犬を安易な気持ちで迎えると不幸な結末になることも
近年、犬をペットショップではなく保護施設から迎え入れる人が増えていて、大変喜ばしい変化が生まれています。
しかし、犬を迎えるということは、ひとつの尊い命に責任を持つということ。安易に迎えてしまうと、飼い主も犬も不幸な結末を辿る恐れもあります。
そのため、保護施設から犬を迎えるための『里親の条件』は厳しく設定されていることが多く、まずは施設ごとの条件をクリアしなければ、里親として迎えられません。
特に、保護された経験のある犬たちは、人間にトラウマや警戒心を持っていることも少なくないので、ペットショップやブリーダーさんから迎えられた犬よりも、お世話やしつけが大変になる事例も少なくないかもしれません。
こうした状況にも飼い主として責任を持って対応し、犬が最期を迎えるときまで愛情を注ぎながらお世話できる人でなければ犬を迎えることはできません。
犬の『里親になってはいけない人』の特徴5選
では、どのような人は犬の里親になるべきではないのでしょう。犬のためにも、飼い主自身のためにも、迎える前に自分が当てはまっていないか確認してください。
1.金銭的に余裕がない
現在、金銭的に余裕がない人は犬を迎えるべきではありません。犬を十分な環境・状況下で育てるためには、年間20〜35万円ほどかかるといわれています。医療費などが加われば、さらに高額な費用が必要になるでしょう。
現在の生活にこれだけの費用が加算されても余裕を持って生活できる状況でなければ、犬を迎えても生活が苦しくなり、飼い主・愛犬共々不幸な結末を迎えることになりかねません。
2.犬を迎える生活環境が整っていない
犬の里親としてお迎えを検討している方は、現在の生活環境が犬を飼育する環境として適していますか。広さや家具の配置、さらにペット飼育可能な物件であるかどうかを厳しくチェックしてください。
犬を迎える環境が整っていないまま犬を迎えてしまうと、犬が怪我をしたりストレスを溜めてしまったり、管理会社から「ペット不可だから飼育をやめてください」と注意が入ってしまったりすることもあるでしょう。
一度迎えてから「やっぱり無理だった」は無責任すぎます。迎える前に犬を安心して迎えられる環境をしっかり整えてあげてください。
3.体力や精神面に不安がある
犬を飼うためには、体力が必要です。また、飼い主が精神的に安定していなければ、犬は敏感に飼い主の様子を察してストレスを感じてしまいます。
また、精神的に不安定だと、日によって散歩に行ける日と行けない日があるなど、犬の生活習慣が乱れてしまう可能性も懸念されます。
したがって、現在、体力や精神面に不安を感じている方は、まずは体力と精神面を安定させてから迎えることをおすすめします。
4.自分のペースや生活スタイルを変えられない
自分のペースや生活スタイルを人並み以上に重要視している人は、本当に犬を迎えても良いのか今一度検討してください。
犬を迎えるということは、家族が増えるということです。犬に生活のペースや習慣を合わせなければいけない場面も多くあります。
例えば、犬がいる生活では早寝早起きが欠かせません。朝は早く起きて朝の散歩に連れて行き、ご飯をあげなければいけませんし、夜も早めに帰宅して夜の散歩に連れて行き、ご飯を与え、一緒に過ごす時間を作る必要があります。
また、犬が体調不良になったときは、仕事や遊びをキャンセルして病院へ連れて行かなければなりません。このように犬に生活を合わせられるかどうか、自分や家族とよく考えてください。
5.信頼関係を築くまでの根気がない
犬と一緒に暮らしていれば自然と信頼関係を築けると考えている人も多いと思います。もともと人懐っこい犬ならば、すぐに懐いてくれるでしょうが、保護施設などから迎えられた犬の中には、人間に対して警戒心の強い犬も多く、なかなか心を開いてくれない場合もあります。
すると、信頼関係を築くまでに時間がかかりますし、しつけも他の犬よりも容易ではありません。長い時間をかけて根気強く向き合う覚悟がない方は、お互いのためにも里親になるべきではないでしょう。
まとめ
犬の里親になるということは、想像以上に覚悟の必要な決断です。迎えてから「やっぱり無理だった」とならないためにも、迎え入れる前に本当に自分が里親になる覚悟があるのか、生活環境は整っているのかを再確認しましょう。