「鼻紋」はID、世界にひとつの模様
人間の100万倍以上といわれる嗅覚を持って、健康状態も示してくれる犬の鼻は、犬にとっての「ID」でもありました。
「鼻紋」は世界にひとつ
愛犬の鼻をじっくりと見たことはありますか?
鼻の皮膚に模様のようにシワがあるのがわかりますか?実は、あの鼻のシワは個体それぞれで異なるんです。そして生まれてから死ぬまで、一生変わらないものなんだそう。
犬の鼻のシワ模様は「鼻紋」と呼ばれ、人間の指紋と同様に、犬の重要な個人情報です。
「鼻紋」は犬だけじゃない
この「鼻紋」は、犬だけではなく牛や猫にもあります。
遺伝的に同じとされている一卵性双生児や、体細胞クローン牛であっても、鼻紋はそれぞれ違うことが確認されています。
「鼻紋」はID、個体識別に利用
個体それぞれで違う「鼻紋」が利用されている事例がありました。
和牛業界ではすでに、この鼻紋が活用されています。
全国和牛登録協会では、仔牛が生まれるとすぐに鼻紋の登録を行い、個体管理や血統管理に利用しています。そのため和牛の血統書には、鼻紋を確認するための鼻スタンプが押されているそうです。
また、アメリカでは犬の鼻紋を認識する装置の開発がされているとか。鼻紋で個体登録をすることを認めるケンネルクラブもあるそうです。
近い将来、日本でも犬の鼻紋で個体管理がされる時代が来るかもしれませんね。
愛犬の重要な個体管理は、鼻紋よりまず鑑札
迷子になったときのために、マイクロチップの装着が推奨されていますが普及率はいまいちな現状です。
犬の体内にマイクロチップを埋め込むことへ抵抗感のある飼い主がいることも事実。異物を体内に入れることで愛犬に悪影響があるのではないか、などといった心配の声を聞きます。
しかし「鼻紋」で管理できるようになるんだったら、マイクロチップを埋め込むよりは犬の体に影響がなさそうなイメージでいいのでは?と思いますよね。
でも、個体それぞれで異なる「鼻紋」で個体管理・識別を行えるようになるかというと、まだあまり現実的ではないようです。
「鼻紋」で個体を確認できるようにするには、マイクロチップの場合と同様に、それぞれの犬の登録と、それを読み取る機械装置の普及が必要です。まだそういった環境が整っておらず、今すぐ導入できるような段階ではなさそうです。
また震災などの有事のときには、そういった機械装置が使用できる環境にあるかわかりませんので、まずは鑑札と迷子札の装着徹底が最善で現実的といえそうです。
もちろん、将来的にそのようなサービスが展開されるといいですよね。2016年1月に台湾の国立台湾科学技術大学では、70頭の猫から700枚にも及ぶ鼻の写真を収集してデーターベースを作成して個体識別に成功しています。「鼻紋」による個体管理・識別は、世界的に注目されています。
個体管理をきちんと行えるようになれば、無用な殺処分を減らすことにもつながるといいます。
飼い犬の管理は、飼い主の責任できちんと行わないといけません。鼻紋によるシステムが確立されるまでは、必ず鑑札と迷子札、できればマイクロチップを愛犬に装着させておきましょう。
まとめ
最近、スマートフォンのロックを解除するのに指紋認証を行いますが、これが犬だったら鼻をブチュっと押し付けるのかな、と考えるとかわいいですね。
人間は器用に使える指先に「指紋」があるのに対して、犬は手先は上手に使えないけど、抜群の能力を見せる鼻に重要な個体情報「鼻紋」があるのもなんだかおもしろいです。
愛犬の鼻の模様は世界にたったひとつのものです。今度じっくりと観察してみてはいかがですか?よりいっそう、愛犬が大切に思えちゃうかもしれませんね。
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20代 女性 mimi