【獣医師コラム】ペットを飼うなら、犬?猫?ペット選びの際に知っておいてもらいたいこと

【獣医師コラム】ペットを飼うなら、犬?猫?ペット選びの際に知っておいてもらいたいこと

これからペットを飼う方へ。犬を飼うか猫を飼うか、もうすでに決めていますか?家族間で意見が分かれているという方もいるかもしれませんね。ペット選びの際に知っておいてもらいたいことをお話します。

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1997年、酪農学園大学獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。2005年から2023年9月まで動物病院院長。得意分野は、東洋医学(漢方)。26年間の臨床経験をもとに、ペットの病気、ペットの飼い方、ペットと人との関係などについて、私が思っていることを実体験ベースでお話していきます。 ペットを飼育している人、これから飼いたいと思っている人の参考になればと思います。

ペットとのスキンシップはどれくらいとりたいですか?

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ペットと接する時間は人それぞれです。

動物が好きで飼いたいけれど、仕事が忙しくあまり一緒にいる時間が取れない人。

自宅にいる時間がながく、ペットとの時間をたくさん取れる人。

旅行好きで留守がちな人など。

仕事やライフワークなどの違いにより、ペットと接する時間は人によってかなり差があります。

あなたはどうでしょうか?

ペットにかかわれる時間はペット選びにとって重要です。

一人暮らしで忙しい方には猫

一人暮らしで朝早くに仕事へ出かけて、夜遅くに帰ってくるようなライフスタイルの方には猫が合っているように思います。

小型犬を室内のみで飼われている方もおられますが、できれば犬は外で散歩させてあげて欲しいとわたしは思っています。

犬の精神安定には外での運動が欠かせないと考えているからです。

運動量という意味では小さな犬なら室内だけでも足りるでしょうが、あまりにも留守番の時間が長いと犬によっては分離不安(精神的不安が強く、留守中に鳴き続けたり、敷物をかじったりなどのイタヅラがエスカレートすること)になる犬もいます。

猫は構われすぎるとストレスになる場合もあり、特に仔猫のうちから執拗に構われると神経過敏な猫になってしまうこともあります。

こうなると、突然人の足を噛んでくるといった行動にでることもあるため、放っておく時間は大切です。

猫は一人が得意なので、留守がちの方には猫が適しているといえるでしょう。

散歩や運動好きな方は犬

私の知人で、犬を飼ってから持病の糖尿病がだいぶよくなったという方がいました。

犬を飼って毎日2回散歩にでかけていたら、血糖値が下がってきたということでした。

お散歩や運動が好きな方には犬がよい相棒になってくれるでしょう。

または、本来は出不精なんだけど、これから健康のために散歩を続けたいなぁ、と思っている方には犬はあなたの運動を習慣化する手助けをしてくれるかもしれません。

猫にリードをつけて散歩している方もいますが、運動としての散歩をしたい方には、少し物足りないはずです。

ペットにどれくらい費用ががけられますか?

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犬や猫を飼うのに一年間にどれくらいお金がかかりますか?といった質問をネットの記事でみかけることがあります。

それに対して、保険会社やペットフード協会などがアンケート結果を公表していますね。

しかし、飼い主さんがペットにかける費用にはかなり個人差があるようです。

それでも、犬と猫を比べた場合、「犬のほうがお金がかかる」という意見に反論する人はいないのではないでしょうか?

犬は「登録」や毎年の「狂犬病予防接種」など、法律で決められたこともありますし、フィラリア予防もあります(猫にもフィラリヤ予防する方が最近は増えてきました)。

ペットフードは犬も猫も低価格のものから高価なものまでそろっていますが、超小型犬以外は犬のほうが食べる量が多いのでその分費用もかかります。

混合ワクチンも、犬のほうが高価な場合が少なくありません。

避妊・去勢手術に関しては多くの場合、犬のほうが費用がかかります。

ペットは飼いたいけれど費用が気になる、といった方には猫のほうがいいかもしれません。

ペットの世話を主にするのは誰ですか?

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一人暮らしの方ならペットの世話はご自身ですることになると思いますが、家族で暮らしている場合、だれが一番ペットの面倒をみるのかは自然と決まってくるようです。

飼う前からペットの世話係ははっきりさせておいたほうがいいかもしれません。

子供は面倒をみない

ペットショップに行ってかわいい子犬や仔猫を見るとついつい我が家に迎え入れたくなります。

お子さんは特にそうですね。

お子さんの場合ペットの世話は長続きしないことが多いようです。

お子さんが「ペットが欲しい」と言った場合、親御さんが動物好きかどうかよく考えてから飼育したほうがいいです。

お子さんがまだ小さいのなら、ペットの世話はすぐにでも親御さんの役割になることが多く、成人に近い年齢の方でも、数年後には親御さんのほうに役目が回ってくることことも多いようです。

知人の例ですが、大学生の娘さんが犬を欲しいといって飼うことになりました。

数年はしっかり世話をしていましたが、結婚されて実家を出ることになり、そこへは犬を連れて行くことはできなかったため、犬の世話はその後、お父さんがすることになりました。

ところが、お父さんは犬が苦手だったのです。

そこで、私のところに「どうしたらいいのか?」と相談にこられました。

その方の場合は苦手ではありましたが、最後までなんとか犬の面倒をみてくれました。

ただ、なかには手放さなくてはならなくなるケースもあります。

ですので、お子さんがペットを飼いたいと言った場合には、実際には親御さんが世話をできるペットにしたほうがいいと思います。

大型犬の飼育はよく考えてから。

わたしが、獣医師になった今からおよそ25年前は、シベリアン・ハスキーやゴールデン・レトリバーなど大型犬を飼育している方が多くいました。

漫画やテレビの影響もあったと思います。

現在大型犬を飼う人が少なくなったのは、飼育のハードルが高いからだと思います。

大型犬の子犬はとてもかわいらしいですが、犬をはじめて飼う方には大変なことも多いため、よく考えてからにしたほうがいいでしょう。

飼い主さんの年齢によっては、大きな犬は日々の散歩や動物病院につれていくのが大変という声もききます。

15年後も犬の世話をできているかなど、特に大型犬の飼育を検討されている方は、今一度考えてみてください。

まとめ

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ペットは生活にうるおいを与えてくれます。

その反面、日々の世話や病気になった場合などには大変なこともあると思います。

犬が好きだから犬を、猫が好きだから猫をといった好みだけではなく、ペットを選ぶ際にはご自身のライフスタイルや環境などを考慮してからにしたほうがいいというお話をさせていただきました。

みなさんの、ペット選びの参考になれば幸いです。

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