ファースト・ドッグとは?~歴代大統領のペットたち~

ファースト・ドッグとは?~歴代大統領のペットたち~

アメリカの歴代大統領45人のうち、32人の大統領が犬を飼っていました。アメリカ大統領の愛犬「ファーストドッグ」を紹介します。

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アメリカ大統領には愛犬家がたくさん

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

アメリカでは大統領の飼い犬を「ファースト・ドッグ」といいます。同じように、飼い猫は「ファースト・キャット」と呼ばれます。もちろん、大統領夫人は「ファースト・レディ」ですよね。

さて、これまで多くのアメリカ大統領が、ホワイトハウスで犬と共に生活をしてきました。
あまりに多くいるので、少しだけ紹介します。

初代大統領ジョージ・ワシントン

アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンは、犬だけではなく、実に多くのペットを飼いました。
記録に残っているのは、3頭のアメリカン・スタッグハウンド、4頭のブラック・アンド・タン・クーンハウンドですが、生涯にわたって30頭以上のハウンドを飼育したと言われるほどの愛犬家でした。他に、ロバや馬、オウムもいたといいます。

第32代大統領フランクリン・ルーズベルト

ルーズベルトは、7頭もの犬を大統領任期中に飼っていたほどの愛犬家でした。なかでも有名なのが、スコティッシュ・テリアのファラ。おそらく歴代のファースト・ドッグでもっとも有名な犬ではないでしょうか。
ファラとルーズベルトの有名なエピソードは次項で紹介しています。
なんとファラには、プレス専用の秘書がいたなんて逸話もあるほどの有名犬でした。

第41代大統領ジョージ・H・W・ブッシュ

ジョージ・H・W・ブッシュの愛犬は、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのミリーでした。ミリーは6匹の赤ちゃんを産みましたが、そのうち1匹はブッシュ大統領の息子で後に第43代大統領になったジョージ・W・ブッシュの愛犬となり、大統領だけではなく、ファースト・ドッグとしても親子2代でホワイトハウス入りをした珍しい例です。

第44代大統領バラク・オバマ

オバマ前大統領のファースト・ドッグはニュースにもなっていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
愛犬は、ポルトガル・ウォーター・スパニエルのボーとサニー。娘マリアさんに動物アレルギーがあったため、アレルギーを起こしにくい犬種が選ばれたといわれています。
ポルトガル・ウォーター・スパニエルは、それまであまり知られていない犬種でしたが、ファースト・ドッグになったことで一気に知名度が上がりました。

大統領と愛犬

ルーズベルトと愛犬ファラの像

大統領と愛犬のエピソード

ここで、アメリカ大統領と愛犬にまつわるエピソードをご紹介します。

ルーズベルトとスコティッシュ・テリアのファラ

1944年、4期目の選挙に出馬中のルーズベルトは、アリューシャン列島を訪問した際に、ペットのファラを連れて帰るのを忘れてしまい、船を送り返してファラの捜索をしたという噂がありました。
この噂により、犬のために多くの税金を費やしたと非難された際には、「私や妻、家族を批判するのは構わないが、私の小さな犬を批判してどうなるのか。費用がどうこうという意見に、スコッチ・テリアの小さな魂は激怒している」と語ったんだとか。このスピーチは愛犬の名前から「ファラ・スピーチ」と呼ばれ、ルーズベルトの愛犬精神が知れ渡り、選挙に良い影響を与えたといわれています。

ニクソンとコッカー・スパニエル

ニクソンは、1952年の副大統領立候補中に不正資金疑惑の最中にいました。それを受けて、彼がテレビで語った内容が「贈り物として受け取り、返すつもりのないものが一つある。娘に送られた白黒のコッカー・スパニエルだ」というものでした。これも愛犬の名前から「チェッカーズ・スピーチ」と呼ばれています。
このスピーチにより、支持者が増えたとのこと。

犬は大統領の広告塔?

