クローン犬の誕生
韓国の企業「Sooam Biotech」はクローン犬を創り出す技術を持ち、2005年から現在に至るまで600頭近くのクローン犬を誕生させています。世界中の愛犬家から約1000千万円で依頼を受けて、クローン犬を誕生させているといいます。
もう二度と会えない、触れる事も出来ない、と諦めるしかなかったのに、再び子犬の姿で飼い主さんのもとへ帰ってくる訳です。
2014年に、イギリスで最初のクローン犬「ミニウィニー」が誕生しました。ミニウィニーは、「ウィニー」という名のダックスフンドと全く同じDNAを持つクローン犬です。ウィニーの飼い主であるレベッカさんは1000万円相当の「クローン犬を誕生権利」を手に入れ、ミニウィニーを誕生させたそうです。
この当時、ウィニーは高齢でした。愛犬が若い時は想像しませんが、老いたり病気で弱って行く姿を見た時に愛犬がいなくなる日が近づいている事を思い知らされます。
きっとレベッカさんはウィニーが天国に旅立った時、側にミニウィニーがいれば悲しみや寂しさが癒されると思っていたのかもしれません。
しかし、いくら見た目がどんなに似ていても100%同じではありません。その犬の性格や行動パターン、好みなどは生まれた後に決まってくるため、元の個体と全く同じになることはないのです。
見た目が同じな分、「外見以外は違う」というギャップになかなか理解できない飼い主も多いようです。
そう、どの犬も他に代わりのいない「唯一無二の存在」なのです。
どの犬も唯一無二の存在
似ているけれど、同じではない
私の家族はみんな犬が好きで、母がやっと子育てから解放され家族全員で犬の世話が出来る環境が整った時、 家族として迎えたのが「ゴールディ」という名前のアメリカンコッカースパニエル。茶色と白のブチ模様の女の子でした。
その二年後に同じ犬種とかけあわせて、「チュパ」という娘も授かりました。
↓ゴールディ
↓チュパ
それから彼女達が天国へ旅立ってさらに数十年後、私は同じアメリカンコッカースパニエルで同じ茶色と白のブチの女の子、「めいぷる」を家族に迎えました。
ゴールディとチュパの手触り、声、匂いが忘れられなかったからです。
↓めいぷる
でも、同じ犬種で同じブチ模様という見た目だからこそ、めいぷるはゴールディともチュパとも違う事が際立ち、三匹ともそれぞれが違うと気づかされました。
ゴールディはキャベツを生では食べない。チュパはキャベツの芯が好きで、めいぷるは千切りにしたキャベツしか食べません。
同じ道を散歩していても、興味を持つ対象がそれぞれ違います。ゴールディは食べ物が落ちていないか探すし、チュパはカエルやバッタなど食べれそうな生き物、めいぷるはスズメやカラスなどの鳥を見ると目の色が変わります。
そんな些細な違いに気付く度に、ゴールディ達を鮮明に思い出すのです。似ている部分があるから余計に違いが際立ち、ゴールディ達が亡くなった悲しみは癒されても、寂しさや恋しさはめいぷるでは埋められないのです。
めいぷるは、ゴールディ達の代わりには決してなれない事を痛感しました。
でもめいぷるがいるから、一緒に暮らしていた時間よりも亡くなってからの方が長いのに、毎日ゴールディ達の事を思い出すことができます。
では、もしゴールディ達のクローンが生きて側にいたら?
同じ匂い、同じ手触り、同じ顔で同じ模様なら、私は愛犬を亡くした悲しみを忘れる事が出来るのでしょうか?
まとめ
亡くなったペットと全く同じ遺伝子を持って生まれたクローン犬。同じ声、同じ手触り、同じ匂い、同じ顔をしていても、その子そのものではありません。
一緒に過ごした時間や思い出も含めて、愛情を注いだ愛犬は何物にも変え難い唯一無二の存在です。天国へ旅立てば、二度と会えない大切な命です。
人間と比べてとても短い命だからこそ、与えられる愛情の量も無限ではありません。
「今日一日ぐらい、散歩行かなくていいかな」「今日一日ぐらい、遊ばなくてもいいかな」なんて愛情を出し惜しみせず、あなたの愛犬が「今日も楽しい一日だったなあ」と満ち足りて毎日眠りにつける様にたくさん愛情を与えてあげたいですね。