ドッグシェルターとは?
どのような事情であれ、日本で飼い主を失った犬が行く先は「動物愛護センター」いわゆる保健所です。
収容された犬は、新しい飼い主が見つからなければ1週間から10日で殺処分となります。
一時期に比べ減ったとは言え、まだまだ収容、処分される犬の数は多く、海外から驚かれるほどです。
そのような施設はイギリスにもあり、ドッグシェルターと呼ばれます。
日本と違い大抵は個室を与えられ、命の期限は設けられないことが多いようです。
私が見たシェルターは各部屋に1頭、もしくは相性の良い2頭がおり、食事と3時のおやつ、運動場での遊びや林の中での散歩、あたたかな寝床が提供されていました。
そこでは多くのボランティアスタッフが働いており、新しい飼い主が見つからなくても処分されることはなく、シェルターで暮らすこととなります。
日本の動物愛護センターも見たことのある私の目には、その違いがあまりにも大きく、カルチャーショックを受けるほどでした。
職員さんが必死に犬たちのことを考え、制約の多い中でどうにか状況を改善しようとする日本の施設では、悲壮感を感じてしまいました。
しかし、イギリスのシェルターでみた犬たちは、同じように放棄されたとは言え、非常によく手入れをされ、健康的で明るい顔をしているように見えたのです。
これは、先にも言った通り「命の期限」がないからかもしれません。
欧米人の動物愛護への意識
このような施設は、もちろん行政で行っているものもありますが、大半は寄付による民間のもの。
欧米では、動物愛護の意識が高く、遺産を寄付したりする人も多く、そういった活動を支援することは富裕層やセレブの中でステイタスのひとつとも考えられているのです。
日本では動物にかける予算は少なく、議会などでもほとんど取り上げられることがありません。
東京のある地域の議員の方が、この問題にたいして声をあげた時も、「もっとやるべきことがある」と他の議員から嘲笑を受けたそうです。
もちろん、日本には山のように問題があり、重要度を設定しなくてはなりませんが、声をあげることの出来ない犬たちの命の問題を、見ない振りをして、聞こえない振りをして、放置することはおかしいと思います。
日本には日本なりの方法がある
イギリス犬に対する姿勢やシェルターの充実はすばらしいものですが、もちろんイギリスが完璧だということではありません。
シェルタースタッフが話していたことで印象に残っていることがあります。
「施設やシステムを誉めてくれるけれど、本当はこんな施設ないに越したことはない。」
まさにその通り、充実していようがしていまいが、そこに入ることになってしまう犬がいなくなることが最大の目標なのです。
それは、日本もイギリスも変わりません。
日本がイギリスや動物愛護の先進国と呼ばれるよその国の仕組みをそのまま真似てもうまくいくとは限りません。
不幸な運命を辿る犬たちを少しでも減らすには、日本の環境や人々の気質などにあわせて、無理なく長く続けていける取り組みを模索していく必要があるのだと思います。
ユーザーのコメント
女性 aki
日本では犬がセンターに連れてこられてから、1週間から10日で殺処分となってしまうのですか?!そんな短い期間では里親さんも見つからないですよね・・。ライターのMEGIさんが「保護」という言葉ではではなく「収容された犬」と書かれた意味がわかったような気がします。日本の保健所の場合は保護ではなく収容に近いのですね・・。
そういう制約の多い中で、職員の方々はどうにか改善をしようとされているのですね・・殺処分0を達成した地域もありますものね。私も家族も、日本では殺処分をされる犬猫が多いという悲しい事実を知ってからは、わずかではありますが保護施設に寄付をしたり、次にペットを飼うときには里親になろうと話しています。こういう悲しい現状を知ることで、少しでも多くの方の意識が変わり、日本が良い方向に変わっていくことを願っています。
50代以上 女性 匿名
日本は【保護カフェ】が増えています。m(__)m
いきなりシェルター設置は非常に費用がかさみ、許可も難しいと考えます。
まずは【愛玩動物飼育管理者】等をお互いが勉強して【日本らしい制度】を考える時期に来ていると強く想うのです。
命の期限を創る環境は本当に大切な【何かを‼】棄てているように強く感じるのです。