教えたのに伝わっていない?
愛犬が理解しやすくなる3つのポイントとは?
ポイントに入る前に、関連付けとはいったい何か?解説します。
犬は、「〇〇をすると〇〇になる」という【過程】と【結果】を結びつけた学習プロセスを経て、物事を覚えると言われています。
この関連付けは、犬が新しいことを学ぶ際に自然に働くのです。
つまり、私たちが愛犬に新しいことを教えていく場合【特定の行動とその後に起こることを関連づけることで学習が進む】ということを知った上で教えていくことが大切です。
犬がどの要素と関連付けて学習しているのか、理解しておかないと…意図しない動作や環境要因が学習に影響を与えてしまい、教えれば教えるほど、教えたいことから遠ざかるといったことが起こってしまいます。
愛犬が“理解しやすくなる”3つのポイント
関連付けて覚えることが分かったところで、次から愛犬に新しいことを教える、しつけを進めていく際どの様な点を意識して教えてあげると、教えたいことが正しく伝わるようになるのか順番にご紹介していきます。
- ポイント① 合いの手を入れない
犬は人の指示をある程度理解できますが、指示の途中に入る「合いの手」までを区別することは苦手です。
例えば、「おすわり!はい、いい子!」「〇〇ちゃん!ふせ」
このように指示の合間に「はい」という指示以外の音や犬の名前を入れてしまうと、犬はそれも指示の一部として関連付けてしまう可能性があります。その結果、「おすわり」だけではなく「おすわり、はい」と言わないと動かなくなるなどの混乱が生じることがあります。
犬に指示を伝える際は、シンプルかつ一貫した言葉を使い、不要な言葉を省くようにしましょう。
- ポイント② 体を前のめりにしない
犬は、人の圧力や気配を敏感に読み取る動物です。私たちはしつけを行う際、指示を伝えようとするあまり、つい体を前のめりにしたり、顔を覗き込むような姿勢になってしまうことがあります。
例えば、指示を出す際に体を前傾させると、その姿勢が「圧力」として伝わり、犬が従う条件になってしまう。
その結果、普段のリラックスした状態では指示を聞かなくなる。
このように、犬が指示の言葉ではなく「人の姿勢」や「圧力」を基準に学習してしまうと、異なる状況では従わなくなってしまいます。
指示を出す際は、リラックスした姿勢を意識し、必要以上に犬に圧をかけないようにしましょう。
- ポイント③ 集中しづらい環境で教えない
犬がしつけを学ぶ際、集中力が必要不可欠です。
最初から騒がしい場所や他の刺激が多い環境でトレーニングを行うと、犬は指示に集中できず、結果的に学習が遅くなってしまいます。
例えば…
・テレビがついている部屋でトレーニングをする。
・他の犬や人が多くいる公園で最初の指示を教えようとする。
これらの環境では犬の注意が分散し、指示を覚えるどころではなくなってしまいます。最初は静かで刺激の少ない環境でしつけを行い、犬がしっかり理解した後に、徐々に難易度を上げていくのが効果的です。
まとめ
しつけの成功には、愛犬が「本当に理解しやすい方法」で学べるように、教えられるかどうかが鍵となります。
- 合いの手を入れず、シンプルな指示を心がける。
- 前のめりにならず、リラックスした姿勢で指示を出す。
- 最初は静かな環境で教え、徐々に難易度を上げる。
これらを意識することで、犬の混乱を防ぎ、よりスムーズなしつけが可能となります。
しつけは「犬に何かを覚えさせる」といった犬側の頑張りだけでなく、人側も「犬が理解しやすい環境を作ること」に徹してあげなくてはなりません。
焦らず、犬の学習の仕組みを活かして、効果的なトレーニングを進めていきましょう!