【現役トリマーが解説】自分の犬は大丈夫?トリミング中に気付く犬の膝の弱さ

【現役トリマーが解説】自分の犬は大丈夫?トリミング中に気付く犬の膝の弱さ

家での生活だけでは気付きにくい犬の膝の状態。トリマーがやっている簡単なチェック方法と対策をお教えします。

お気に入り登録

️華奢な犬は要注意!

イメージ画像

お店などでたくさんのお客さんの犬を扱っていると、意外と膝の悪い犬が多い事に気付かされます。

僕の経験では1日5頭トリミングしたとしたら内2頭、今まで接してきた犬にすると約3割は膝が悪く、さらにその数は近年ドンドン増えて来ているように感じます。

その理由として考えられることは遺伝的に膝が弱い事が多いトイプードルなど小型犬の飼育頭数が増え、お店でトリミングする機会が多くなったことや、住宅事情などから室内で犬を飼う人が増えたことで、豆柴やティーカッププードル、タイニープードルに見られる様に、室内でも飼いやすいようにどの犬種もより華奢で小さいサイズが好まれる様になったことではないでしょうか。

️どんな症状が現れるの?

イメージ画像

膝が弱いといってもその程度は様々で、普通に生活していて見た目ですぐに分かる犬はごく少数であり、飼い主さんが弱いことに気付いていない犬がほとんどです。

ただトリミングをしていると膝を曲げ伸ばしする作業が多かったり、テーブルの上でしっかり立たせてやらなければいけない時間が多いため、どうしても膝に負担が掛かりやすくその症状が出やすいです。

例えばテーブルでの立ち方も、膝が弱いと踏ん張りが効かないので、フラフラとしてしまったり、立たせてもすぐに座ってしまうなど、僅かな時間でも立っていることが難しくなってしまいます。

その他にも爪切りなどで軽く脚を持ち上げただけで膝が外れることがあったり、もっと弱い犬だとゲージの中を歩かせているだけで外れてしまう事もあります。

そしてその痛みがトラウマとなり、脚を触っただけで異常なほどに鳴くようになったり、地面に脚をつけるのも怖がり、ケンケンのような片脚立ちで歩く様になったりする犬もいます。

️簡単なチェック方法

イメージ画像

上記のように一度でも痛みを感じさせてしまうと、トラウマになってしまうことがあるので、お店側としては何か弱い箇所がある犬をトリミングをする時

  • テーブル上やシャンプー中も滑り止めマットを敷く
  • 犬の動きを補助してあげられるようにトリマー2人体制でやる
  • 負担を減らすためにトリミング時間を短縮できるカットスタイルを提案する

など、あらかじめ対策をしておきたいものです。

その為には飼い主さんが自分の犬の状態を日頃から把握し、予約の際にお店に伝えてもらう事が最善策です。

そこでお家で出来るトリミングの際に痛めやすい膝・腰・後ろ脚のチェック方法をお教えします。

以下の全てのチェックは、面が滑りにくい小さめな台の上に犬を立たせた状態で行って下さい。

腰(尾の付け根あたり)を上から触る

まず立っている事が出来ず、すぐに座ってしまう場合や、撫でるように軽く触っただけで咄嗟にしゃがみ込んでしまったり、
キャンと痛そうな鳴き声をあげたり、振り返ってその手に噛み付くような仕草を見せて来た場合、腰に痛みがあることが考えられます。
その他にも膝が悪かったり、筋力が不足していて後ろ脚の踏ん張りが効かず、立っている事がシンドイ場合や、太り過ぎで自分の体重を支えられていない場合があるので、その他のチェックの結果とも合わせて判断するといいと思います。

後ろ脚を曲げ伸ばしする

関節からポキポキと音が聞こえた場合、膝が外れやすい(パテラ)の可能性が高いです。
症状が重い場合、脚を持ち上げただけで膝が外れてしまうこともある為、優しくゆっくりとやるようにして下さい。

後ろ脚を後方に引く

筋力が十分にある犬だと、地面に脚が付いている状態のまま後方に脚を引いても、しばらくはその脚の位置をキープする事が出来るのですが、不足している場合はすぐに元の位置に戻してしまいます。
脚を上げた状態で後方に軽く引っ張っておいて、その時の犬の脚を前に戻そうとする力で筋力を測ることも出来ますが、こちらは膝の悪い犬の場合、膝が外れてしまうことがあるので注意して行って下さい。

️まとめ:犬の後ろ脚は生活の要!

イメージ画像

走る時や立ち上がる時など、犬は後ろ脚で踏ん張らないとほとんどの動作を行う事が出来ません。

子犬の時は膝が少し悪いだけであっても、なにも対策をしないで放っておくと周りの筋肉や関節にまで負担が掛かり、歩き方がおかしくなってしまったり、老化に伴う骨や筋力の衰えと相まって歩くことすら出来なくなってしまうこともあり得ます。

そうならない為にも早くから犬の状態を把握し、対策・予防をしてあげる事が大切です。

  • フローリングに滑りにくいマットを敷く
  • ソファや階段など、段差には登り降りさせないようにする
  • 芝生など地面が少し柔らかく関節に負担の少ない場所での運動や、水泳で筋力を鍛える
  • 関節を強くするサプリメントを飲ませる

など家庭でも出来ることは様々あります。

膝の疾患は持って生まれた先天的なものがほとんどで、その発症自体を防ぐことは我々には困難です。
愛犬の為に色々工夫をしてあげながら、上手に生活していきましょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。