アメリカの大統領は45人中32人が犬を飼っていました。犬好きが多いのかと思いきや、どうやらそれだけではない理由がありそうです。

アメリカでは、大統領の犬にまつわる発言ひとつで支持率が上下するお国柄なのは、前述のエピソードで紹介しました。大統領にとってペットは、自身の人間性をアピールするための絶好のツールでもあったわけです。

ファースト・ドッグの関心度

新しい大統領が選出されると、次に注目されるのが大統領と一緒にホワイトハウスへ入る愛犬、ファースト・ドッグについてです。
オバマ元大統領が大統領に選出された際にも、大統領に就任したら犬を飼うと娘さんたちと約束をしていたと高い関心が持たれました。
アメリカではたびたび話題にのぼるファースト・ドッグですが、日本では首相のペットに関心が持たれたことは恐らくありません。首相官邸でペットを飼われている歴代首相はいたのでしょうか…。アメリカのように、ファースト・レディと並んでファースト・ドッグと呼ばれるほど、家族として社会に認識されるようになるにはまだまだ時間がかかかりそうな印象ですね。

現大統領トランプ氏のファースト・ドッグは?

2017年6月現在、トランプ大統領は犬だけではなくペットを飼育しているといった情報はありません。
もしトランプ大統領がこのままペットを迎えなかった場合、ここ150年で初めてのペットを持たない大統領となるんだそうです。

まとめ

蝶ネクタイをした犬

日本の現首相の安倍晋三氏も実は犬好きという記事がありました。ミニチュア・ダックス・フントのロイが愛犬なんだとか。
ロシアのプーチン大統領の犬好きは有名ですよね。海外メディアでは、大統領がペットの犬などの動物と一緒にいる姿をよく目にしますが、日本の安倍首相が愛犬と写っている写真を見たことはありませんでしたが、ふと、ネットで探してみたら見つかりました!ペットと過ごす様子から、その人物のキャラクターを読み取ろうとする海外の報道は、なるほどですね。写真の愛犬と過ごす日常の光景から、安倍首相の知らない一面を垣間見れたような気がします。
さて、私生活が謎に包まれている印象のトランプ米大統領のファースト・ドッグ問題の行方に注目です。彼の意外なキャラクターが見えるかもしれません。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 モカ

    ファーストドッグとはなんともアメリカらしい表現だと思いました。アメリカ国内のみならず全世界から注目を集めるアメリカ大統領だけあって歴代の大統領にも犬にまつわる逸話が沢山あるようです。大統領にとって愛犬を単なるペットとしてではなく人間性をアピールできる政治的要素も含んでいるよです。愛犬にまつわるエピソードや発言一つで人気が上がったり下がったりしかねないことも歴史的にも証明されているようです。日本ではあんまりお目にかかれない犬種なども多く飼われていたようで大統領の愛犬と言う栄誉?を受け一躍有名になった犬種もあるようです。例えば第34代大統領であるアイゼンハワーの愛犬がワイマラーだったそうで、当時世界中がその美しい立ち姿に魅了されワイマラーの知名度も一躍上がったと言います。アメリカに比べ日本では総理大臣の愛犬の話題はあまり表には出てきません、この違いは何なのでしょうか?一つはやはりわれわれ日本人のペットに対する意識の違いがあるのかもしれません。近年日本でもペットは家族の一員として意識も変わってきつつあるようですが、まだまだアメリカやヨーロッパには追い付いていないのが現状かと思います。日本も総理大臣が休暇の時など愛犬とともに遊ぶ姿などがもっとオープンになれば、日本のペットに対する意識も少しづつ変わっていくのかもしれませんね。
  • 投稿者

    30代 男性 カブレラ

    ファーストドッグ、アメリカならではの文化だと感じました。家族の一員として犬を飼うという文化もそうですが、大統領自身が犬に主人だと認められているかを見る事で1国の代表にふさわしいか分かりやすかったんでしょう。それに大統領は精神的にも重荷になる仕事でもあるので、ファーストドッグと触れ合う事で心の疲れを取っていたのかもしれませんね。
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    セラピードッグが存在するように、犬には癒しの効果がありますから、歴代の大統領も愛犬に癒されていたのでしょうか。ファーストドッグという言葉もあるほど大事な存在なんですね。
    スピーチに名前まで使われるほどの影響力があるなんて、日本では考えられないでことですね。

    日本でも「犬好きに悪い人はいない」なんて言葉がありますが、犬が好きな人は心理学的にも人に好かれやすい人が多かったり、何故か安心や信頼できるオーラを持っているように感じられる人が多いそうです。そう考えると、世界各国トップに立っている方々には犬好きな人が多いように思います。
    もちろん全ての人に当てはまるわけではありませんが、犬の存在は人にいい影響を与えやすいんでしょうね。
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