愛犬が呼んでも来ない理由は学習と本能のせい?
まず一番気になるのは、愛犬を呼んでも来てくれないのは、飼い主さんのことを嫌いだからか?というところですよね。愛犬のことを愛おしく思っている身からすると、そんな愛犬に嫌われているかもしれないという疑問は、とても悲しい気持ちになるものです。
ですが安心してください。愛犬が「おいで」の呼び声に応じないのは、決して飼い主さんが嫌いだからではありません。
犬の行動は本能や学習に基づいており、「おいで」に反応しないのは、行動の結果によって起こった学習にあります。
つまり、「おいで」の合図で飼い主さんのもとへ来るか来ないかは、愛犬が経験した結果次第によって変わるということなのです。
犬の集中力が散漫になるのは環境への興味が勝つから?
犬は環境にあふれる匂い、音、他の人や動物などに気を取られやすい動物です。
例えば、「家では呼べば来るのに外では呼んでも来ない」という声はよく聞きますが、そのケースがこれに当てはまることが多いですね。家だとできることが外だと集中力が分散されてしまうので、できなくなるのは当たり前の現象です。
しかし、このことを知らないために「家ではできるのに外ではできないうちの犬はだめな犬だ」と、悲しいレッテルを貼ってしまう飼い主さんは少なくありません。
室内外関係なく、どこでも「おいで」に反応してもらうためには、繰り返しの練習と正しい方法が欠かせないのです。
愛犬の呼び戻しトレーニングは十分にされている?
犬自身が「おいで」の意味を知らない、または完成度が不十分の場合は、いくら「おいで」と呼んでも愛犬があなたのもとに来ることはありません。
完成度が不十分という点については先述したように、室内と屋外など、環境が変わるとできなくなるという話につながるので、十分な練習が必要です。
一方で、そもそも「おいで」の意味を犬が知らない場合は、「おいで」と呼んだところでどうすればいいのかを理解していないのですから、来るはずもありません。
愛犬に呼んだら来てくれるようになってほしいのであれば、まずは「おいで」の合図の意味を知ってもらうことから始めましょう。
「おいで」の合図にネガティブなイメージを持っているかも?
仮に「おいで」の意味を理解していたとしても、そのための行動を起こした結果にネガティブな経験があれば、呼ばれても行かないという選択をする可能性はあります。
よくある間違った対応が、愛犬がせっかく「おいで」の合図で来たのに、ネガティブな経験を与えるというものです。
「すぐ来なかった」「脱走したから」などの理由で愛犬を叩いたり、ご褒美をあげるふりをして提供しないなどの騙し行為をしたり。
このようなことをしていると、「おいで」の合図はネガティブな結果が起こる合図だと学習してしまうため、呼ばれても来なくなってしまいます。
「おいで」の合図の結果を必ずポジティブなものにする
愛犬に「おいで」の合図で必ず飼い主さんのもとへ来てほしいなら、十分な呼び戻しトレーニングが必要です。
ただし、その方法はポジティブなものであり、決して罰を与えてはいけません。
「来なかったらひどい目にあうぞ!」と脅しによる学習をさせるのではなく、「来てくれたら必ずあなたに良いことが起こるよ」という約束をしましょう。
その繰り返しの経験により、愛犬は「おいで」をポジティブな合図と学習し、どんな場所でも飼い主さんのもとへ来てくれるようになります。
まとめ
愛犬が「おいで」の合図で来てくれないのは、決して飼い主さんを嫌っていたり舐めているわけではありません。
そもそも「おいで」の意味を知らなかったり、ネガティブな経験から行かない選択をしていたりするなど、別の理由があります。
そして、それはポジティブなトレーニングによって変えられるので、ぜひ楽しい取り組みとして愛犬と練習してみてくださいね。