アレルギーはなぜ起きる?
まず、はじめに「アレルゲン」というものをしっかり理解しておきましょう。
これは、アレルギーの犬が持っている抗体と反応してアレルギーを引き起こす物質(抗原)のことです。
ざっと分けてに2種類あります。
環境アレルゲンと食餌アレルゲンです。
これを除けばアレルギーの症状は、理論上はなくなります。
さて、アレルギーの引き金は3つあります。
環境、食餌、健康状態です。1つずつ考えて見ましょう。
環境
犬は四足です。床から20〜30センチの位置を歩き回ります。カーペットなど床の状態次第で、犬が取り込むアレルゲン(アレルギーの素)の種類と量がまったく違ってきます。
床からのアレルゲンには
- ハウスダスト
- ダニ
- カビ
などがありますから、犬がいつもいる場所は床を中心に清掃を徹底してください。
他にも、樹木や草などの花粉に反応するケースも多く見られます。犬を取り巻く環境中にあるもの全てがアレルゲンになる可能性を持っています。
食餌
犬のアレルギーの原因で食餌は大きなウエイトを占めます。牛や馬とは違い犬は本来肉食寄りの雑食です。だから、穀物など炭水化物はうまく消化できない場合もあります。代表的な小麦などは、犬にとってはアレルゲンになることもあります。全ての犬には当てはまらず、食物アレルギーの有無はアレルギー検査を行わないと分かりません。
健康状態
犬の健康状態がすぐれない時、環境/食餌アレルギーが起こりやすいのです。
だから、いつも健康で丈夫な犬に育てること、犬の体に抵抗力をつけてあげることに気を配ってください。
抵抗力があれば、アレルゲンが体内に入ってきても、犬は反応を起さずに過ごすことができます。
◎アレルギーの症状は?
アレルギーの症状はまず「痒(かゆ)み」です。
その後にこんな症状が見られるようになります:
毛が抜ける
ホットスポット(犬の皮膚にできる急性湿疹で、とても痒い)ができる
耳の感染症がでる。(慢性または再発性)
目が赤く、涙目になる
くしゃみをする
足が腫(は)れる、痒い
下痢、嘔吐、便が増えるなどの消化器症状
アレルギーになったらどうする?
症状によって、どうするかは違います。食餌が原因なら、次の項目(アレルギーを防ぐには?)を見てください。
皮膚系や内臓系の症状は、早めに掛かりつけのお医者さんに診てもらうことです。
飼い主にできることは、そうならないようにするには、どうしたらいいか、を考えることです。
アレルギーを防ぐには?
飼い主にできることは、そうならないようにするには、どうしたらいいか、かを考えることです。
冒頭の「アレルギーはなぜ起きる?」でお話した三つの原因に対応した対策を考えるために、それぞれについて大切なポイントを抑えてヒントを挙げてみます。
環境が原因の場合
これは重複になりますから、細かいことは省きますが、犬が生活する場は常に清潔にしておいてあげましょう。
ひんぱんに掃除機をかけること、犬によってはタバコの煙もアレルゲンになりかねないから、ご主人に禁煙してもらう必要があるかも知れません。
症状によっては、空気清浄噐も有効です。
食餌が原因の場合
穀物を避ける
犬にとって消化吸収の良い食べ物は肉類です。消化器官が短いので、犬には肉をベースにした高たんぱくの食事が適しています。しかし、すべてが肉でいいというわけではなく、犬にとって必要な栄養素がバランスよく満たされている必要があります。
腹持ちがいいからといって、穀類分の多いフードは消化が悪く、多量にあげると食物アレルギーを起こす可能性もあります。
栄養バランスを
犬は植物や穀物をベースにした食事をすることはできても、栄養バランスが崩れて抵抗力が弱まり、アレルゲンに持ちこたえられないだけでなく、様々な病気にも罹りやすくなる、という悪循環を引き起こすのです。偏った食事は栄養バランスが取れないので、様々な問題が起こる可能性があります。
まとめ
環境と食餌、それに飼い主の愛情が行き届いた犬は健康に育つはずです。アレルギーは、そのどれが崩れても罹る率が高くなります。
まずは、犬の生活の場をスッキリと、清々しい状態に保つ努力をしましょう。飼い主も気分がいいし、何よりも犬にとってはそれが最高なのですから。