「天然記念物柴犬保存会」という団体においては、一定の条件下で小柴を犬種として認めています。この団体が手本として標準を作成しているのが「縄文柴」ですが、この縄文時代から続く柴犬の中に、小さめのサイズの柴犬がいたという歴史を考慮してのことだそうです。

「柴犬」と「豆柴」

二匹の柴犬

柴犬との違い

日本原産である日本犬の中でも人気の「柴犬」ですが、柴犬という犬種は古くは縄文時代から、人間と共に生活をしてきたと考えられています。JKCでも正式に犬種として認められており、日本の天然記念物に指定された7つの日本犬種の内の1犬種です。

柴犬は縄文時代から狩猟犬として人間の手助けをしていましたが、そんな柴犬の中に体格が小さな犬がいて、それらが豆柴のルーツであると考えられています。

「柴犬」と「豆柴」との違いはその「大きさ」にあります。柴犬のサイズは雄が38~41cm、雌が35~38cmとされています。豆柴については、雄が30cm~34cm、雌が28cm~32cmとされていることが多いようです。体重は柴犬と比較すると、豆柴はその半分ほどだそうです。

「顔つき」も豆柴は成犬となっても子犬の面影を残した顔つきをしています。

豆柴の性格や育て方

伏せている柴犬の子犬

身体の「大きさ」と「顔つき」はまさに小さな柴犬、である豆柴。しかし、豆柴も柴犬ですので、性格は柴犬と変わりません。強い服従心と忠実さを持つ反面、自立心も持ち合わせています。また、自身のテリトリーを脅かすものについては、強い警戒心を表します。

一般的に、犬は小型化される過程において人間に甘える要素や依存心が強くなります。そのため豆柴においても、柴犬よりはそういった要素を持つ個体もいます。

豆柴も日本犬である柴犬なので、飼育環境としては日本の環境に適応していると考えられます。そのため柴犬と同様に外での飼育も可能ですが、柴犬より二回りもサイズが小さな豆柴ですので、外敵から狙われやすいことなども考慮して、室内での飼育が向いているそうです。もちろん室内飼いの場合も、他の犬同様に散歩や運動は欠かせません。

柴犬や豆柴の飼育では、上下関係のけじめが必要です。信頼関係をしっかりと作りながら、飼い主がリーダーシップをと取り、甘やかさないことが大切です。

まとめ

二匹の柴犬の子犬

犬種としては認められていないがらも、柴犬と比べたら明らかにサイズが小さな豆柴。いつの時代も小さなものが可愛がられる傾向がありますが、サイズは小さくても柴犬です。小さくて可愛いからという理由での飼育には向いていません。また、柴犬の子犬を絶食させ豆柴として販売する業者もいるため注意が必要です。

日本古来から存在する柴犬。そんな小さな柴犬である豆柴。柴犬の飼育をしたいけれど、生活環境のサイズが合わないといった場合に、豆柴の飼育を検討してみてもいいかもしれませんね。

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