犬にも「ツボ」がある!
人間は自分の体調が思わしくない時、どんな対処や治療をするかを選びますよね。医学の種類で言うと大きく2つに分けられ、注射や手術などの主に病院で治療するイメージのある「西洋医学」の他に、ツボや漢方などを用いる「東洋医学」があります。
犬にも同様に東洋医学による治療や緩和方法があります。その東洋医学の中でも有名なのが「ツボ」。犬にも症状別に効果的なツボがあり、比較的簡単に自宅で飼い主さんがマッサージするように行うことができます。
では、症状別にどのツボが効果的なのかを見ていきましょう!
犬のお腹の調子が悪いとき
大腸兪(だいちょうゆ)と小腸兪(しょうちょうゆ)
大腸兪と小腸兪というツボがあり、下痢や便秘などのよくあるお腹の不調に効果があるそうです。
ツボの場所とマッサージ方法
【小腸兪】
背骨に沿って骨盤付近まで下がり、背骨の両脇にあります。
【大腸兪】
小腸兪から頭方向の少し上のところにあります。
見つけることが難しいという場合は、背中から腰にかけて、背骨を優しくつまむ感じで(おやゆびと人差しゆびで緩く挟んで指圧する)マッサージすると良いでしょう。
胃腸や消化器系でのトラブルの場合は、その症状が便秘でも下痢でも同じツボの刺激で改善されると考えられています。症状が便秘の場合は強めに、下痢の場合は弱めに指圧すると良いそうです。
辻本由香子
犬の最後の肋骨を辿って腰辺りに辿り着くと、その両脇辺りに胃兪(いゆ)というツボがあります。大腸兪と小腸兪よりも手前に位置する胃兪は、胃痛や下痢、便秘、嘔吐といった症状に効果的です。
もしも分かりづらいようであれば、おへそから指三本外側にある天枢(てんすう)というツボがあるので、その周辺を優しく円マッサージしてあげるのも良いでしょう。
犬の食欲がないとき
山根(さんこん)
山根(さんこん)は、「食欲かないとき」の改善や、「鼻水や鼻づまり」などの症状を予防したり緩和につながる効果が期待できるツボです。
ツボの場所とマッサージ方法
犬の鼻まわり(黒い鼻の縁部分)、すなわち毛のある部分と毛の生えていない部分の境目にあります。鼻の付け根~鼻先付近までを往復しながらマッサージしていきます。
犬は鼻を触られるのが苦手なので、嫌がるワンちゃんもいます。その場合は無理せずに、少しずつ慣らしてあげましょう。
辻本由香子
山根を押されることに抵抗のあるわんちゃんであれば、中脘(ちゅうかん)という「おへそ」と「みぞおち」の真ん中に位置するツボを「円マッサージ」してあげるのも良いでしょう。
天枢(てんすう)の少し上を意識するのがポイントです。また、他にも足三里(あしさんり)というツボがあります。このツボは、下痢、便秘、食欲不振、嘔吐といった消化器系全般に効果があるとされています。
犬の腰に痛みがあるとき
百絵(ひゃくえ)
百絵(ひゃくえ)は、腰の痛みや、腰の病気を予防することに効果的です。すでに椎間板ヘルニア、腰痛、関節炎などで痛みがある場合、その症状を緩和させる効果も期待できるでしょう。
ツボの場所とマッサージ方法
腰の中心部分と背骨の交わる所にあります。「の」の字を描くイメージでマッサージをしてみましょう。
ヘルニアなどで痛みが強い場合は、絶対に行わないようにして下さい。無理に行うとかえって悪化してしまう恐れがあります。ご自身で判断できない場合は、かかりつけの獣医師さんと相談しながら、行うかどうか決めましょう。
犬のストレスが気になるとき
神門(しんもん)
精神的に落ち着かない時などにマッサージすると、心に安心をもたらす効果があると言われているツボです。 日々のストレスや、緊張する場面、恐怖を感じた時などに刺激してあげるとよいでしょう。
ツボの場所とマッサージ方法
前足の手首付近(内側)にあります。肉球より少し下側です。
リラックスした状況でマッサージしてあげましょう。ストレスの他にも、「分離不安症」の緩和や、認知症予防、てんかん発作の予防などにも効果があると言われています。
まとめ
以上、体の不調に効くツボとして、
- お腹の調子が悪いとき(大腸兪&小腸兪)
- 食欲がないとき(山根)
- 腰に痛みがあるとき(百絵)
- ストレスが気になるとき(神門)
の4つをご紹介してきました。愛犬の症状に効きそうなツボはありましたでしょうか?
ツボの刺激による効果はあくまでも「予防」や「緩和」ですので、症状が重篤な場合は動物病院の診察や治療をきちんと受けさせてあげましょう。
愛犬とのコミュニケーションとして、優しくツボをマッサージしてみてください!きっと愛犬も飼い主さんも幸せな気分になれるでしょう。