犬と人間の『目』にはさまざまな違いがある
犬と人間は体のさまざまな部分の構造が異なります。『目』ひとつとっても構造に大きな違いがあり、実は同じ景色を見ていても、見えている世界が違うと言われています。
犬と人間の見え方の違いを理解することで、愛犬がより生活しやすいような工夫を取り入れたり、犬に関する知識を深めたりすることができるでしょう。
今回は犬と人間の『目の違い』を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
どこが違うの?私たちと犬が見ている世界の違い
具体的に私たち人間と犬では、目にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは見えている世界の違いを比較しながら、『犬の目』の秘密を解説します。
犬が見ている世界は解像度が粗いイメージ
犬は脳に視覚情報を伝達する視神経の繊維の数が、人間よりもはるかに少ないと判明しています。そのため、同じ景色を見ていても、人間ほど正確な視覚情報として脳に伝わっていません。
犬の視点では人間が見ている景色よりも粒子が粗く目に映っているため、全体的に解像度が粗いイメージで見えていると言われています。
犬は識別できる『色』が少ない
犬は人間よりも「錐状体(すいじょうたい)」と呼ばれる器官が少ないため、識別できる色の種類も少ないと判明しています。
しかし、昔はモノクロに見えていると思われていましたが、近年の研究によると、ある一定数の色を見分けることはできているようです。
例えば、紫や青は青っぽい色として認識しており、黄色や緑などの系統の色はくすんだ黄色として目に映っていると言われています。
ただし、赤は識別が難しく、グレーに近い色として処理されるため、赤は認識できていないと考えられています。
視力は悪いが暗闇では犬の方が夜目が効く
一般的に犬の視力は人間の平均的な視力よりも悪く、0.26程度しかないといわれています。そのため、基本的には視覚情報だけでなく、優れている嗅覚や聴覚を存分に発揮して、周辺の情報を得ているのです。
しかし、暗闇では一転し、夜目が効くようになります。そのため、夜の散歩などでは飼い主よりも愛犬のほうが周囲の状況が見えていることもあるでしょう。
犬は人間よりも見えている視野が広い
私たち人間の目は、顔の前方についています。そのため、両目で見える視野角度は約120度程度だと言われています。
対して、犬の目は顔の横あたりについていることにお気づきでしょう。彼らは両目でものをとらえているというよりは、単眼で135度〜150度ほどの視野角度まで見渡すことができます。したがって、左右の目を使い、単眼で300度程度まで視野を広げることが可能です。
動くものは約25%遅いスピードで犬に見えている
犬の動体視力が優れていることは広く知られています。しかし、どの程度、人間よりも優れているのかよく理解していないという方が多いでしょう。
実は、動くものを視覚で追いかけるとき、犬の目には人間が見えている動きよりも約25%遅い動きに映っていると言われています。そのため、人間よりも正確に動くものをとらえることができているのです。
まとめ
いかがでしたか。改めて犬の目と人間の目の違い、そして見え方の違いを比較してみると、見えている世界が大きく異なることに気づきます。
犬の見えている世界を参考に、実生活に活かせる部分は工夫として取り入れてみましょう。