わんちゃんが吠える理由
吠えるという行動は、わんちゃんにとってごく普通のこと。人がしゃべることと同じく、わんちゃんは吠えを通じて何かを主張したりします。
不安、相手してほしい、退屈などなど…そのどれか、あるいは複数の感情を吠えることで表現しています。吠える理由がなんであれ、根本的には「満たされない感情」があるからなんです。
つまり、どれだけ人が困って、『やめて欲しい!』と思っていても、わんちゃんからすると吠え止むことも必要というルールは分からないのです。吠え止んでほしいという場合は、まず吠えないことを教えてあげる必要があります。
もう一点、わんちゃんが吠えてしまう理由があります。それは、気持ちが弱く、いろんな刺激に敏感に反応してしまう性質のため。特に、飼い主さんがいないときに不安を感じて吠えてしまう分離不安のような吠え方の場合、
吠える理由の根本にあるのは“落ち着く力”の弱さです。これは、わんちゃんが自分の感情をうまく処理できず、ただただ不安や刺激に反応している状態なんです。
このままでは、いくら大丈夫だよと安心させたり、おやつなどで気をそらしても、吠えを止めることはできません。
そこで鍵になるのが「お留守番練習」です。
「お留守番練習」とは?
お留守番は、単に“飼い主さんがいない時間に慣れる”為だけのものではありません。
犬にとっては、「ひとりで落ち着く」「刺激の少ない環境で安心して過ごす」という大切な学びの時間にもなるのです。
特におすすめなのが【クレート】や【サークル】での練習。
クレートは、狭くて暗く、刺激を遮断できる空間となります。犬は本来安心できる“巣”のような狭い場所で落ち付く習性があります。
ここで少しずつ、「ひとりでも大丈夫」という経験を積み重ねることで、犬は自然と感情のコントロールができるようになっていきます。
ただし、既にクレートなどが苦手な場合、部屋でのお留守番どころかクレートに入ること自体がストレスとなっている場合はまずクレートに入る練習から始めましょう。
クレート練習の進め方
最初は1分から、そして3分、5分…と少しずつ時間を伸ばしながら、という方法もありますが、慣れるのにどうしても時間だけでは足りない場合があります。
先ずはクレートがいい場所だと印象付けてあげるために、ごはんをそこであげたり出たり入ったりを繰り返し練習して『閉じ込められる場所ではない』と認識させてあげます。
クレートの中に入って吠えて止まらない場合はリードや手の補助を使ってもいいのでクレートの中で落ち着く姿勢を取る練習をしましょう。
この練習でパニックになってなかなか吠えが止まりづらい子もいるかもしれませんが、『愛犬にとって必要な成長』と考え、妥協せず負荷をかけていきましょう。
その負荷はやがて落ち着くことができるどっしりしたメンタルを養うことができ、ちょっとやそっとじゃ不安を感じない強い子に育ちます。
負荷をかけていく際、注意点があります。それは、出かける時・帰ってきた時になだめたり、過剰に褒めること。
出かける前はわんちゃんが一人になりやすいようにできるだけばれないように出ていく、帰ってきたときは落ち着いたタイミングで静かに接するようにしましょう。
まとめ
- 吠えの原因は「満たされない感情」や「落ち着く力の弱さ」
- お留守番練習は、ひとりでも安心して過ごせる力を育むことができる
- クレートは“安心できる場所”と感じやすい為、お留守番が苦手な子はそこから練習してあげると◎
こうしたお留守番練習を通じて“落ち着ける心”を育てること。そうした積み重ねが吠えなくなるための近道です。