今の人気と過去の人気
テレビ番組やネットの情報などで、よくランキング形式で発表されていますね。確かに流行りの子犬を飼いたいという人は、多いと思います。病院でも、上位のワンちゃんが患者さんとして多くやってきます。
今、最も多いのは人気の「トイプードル」です。その次に「チワワ」、「ミニチュアダックスフンド」などの小型のワンちゃんが主流となっています。どの子も人気あるだけあって、とてもかわいい子ばかりです。
こういったランキングがあるのは日本だけで、海外では犬に流行りなんてないといわれています。
動物は10年以上生きます。
その時流行ってたペットは、10年後ランキングに入っているでしょうか?
今私が飼っているのは、15歳のおじいちゃんコーギーです。その前に飼っていたのもコーギーで、当時コーギーは人気犬種ランキングで上位に入っていました。
元々コーギーが飼いたかったこともありますが、まだ動物看護師の仕事を始める前で、知識もなくちゃんと自分で犬を飼ったことがなかった私にとって、ランキングはとても参考になりました。コーギーの紹介としては、
- 「飼いやすさ◎」
- 「抜け毛の量◯」
- 「しつけしやすさ◎」
こんな感じで書かれていたように思います。
でも、その時書かれていた性格や飼いやすさとは全く違い、初めて犬を飼った私にとって思った以上に大変な犬種でした。だからでしょうか、今はこの犬種はランキングに入っていません。
人気犬種ゆえの遺伝病
一度人気犬種なった犬には、無知な交配によって生まれる遺伝病があります。我が子もそうでした。
大人になってから原因不明の癲癇で長い間病気で苦しみ、長生きもさせてあげられませんでした。また、コーギー特有の病気である「変性性脊髄症(DM)」も高齢のコーギーにみられる遺伝病の一つですが、病院の患者さんでも多く、体の麻痺がどんどん進み、発症してから3年ほどで亡くなってしまいます。
コーギーだけではありません。
例えば、ラブラドールレトリーバーの股関節の形成不全、小さな犬種の膝蓋骨脱臼、チワワの水頭症や心疾患、ダックスの進行性網膜萎縮症など、無理な交配が原因とされる遺伝病が数多く存在します。
遺伝病は人気犬種になった子の宿命なんでしょうか。
この仕事をしていてそのことを嫌になるぐらいみてきました。治療法もなくだんだん弱っていく姿をみるのは、辛く苦しいものです。
10年後の未来
みんなが飼っているから自分にとって飼いやすい犬種とは限りません。10年後、自分がどうなっているかを想像し、その時ペットを最後までみる自信と覚悟があるかどうかを考え、どんなことがあっても飼う覚悟ができれば初めて飼う犬を選んでほしいと常に思います。
例えば、
- 旅行好きな人
- 留守がちな人
- 働く事が好きな人
- 結婚して子供がたくさんほしい人
犬を飼うのは待って下さい。
よく考えてみてください。
10年後、愛犬の介護が必要になれば旅行にもいけません。
子供にお金がかかる時に犬は老犬になり、薬や介護にお金がかかります。
仕事があるのに、病気になれば病院に通院しなければいけません。
病院でも愛犬を介護している人がいますが、夜鳴きに困り「もう介護が限界だから、楽にして下さい」といわれ安楽死を選択される人もいました。
テレビでみるかわいい時間はあっという間です。7歳を過ぎればシニア犬の仲間入りします。
流行りの犬種だろうがなかろうが、雑種だろうがそんなの全く関係ありません。
愛犬が自分の中でランキング1位であればそれでいいと私は思います。
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20代 女性 ユラン
40代 男性 匿名