犬は空間認識が得意!「ここに入ったらトイレ」と教えこむ
犬は人間と少し違うものの、空間を認識する力を持っています。人のように目で形を覚えるよりも、嗅覚や足裏の感覚で空間を区別するのが得意です。
また、「跨ぐ」「くぐる」「囲いを抜ける」などの境目を超える行動を経て、空間の切り分けを覚えるという特徴があります。これは例えば犬は「このマットを踏んだら次はトイレ」「柵を越えた先は寝床」というように、動きと感覚をセットで場所を記憶するんです。
このため、ただ床にシーツを置くだけではトレー=トイレの場所と認識しづらいのです。トイレをしっかり覚えさせるには、「ここに入ったらトイレ」という空間として教えることが効果的です。
トイレ空間の作り方
現在トイレトレーを床に直置きして教えている方は、まずはトイレを“空間”に変える工夫をしてみましょう。
- サークルにトイレを設置している場合は仕切りを付ける(猫用やマーキング用の高さがあるトイレトレーも◎)
- 仕切りが難しい場合は高さを出して跨いで入る形にする
- 部屋に設置する場合、壁の先やコーナーなど、入り口がはっきりした場所に設置する
こうした工夫をすることで、犬は「この空間=トイレ」と覚えやすくなります。シーツをただ床に敷くだけの状態よりも、空間そのものをトイレとして教えることで成功率はぐんと上がります。
トイレトレーニングをスムーズに進めるためには?
犬が何でトイレ場所を覚えているのか?を理解し、失敗しない環境を整えることがトレーニング成功の近道です。
まずは境目を明確にしてトイレを認識しやすくすること。そして、トイレ空間に人が誘導することで犬が自らの足で入るように教える事。よく抱っこしてトイレまで連れていく方がいますが、それでは場所を覚えにくくなります。
皆さんが初めての場所へ行くとき、車に乗ってたら知らない間に着いたらどうでしょうか?道が分かりませんよね。わんちゃんにトイレ場所を教える時もこれと同じです。自分の足で、トイレ場所まで向かうという経験をさせてあげてください。
それらができるようになったら、冒頭にお伝えしたような自由に動ける範囲を広げるなどを行いましょう。
成功した後の対応について
犬は本来きれい好きな動物です。一度トイレの場所を正しく理解すれば、その場所で排泄すること自体が犬にとって気持ちのよい行動となります。そのため、無理におやつを与えるなど、排泄することに対してご褒美を用意しなくても大丈夫です。
それよりも「トイレ」というコマンドを付けてあげたり、成功したら「トイレでできたね、おりこうだね」と声をかけて『正しい場所でトイレできたね』と教えてあげてください。こうした飼い主の声かけは犬にとって大きな安心と喜びになり、他の場所で排泄する、失敗を防ぎやすくなります。
まとめ
犬はトレーの形ではなく、空間そのもので場所を認識します。
境目を作り、「この先はトイレ」という明確な区切りをつけてあげることで、自然と失敗が減っていきます。
トイレがなかなかうまくいかないときは、方法を変える前に“空間の演出”を見直してみてください。
犬の得意な空間認識を利用した環境づくりが、トイレトレーニング成功の大きなカギになります!