【獣医が解説】愛犬の『かかりつけの先生』とは?動物病院を選ぶポイント、診察の際に話しておきたい事

【獣医が解説】愛犬の『かかりつけの先生』とは?動物病院を選ぶポイント、診察の際に話しておきたい事

おうちのわんちゃんの健康面でのトラブルがあったとき、誰に相談をすることが多いですか?トリミングサロンのスタッフさん、お散歩仲間などなかなか動物病院が敷居が高いと感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。かかりつけの先生はいますか?先生とお話ができると安心なことを書かせていただきました。

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記事の提供

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

かかりつけの先生にお願いできること

聴診器と犬

かかりつけって何?という飼い主さんも多いと思います。

かかりつけの先生には以下のようなことをお願いするケースが多いです。

予防

わんちゃんが健康に過ごすために欠かせないのが予防です。

ワクチン接種や感染症予防などが挙げられます。

年齢や体質によって、今までの予防方法では体への負担がかかってしまうケースもあります。

おうちのわんちゃんの現在の状況に応じて、適した方法を相談しながら決めることが多いのがかかりつけの先生です。

状態をカルテなどに残して、把握してもらえることもメリットと言えるでしょう。

普段の身のまわりのケア

動物病院は病気のときのみに受診する場所ではありません。

一般的な病院は、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りなどのケアも行ってもらえるケースが多いです。

トリミングサロンなどでも行うことが可能ですが、動物病院で行なう場合、万が一その際にトラブルなどが発見された際に治療への移行がスムーズな点等がメリットとして挙げられます。

また、高齢で持病がある場合なども持病の状態を見てもらいながらケアも併せて行える可能性があることなどがメリットと言えるでしょう。

定期的な健康診断

年に一回や半年に一回の健康診断を習慣化している飼い主さんも多いと思います。

毎回かかりつけの動物病院で行なうことで、おうちのわんちゃんの健康な状態の時の値を把握することができ、加齢に伴う機能低下による変化や病気の早期発見につなげることが可能となるでしょう。

日常生活の小さな変化や飼い主さんの気づきで早期に検査につなげることも可能となります。

動物病院の持つ機器によって、行える検査の項目が異なります。

血液検査は一般的ですが、併せてレントゲン検査や超音波検査、設備のある動物病院ではMRIやCTなどの検査も行える場合があります。

かかりつけの先生、どんな風に決める?

ハイタッチする獣医師と犬

特定のかかりつけの先生がいないという飼い主さんもいるかもしれません。

どんなことを指標にかかりつけの先生を探すと良いのでしょうか。

飼い主さんの生活環境や求める獣医療によって指標となるものは様々だと思います。

一例として挙げてみました。

近さ

動物病院へ行くための手段が徒歩であったり、大型のわんちゃんを連れて行く必要や多頭飼育で一度に受診することが難しいなどのケースの場合、重視されるのはご自宅と動物病院の距離です。

地域によっては動物病院が少ない地域もあると思いますが、徒歩で移動できる距離の圏内に複数の病院がある場合もあるでしょう。

また、持病が発作などの急変を起こす可能性のあるものである場合は、すぐに駆け付けられる距離の病院だと安心です。

自分の求めるシステムの有無

飼い主さんによって動物病院に求めるものは異なると思いますが、重視したいポイントが動物病院に備わっているかどうかも大切な要素です。

例えば検査機器の充実や獣医師の数、病院の規模なども大きい方が安心できるという飼い主さんや、ゆっくりと話をできる時間を設けたり、他のわんちゃんや猫ちゃんと一緒に待つ時間を減らすために予約制をとっている病院の方が安心できるという飼い主さんなど、求めるものは様々でしょう。

お散歩仲間の口コミやホームページ掲載の情報をもとに、どのような病院かを調べても良いでしょう。

話しやすさ

かかりつけの先生は、いわば一番身近な存在で、協力して健康管理をしていく存在となり得ます。

健康面で困った時にかかりつけの先生にこまめに相談できると安心です。

どうしても相性もあると思うので、飼い主さんそれぞれにどんな面でお話のしやすさを感じるかということも異なると思います。

一番話をする機会が増えるのは、おうちのわんちゃんに病気が発覚したり、加齢とともに体の器官の機能の低下が見られるようになってきたときと言えるでしょう。

普段の予防やケアの時に、気になる病院を受診してみて、お話をいろいろしてみることをおすすめします。

話しておきたいこと

会話する獣医師と飼い主

かかりつけの先生と、そのときの健康状態や悩んでいることなどを話すことはあっても、なかなかその先のことやいざという時のことを話すことは後回しになってしまうことも多いのではないでしょうか。

いざという時に慌てたり困ったりしないようにかかりつけの先生の時間のある時にお話しておくと安心です。

夜間などの救急対応について

まずはどんなわんちゃんでも起こり得るトラブルとして、診療時間外の体調の急変や誤食などの緊急性のあるトラブルが挙げられます。

そんな時にどうしていいかわからない場合、インターネットなどで診てくれそうな病院にひとつひとつ連絡をして調べるなどとても大変な作業になってしまう場合があります。

パニックになっていると余計に思い通りに情報が得られなかったり、情報が耳に入ってこなかったりして途方に暮れてしまうこともあるでしょう。

そんなときのために、かかりつけの先生に緊急時にはどのようにしたらよいかということを相談しておくことをおすすめします。

かかりつけの先生の携帯電話などつながる連絡先を教えてくれる場合や、提携している救急病院の情報などを教えてくれる場合があります。

老後のケアについて

若いころはあまり健康で動物病院を受診することも少ないかもしれません。

しかし、中高齢になり始めたころからハイシニアになった時のことを考えて、かかりつけの先生に相談しておくことも大切です。

例えば、大型犬や移動が難しい疾患などの場合に往診の対応が可能かどうかということの確認や、持病によっては進行の程度によっては飼い主さんが家庭でケアを行うために必要なことがある場合もあります。

飼い主さんの準備としてどんなことができるかということも含め、かかりつけの先生とお話しておくと安心です。

治療はどこまで行うか

トラブルや疾患がわかった時に、治療や検査はどこまで行なうかということをご家族で話し合って、かかりつけの先生と確認しておくことも大切です。

例えば、大学病院などの二次診療施設への紹介が可能なのかということや、先生の考える方針と飼い主さんの考える方針の方向性がどこまで同じ方向を向けるのか、また先生の意見を聞いて飼い主さんたちの考えの方向性の調整をしたり、考えを改める必要がある場合もあるかもしれません。

難治性の疾患になる可能性も全くないわけではありません。

そのようなときに、かかりつけの先生がどこまでの対応が可能なのか、また治療方針としてどのようなことを考えているのかということも知っておくと、疾患が発覚した際に、先生の考える治療方針に不安になったり、意見がそろわずに悩むということも少ない可能性が高いです。

まとめ

獣医師と飼い主

どうしても診察の際は混雑していたり、かかりつけの先生が対応出来なかったりして、大切な話は後回しになってしまいがちです。

いざという時に飼い主さんが困ることのないよう、かかりつけの先生ともしっかりと信頼関係を築くことをおすすめします。

なかなか話しづらい場合、予約を取る際や、受診する前にあらかじめ電話口などで相談したいことがある旨を伝えておくとスムーズな場合もあります。

看護師さんがいる場合、まずは看護師さんに伝えてみて、かかりつけの獣医師の先生につないでいただくという方法も良いと思います。

少しでも飼い主さんたちの感じる不安が減らせるようにできることが理想的ですね。

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