愛犬と飼い主が再会したとき、お互いの心拍リズムが同じになる
犬を飼うことが人間の健康増進に効果があるとされる研究は今までいろいろとされてきました。アメリカ心臓協会では心臓病の予防につながるという発表もあります。
ストレス社会の現代においては心労や肉体的ストレスから動悸・血圧上昇がおこり、その結果心臓病のリスクが高まります。
これに対し、ペットを飼うことでストレスが軽減され病気のリスクが低くなるというわけです。
最近ではオーストラリアの大学教授と犬の研究者が実験した結果、しばらく離れていた飼い主と愛犬が再会したとき、1分以内にお互いの心拍リズムが同じになった後、低下していったということです。
お互いの姿を見た瞬間に心拍は下がり、そのリズムは同じような波形を描いていく。なんだか感動的ではないですか?犬だけではなく他の動物においても、そのペットとの関係が良いものであれば同じような効果は得られるようです。
疲れて帰宅したとき、愛犬の姿にホッとするというのはこのような効果からなのかもしれませんね。
ペットは本当に癒してくれている!
癒されていると感じる理由
古来からの説
犬が人間と生活を始めたのは恐らく1万年前と言われています。牛や馬などよりもずっと昔から犬は人間を助けてきました。
これは犬の能力を人間が利用していたためです。犬は自然災害や外敵の侵入などの危険を人間よりもすばやく察知するので、犬を身近に置いて観察することで危険を回避することができました。犬がリラックスしているときは人間もリラックスできるのです。
この記憶が現代の人間にも残っていて、リラックスした動物を見ると人間も安心感を得るというものです。
オキシトシンという幸せホルモンの説
オキシトシンは女性ホルモンの一種で、母と子の絆の維持や恋愛関係・夫婦関係を深めるだけではなく、他者との友好や信頼の構築に働きかけるホルモンです。
人間だけではなく動物も持っており、動物をなでると人間も動物も共にオキシトシンの分泌量が増えるそうです。
また犬と人間の関係では見つめ合うだけでもオキシトシンは作用するようで、本来オオカミなどは相手の目を見つめることは威嚇となりますが、犬とはこのホルモンが同じように働くことで絆を深めることができたという研究もあります。
他にもストレスを緩和させる効果や過食を防ぐ効果もあり、健康にも深く関係しています。
このオキシトシンの作用で人が癒されるのは、母親の保護を必要としている赤ちゃんは抱かれるというスキンシップで皮膚や体温などを感じて生来の欲求を満たしていることからきているようです。
愛犬を撫でることにより安心感を得てお互いの絆も深めることができるということではないでしょうか。
お互いにより良い関係を築くために
ここで取り上げた実験結果やホルモンの作用は、飼い主だけではなく愛犬にも同じような結果をもたらすことが分かりました。
心拍数や血圧を下げストレスを緩和してくれたり、散歩に行けば一緒に運動もしてくれる。悲しいときや元気のないとき寄り添ってくれる。
でもよく考えれば、私たちが癒しを必要としているとき愛犬も癒されたいと思っているのかもしれません。
犬の察知する能力は飼い主や周りの人間の心の機微にも敏感に反応します。飼い主の落ち込みを感じた愛犬は自分も不安になって、癒しを共有しようと飼い主の下に寄り添うのではないかと思えてなりません。
それは飼い主と再会したときの心拍数の同期でもわかります。留守番していた愛犬もストレスを抱えています。仕事で疲れたあなたも同じようにストレスを感じています。帰宅して一番に迎えてくれるのは同じようなストレスを抱えている愛犬なのです。飼い主と愛犬の絆はお互いに癒し癒されて深まっていくとすれば、愛犬の心身の健康こそが飼い主さんの健康でもあると思うのです。
愛犬を自分自身の鏡と思って愛情をかけてあげましょう。
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40代 女性 匿名