先ごろ「マイボイスコム株式会社」というインターネットリサーチの会社が「ドッグフード・キャットフードに関するアンケート調査」を行い、その結果が様々なメディアを通じて発表されました。
この調査は2013年に続いて第2回目となります。
この記事では今回の調査の結果や、そこから見えてきた事などについて紹介していきたいと思います。
ペットフードに関するアンケート調査でわかったこと
アンケートの対象者はペット飼育の有無に関係なく選ばれたそうで、今回の調査の全回答数は10,731件で、回答者の男女比は男性52%女性48%とほぼ半々だということです。
また、年齢別では10代が1%、20代が6%、30代が15%、40代が29%、50代以上が50%と年齢層が高めの回答者層となっています。
犬・猫の飼育状況
回答者全体のうち、犬のみを飼っている人が9.8%、猫のみを飼っている人が6.4%、両方を飼っている人は1.4%だったので、合計すると犬や猫を飼っている人は17.6%となっています。
犬も猫も飼っていないと答えたのが82.4%で、この数値は前回の76.6%よりも6%近くも増加しています。
フードのタイプ
犬・猫を飼っている人で、普段ペットに与えているフードのタイプでは、「市販のドライフード」を与えている人が88.7%、「市販のウェットフード(缶詰)」を与えている人が22.3%、「市販のウェットフード(レトルトやプラスチックカップ)」が17.8%、「市販の半生フード(ソフトドライ、セミモイスト)」が15.3%、「手作りと市販品を混ぜたもの」が6.8%、「手作りのもの」が6.5%となっています。
また、フードではないですが「市販のおやつ、スナック」を与えているという人は31.7%いました。
猫を飼っている人ではウェットタイプの比率がやや高くなっています。
ペットフードにかける費用
ペットフードにかける1ヶ月あたりの費用は「1000~2000円未満」と答えた人が23.1%と最も多く、続いて「2000~3000円未満」が19%、「3000~4000円未満」が13.7%、「1000円未満」が11.1%、「5000~10000円未満」が10.1%、「4000〜5000円未満」が9.4%だったということです。少数派として「10000円以上」と答えた人が2.3%で、また、「わからない」と答えた方が10.4%という事です。
この統計からわかる通り、犬・猫のフードにかける費用は「1000〜2000円」「2000〜3000円」がボリュームゾーンとなっており、この2つを合計すると市販のペットフードを与えている人の約4割強に当たります。
ペットフード購入時に重視する点
「価格」40.6%、「対象年齢」36.8%、「嗜好性(好みに合っている)」35.2%、「原材料」33.5%、「安全性」33.3%、「原産国」28.8%、などが重視点の上位にあがっています。
他には「容量・サイズ」「効能・効果など」「栄養面」「添加物」「メーカー」などが続いています。
猫を飼っている人では「価格」の次に「嗜好性」が来ています。
そういう点は猫らしいですね。
ペットフードを選ぶ時の参考にする情報源
「商品パッケージの説明」28.4%、「店頭の情報」25.9%、「獣医師やブリーダーなど専門家の意見」20.5%が上位に来ており、続いて「テレビ番組・CM」「家族や知人・友人の意見」「チラシ・パンフレット」「口コミサイト・比較サイト」などが来ています。
回答者の声
コメントとして寄せられた、市販フードに対する不満点には以下のようなものがあります。
「いいものは高いし、安いのは変なものが入っている。」(男性28歳)
「種類が多すぎて、実際どれが良いのか購入時に迷う。」(男性33歳)
「国産のものは小分けだったり価格も手頃で良いが、副産物が多くて使えない。」(女性46歳)
「試供品がないので犬・猫の好みに合わないときがある。」(女性29歳)
「食べなくなると変えてみたり、なかなか定まらない。値段の差もありすぎで悩む。」(女性66歳)
やはり、どれを選べば良いのか?ということに関して不満、つまりは悩みが多いようですね。
アンケート調査結果から見えること、考えられること
フードのタイプの項目から
市販のドライフードが圧倒的に多いのは、その便利さから言っても納得の結果です。
また、回答数では下位ですが「手作りのもの」に関して、3年前の調査よりも2%減少しています。手作り食に関する情報も増え、挑戦する人も増えているように見えるので少し意外な気もします。
フードにかける費用の項目から
フードにかける1ヶ月あたりの費用が3000円未満というゾーンが合計で53.2%となっていますが、これは3年前の調査の同じゾーンの合計が58.7%ということをみると5%ほど減少しています。
反対に1ヶ月あたりの費用が5000〜10000円の層は3年前に比べて8.2%から10.1%に増加しています。
これらのことから、フードにかける費用は増加している傾向がたいへん緩やかながらも感じられますね。
フード購入時の重視点から
3年前の調査に比べて「価格」「対象年齢」「嗜好性」に関する回答は減少しており、反対に「原材料」「原産国」を重視するという回答は増加しています。
この傾向は費用の項目で「フードにかける費用は増加傾向か」とした点と方向性が一致しています。
その他
市販のフードを与えている多くの飼い主さんが「どれを選べばいいのか?」と悩み、試行錯誤している様子が伝わってくるようですね。
しかし参考にする情報源が商品パッケージの説明や店頭の情報という、マイナス情報が伝えられないものに頼っている人が多いのは、フードそのものだけでなく情報に関しても悩みが多いようです。
まとめ
アンケートの結果から、
- フードのタイプは市販のドライフードが圧倒的多数派
- フードにかける費用は「1000〜2000円」「2000〜3000円」がボリュームゾーンで、全体の4割強
- フードにかける費用はわずかに増加傾向
- 原材料や原産国へのこだわりも増加傾向
- フード選び、情報源はいつも飼い主の悩みどころ
などの点が見えてきましたが、この結果をみなさんはどう思いますか?
犬や猫は自分でフードを選ぶことはできません。
飼い主が買ってくるものが全てです。
フードの価格のボリュームゾーンの製品では、タンパク源が穀類メインで肉や魚は少なめというものが多くなります。
犬や猫の食性を考えると、穀類の多いフードはやはり体に優しいとは言い難いものです。
費用の面では色々な事情もありますが、健康的な食事をすることで医療費がかかるリスクを下げられることなどから一考の価値があるでしょう。
その点で原材料や原産国にこだわる人が増えているのは喜ばしいことだと感じます。
そしてフード選びに頭を悩ませる飼い主さんたちが安心して頼れるような、良心的で信頼出来る情報を提供すること、飼い主さん自身が判断できるための教育の場などは、今後のペット産業のキーのひとつではないかと感じました。