寒さが「痛み」を呼ぶ…愛犬の『関節炎』を和らげる家庭で出来る「3つのポイント」を獣医が解説

寒さが「痛み」を呼ぶ…愛犬の『関節炎』を和らげる家庭で出来る「3つのポイント」を獣医が解説

犬の関節炎は、一度発症すると完治は難しいものの、適切なケアで痛みをコントロールし、進行を遅らせることができます。今回は冬に関節炎が悪化する理由と、家庭でできる具体的な対策について詳しく解説します。

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なぜ冬に関節炎が悪化するのか?

ベッドの犬

寒さが関節に与える影響は、主に「血流の低下」と「筋肉の硬直」です。

血管の収縮と炎症物質

寒さで血管が収縮すると、関節周囲の血流が滞ります。これにより、痛みを引き起こす物質が滞留しやすくなり、炎症による痛みが増幅されます。

筋肉のこわばり

寒さで体が震えたり丸まったりすると、全身の筋肉が緊張します。硬くなった筋肉は関節をサポートする柔軟性を失い、歩行時の衝撃がダイレクトに関節へ伝わるようになります。

気圧の変化

冬の低気圧や寒冷前線の通過に伴う気圧の変化は、関節内の圧力を変化させ、神経を刺激して痛みを感じやすくさせます。

飼い主が見逃してはいけない「小さなサイン」

階段を見下ろす犬

犬は痛みを隠すのが非常に上手な動物です。「キャン」と鳴くときは相当な激痛がある時であり、慢性化した痛みは「行動の変化」として現れます。

寝起きの様子

起き上がるのに時間がかかる、数歩歩くまで足を引きずるようにする。

散歩の様子

以前より歩くスピードが遅い、途中で座り込む、段差を避ける。

日常生活

階段の上り下りやソファへの飛び乗りをためらうようになった。

身づくろいの様子

特定の関節(手首や膝など)を執拗に舐めたり噛んだりしている。

性格の変化

触ろうとすると怒る、以前より元気がなく寝てばかりいる。

このようなサインは老化と思われがちですが、実は愛犬が「痛み」を抱えているサインかもしれません。

家庭でできる「冬の関節ケア」3つのポイント

クッションで温まる犬

1、環境を整える=関節を冷やさない

最も重要なのは、関節を直接冷やさないことです。

寝床の工夫

フローリングに直接ベッドを置くと、底冷えが関節に響きます。厚手のマットを敷くか、少し高さのあるベッドを選びましょう。

部分的な保温

寝ている時に、湯たんぽやペット用ヒーターで腰や膝を温めてあげると血流が改善します。

外出時の防寒

散歩時は服を着せ、特に「関節」を覆うようなタイプや、保温性の高いウェアを選んでください。

2、室内環境のバリアフリー化

冬は体が硬く、動きづらい状態になっているため、滑ったり転んだりすることが大きな怪我に繋がります。

滑り止め対策

廊下やリビングのフローリングには、カーペットやジョイントマットを敷いてください。

ステップの設置

ソファなどの段差にはスロープやステップを設置し、ジャンプによる衝撃をゼロに近づけます。

3、体重管理と適切な運動

「痛そうだから」と全く運動をさせないのは逆効果です。

体重管理

関節炎の最大の敵は肥満です。冬は運動量が減るため太りやすいですが、体重が1kg増えるだけで関節にとっては数倍の負担になります。

低負荷な運動

寒い早朝の散歩は避け、日中の暖かい時間にゆっくりと歩きましょう。激しいボール投げなどは控え、脳を使う「ノーズワーク」などでエネルギーを消費させるのが理想的です。

現代の獣医学ができるアプローチ

サプリでケアされる犬

家庭でのケアに加え、現在は副作用の少ない画期的な治療選択肢が増えています。

サプリメント

脂肪酸サプリメントや、グルコサミン・コンドロイチンは関節炎の初期段階から取り入れると良いでしょう。

最新の鎮痛治療

近年では、月1回の注射で痛みの伝達をブロックする「モノクローナル抗体製剤」が登場し、多くの高齢犬のQOL(生活の質)を向上させています。

レーザー治療

非侵襲的に関節の炎症を抑えるレーザー療法も、体に負担をかけない選択肢として普及しています。

まとめ

関節炎の痛みは、犬の「動く楽しみ」を奪ってしまいます。しかし、飼い主様が環境を整え、早期に治療やケアを行うことにより、冬の間も歩く喜びを維持することができます。

「年だから仕方ない」と諦める前に、まずは愛犬の歩き方を動画で撮影し、かかりつけの獣医師に相談してみてください。

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