嗅覚だけじゃない!犬の鼻は温度もわかる
犬の鼻は温度もわかる
犬の嗅覚は人間の1億倍も優れているなんて言われていますが、犬の鼻は他にも“温度がわかる”という特性もあるのです。
しかしこの特性は、生後間もない子犬だけがもつものです。
子犬の鼻には、熱を持ったものから放射される赤外線エネルギーを感知する細胞受容体があり、ここが“熱センサー”の役割をし、周囲の温度を敏感に感じていることがわかっています。
どうして子犬のときだけなの?
生まれたての赤ちゃんはまだ目が見えないため、母犬を「ぬくもり」を頼りに探します。そのときに利用するのが、鼻に備わっている熱センサー機能だと言われています。
母犬から引き離された子犬が、振り子のように首を左右にふる行動は、鼻の熱センサーで母犬を探しているものと考えられています。
また、野生で生活をしていたころは、体温を維持するために兄弟犬や母犬に寄り添っていることが重要でした。そのためにもこの機能が使われていたと考えられています。
しかし、この熱センサー機能は成長とともに鈍くなっていき、成犬になるころには赤外線を感知する細胞受容体が消失するといわれています。
犬の適温いろいろ
子犬が母犬や兄弟犬を鼻の熱センサーで探す機能について紹介しましたが、併せて、犬の体温や快適温度についても紹介します。
犬を飼っていたら知っていなくてはいけない数字ですよ。
犬の体温は人間よりも高い38.5℃前後
身体の大きさによって違いがありますが、主に以下のように言われています。
- 小型犬 38.6度~39.2度
- 大型犬 37.5度~38.6度
もし愛犬の体温がこれより高かったら、体調を崩している恐れがありますので、動物病院の受診をおすすめします。
犬の快適温度は22℃~26℃
犬が快適に過ごせる温度は、22℃~26℃といわれています。
日本の夏の平均気温は、地域によりますが28℃~34℃前後です。やはりクーラーは犬にとっては必需品といえそうですね。
そして冬ですが、-5℃~4.5℃前後となります。犬にとっては冬の暖房も欠かせないようです。
犬のシャンプー、シャワーの温度は37℃
犬のシャンプーをする際のシャワーの設定温度は、37℃くらいがちょうどよいと言われています。
人間が触るとちょっとぬるいかな、と思うくらいですね。
犬は体の表面をほとんど毛で覆われているため、体温調節が苦手です。普段人間が浴びるシャワーと同じ温度設定(40℃~)だと犬の体温調節機能が追い付かず、体力を浪費してしまいます。また、冷たすぎても風邪を引いてしまうので注意が必要です。
まとめ
目の見えない犬の赤ちゃんが、鼻の熱センサーを頼りに母犬に寄り添うとは感心しますね。熱センサーが足裏や皮膚ではなくて、鼻にあるというのも犬ならではないでしょうか。
生まれたばかりの目が開かず、耳も閉じている赤ちゃんですが、すでに嗅覚だけは発達しているそうです。お乳のニオイ、母犬のニオイ、兄弟犬のニオイと一緒に熱センサーも機能すれば装備万全といった印象です。
猫は視覚の動物、犬は嗅覚の動物とよく言いますが、犬は鼻の動物といってよいのではないでしょうか。
余談ですが、犬がニオイをじっくりと嗅ぐとき、じつは息を止めているそうです。鼻腔という鼻孔から吸った空気をためる空間で匂い分子が脳へ刺激を送り、匂いを判別しているのですが、その最中は鼻孔をピタッと閉じてニオイを吟味するんだそうです。みなさんも愛犬がクンクンと匂いを嗅いでいるときに、そっと観察してみてはいかがでしょうか。
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20代 女性 小夏ちゃん