愛犬に教えるお手は「足を触られる練習」になる

お手の動作について一度考えてみましょう。お手とは、犬が自分から前足を差し出す行動です。
つまり、「人の手が自分の足に触れる」ことを自然に受け入れる練習になるということ。
この経験を繰り返すことで、犬は「足を触られても怖くない」「この行動をすると褒められる」と学び、足への接触に対してポジティブな印象を持ちやすくなります。
正の強化、という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、ポジティブな経験から行動が増えていく現象がまさにこれです。
犬にお手を教えるとケアがスムーズになる

犬のケアで避けて通れないのが、爪切りや足拭き、肉球のチェックなどです。
しかし、足を触られるのが苦手な犬は多く、「逃げる」「噛む」「足を引っ込める」といった反応を示すことがあります。
お手を通して日常的に『足を触られること=安心できること』と学習しておくと、こうしたケアの場面がとてもスムーズになります。
実際、トリミング現場や動物病院でも、「お手ができる子は足を触られても落ち着いている」ケースが多く見られることもあり、まさにポジティブな経験の積み重ねの賜物です。
お手は単なる芸ではなく、「ケアへの第一歩」としてとても実用的なトレーニングと言えるので、ぜひ取り組んでみましょう。
犬にお手を教えて信頼とコミュニケーションを深めよう

また、お手を通して生まれるのは、『人と犬との対話』です。
「お手」と言われて犬が手を出し、それに対して人が笑顔で褒める。この一連のやり取りが、互いの信頼関係を育てていきます。
お手をきっかけに、犬は「この人と関わると楽しい」と学び、飼い主を見る目や態度が変わっていくのです。
ただし、飼い主を見る目や態度が変わるというのは、あくまでも「嬉しい相手」「楽しい相手」「大好きな人」という認識からくるものであるということを、意に留めておいてください。
リーダーとしての威厳、リーダーとしての立場…といったような、縦の関係ではありません。
穏やかでポジティブな関係を築くことが目的であることを忘れず、従わせることが目的にならないよう注意しましょう。
まとめ

「お手」は、見た目がかわいいだけでなく、実用性と心理的効果を兼ね備えたトレーニングです。
足を触られることへの慣れを促し、ケアをスムーズにし、さらに飼い主との信頼を深める—まさに一石三鳥と言えます。
「かわいい芸」を通して、犬の心に“安心と信頼”を積み重ねていきましょう。



