「オキシトシン=愛情ホルモン」
今回のキーワードとなる「オキシトシン」。皆さんも聞いたことがあるかもしれません。
オキシトシンは脳の下垂体後葉という場所から分泌されるホルモンの事です。
オキシトシンは出産時の子宮収縮、母乳分泌などにかかわるホルモンです。
また、オキシトシンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれていて、他者との繋がりにもとても深く関わっています。母と子の絆、他者との愛情や信頼関係を育むことなど、交流を促すホルモンとして欠かせないものです。
オキシトシンが分泌されるのは、主に「ふれあい」によります。それが直接的なものであっても、心のふれあいであっても良いそうです。
例えば、母親が赤ちゃんに優しく触れることにより、母子相互にオキシトシンが分泌されます。友達とおしゃべりすることでも、オキシトシンが分泌されます。その時のなんとも幸せな気持ち。それがオキシトシンの作用です。
さて、そんな愛情ホルモンであるオキシトシンは、犬や猫が飼い主と接する時にも分泌されるようです。そして犬猫ではそれがどれほど湧き起こるものなのか、今科学者たちによって注目されています。
なぜなら彼らは、私達人間と愛情を共有する点で一番近しい存在だからです。
【犬vs猫】飼い主への愛情が深いのは?
イギリスの国営放送BBCが製作したドキュメンタリー「Cats VS Dogs」で、研究者たちは10匹の犬と10匹の猫に参加してもらい、彼らの愛情ホルモンの湧き出る量を比べるという実験を行いました。
実験では、それぞれの犬と猫が懐いている飼い主と遊ぶ前、そして遊んだ後の血液中のオキシトシンレベルを測定し比較しました。
その結果、犬も猫も両者とも飼い主と遊んだ後はオキシトシンが上がり、特に犬に関しては平均57.2%もの上昇が見られたのです。
一般的に人と人との場合、見知らぬ人と楽しく交流した時は15〜25%のオキシトシンの上昇が見られ、知り合いだと25〜50%、愛する自分の配偶者や子供の場合だと50%以上の上昇になるといいます。
今回の実験で犬が人に対して高い数値のオキシトシンレベルを示したというのはとても興味深く、そして嬉しい事です。
それに比べて猫は12%の上昇と、犬の5分の1ほどの値でした。
きっと猫は猫なりの愛情があるのだと思いますが、この実験結果を見ると猫が人間に対してクールだと言われる理由が分かった気がしますね。
今回の実験を担当した神経科学者のポール・ザック博士は「犬は猫よりも5倍愛情ホルモンを人間に対して向けることが分かりました」と述べ、そして「犬は飼い主をとても愛しています。中でも注目すべきなのは、犬が仲間の犬にではなく別の種である人間に対してオキシトシンを分泌している点です。犬たちの脳が、異種である私たち人間を愛していると言っているのです。すごいことです。」と語っています。
そして今回の実験により「犬の飼い主に対する愛情というのは非常に強いことが科学的に証明されたことになります」とその結果を分析しています。
まとめ
今回の実験で分かった、飼い主に対して犬が猫より5倍も愛情ホルモンを向けてくれるということ。
”犬は人間の最良の友”と昔から言われていますが、その言葉を裏付ける実験結果となりました。犬は猫よりも飼い主との絆を強く感じているのです。
そして何より、私たちの愛犬への愛情が一方通行なのではなく、愛犬も飼い主に強い愛情や信頼を寄せていることを知れたのは本当に嬉しいことです。
これからもたくさん愛犬とスキンシップをし、心のふれあいをして、ますます愛犬との絆を育んでいきたいですね。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
習性の違う動物同士で比べても、あまり意味がないのでは?
どうせなら猿とか同じように群れで生活する動物で比べてみて欲しいですね。
女性 匿名
猫が愛情が希薄だと言われてるととらえたのでしょうか?
そこはわざわざ噛みつくような所じゃないですよ。
対象の動物は正直なんだっていい話です。
もっと優しい気持ちで物事を見つめてはいかがでしょうか。