犬の臭いの嗅ぎ方は2種類
犬の嗅覚は人間よりも優れているという話は有名ですが、その犬の臭いの嗅ぎ方が2種類あるという事実を知っている人は意外に少ないものです。
「犬の嗅ぎ方が2種類ってどういうこと?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
犬の臭いの嗅ぎ方にはそれぞれ「間接タイプ」と「直接タイプ」の2種類があり、警察犬は前者の「間接タイプ」の犬が多いとされています。
「間接タイプ」の嗅ぎ方の犬は、基本的に地面などに残った臭いを鼻を地面に擦るぐらい近づけて嗅ぎ、目的の人物や動物の正体を突き止めます。
反対に「直接タイプ」の嗅ぎ方をする犬は、地面などに付着した臭いは嗅がず、顔をあげて空中に浮遊している臭いを直接嗅ぐことで、その正体を突き止めようとします。
なぜ2種類の嗅ぎ方が存在するの?
先ほどの話で犬の中には「間接タイプ」と「直接タイプ」の2種類の嗅ぎ方が存在するということは理解していただけたかと思います。
しかし、そこで「なぜ嗅ぎ方が2種類に分かれるのだろう」という疑問が浮かび上がります。
その理由の1つとして、鼻の構造の違いや嗅細胞の感受性の違いが挙げられます。
嗅細胞というのは鼻の中の粘膜に存在しているもので、その細胞が臭いを受け取ることで脳に伝わり、「このような臭い」と感じることができるのです。
そして臭いを嗅ぐ能力は、嗅細胞の数と嗅細胞が付いている粘膜の広さによって変わります。
そのため犬と人間を比較した際、犬の方が人間よりも嗅粘膜が広く、嗅細胞が多いということになります。
この嗅細胞の感受性の違いによって、犬種により嗅ぎ方が2種類に分かれると言われているのです。
目的によっても分かれる
そしてもう1つの大きな理由に、犬種ごとの臭いを嗅ぐ目的の違いが挙げられます。
今ある犬種の多くは、元々が狩猟目的として飼われていました。
そのため、どのような動物を標的に狩猟を行っていたかによって嗅ぎ方が分かれるのです。
例えば陸地に生息している動物を狩る犬種ならば、地面について臭いを嗅ぐことで居場所を突き止めることができます。
そのため、「間接タイプ」の嗅ぎ方になるのです。
一方、空を飛ぶ鳥などの生き物を狩る犬種は、地面の臭いを嗅いだ所で居場所を突き止めることができません。
そのため空中に残っている臭い分子を嗅ぐことで居場所を突き止めていたのです。
したがって、「直接タイプ」の嗅ぎ方になったと言われています。
それぞれの嗅ぎ方を代表する犬種
ここまで、どのような嗅ぎ方があるのか、また嗅ぎ方の違いの原因となるものは何なのかをご紹介して参りました。
しかし、これだけ見ても「うちの子はどちらのタイプなんだろう?」とわからない人も多いのではないでしょうか。
そこでここからはいくつかの犬種をピックアップし、直接タイプと間接タイプの犬種をご紹介していきます。
まず最初に「間接タイプ」の犬種からご紹介しましょう。
先ほど警察犬になる犬はほとんどがこのタイプであることをお話ししました。
警察犬の代表格と言えば、シェパードですよね!
このシェパードこそ、「間接タイプ」の代表格と言えるでしょう。
また元々キツネを狩っていたビーグル犬も、地面を嗅ぐことでキツネの居場所を突き止めていたため、間接タイプに含まれます。
さらに最近ではペットとして人気が急上昇しているダックスフンドなども、間接タイプに当てはまります。
一方「直接タイプ」には、ポインターやセッターなどの鳥の狩猟の際にお手伝いをしていた犬種が挙げられます。
このように代表的な犬をご紹介してきましたが、もしも間接タイプの犬に空気の臭いを嗅がせた場合はどうなるのでしょうか?
そうすると、十分な力を発揮できないため、臭いを嗅ぎ正体を突き止める能力が低くなってしまうのです。
もちろん、その逆もまた同じです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
皆さんの飼っている愛犬は、普段どのような体勢で臭いを嗅いでいるでしょうか。
ぜひ今回の記事を参考に、ご自身の飼っている愛犬を観察してみてくださいね!