仔犬はどのくらい遊ばせるべき?しつけと遊びの線引きについて

仔犬はどのくらい遊ばせるべき?しつけと遊びの線引きについて

仔犬といえばモノを咥えたり、人や犬とじゃれたりしてよく遊ぶ姿を目にします。『仔犬はよく遊ぶもの』と理解はしていても、興奮が高まってきて噛む力が強くなったと感じた時、唸る声を聞いた時、休まずずっと遊び続けている時など…『これは遊びの範囲内なのだろうか‥?』『どこまで放置して、どこでやめさせるべきだろうか?』といった疑問や不安を感じたことはないでしょうか?遊ぶことは仔犬にとって大切な行為ですが、実はそのままにしているとしつけに支障が出てしまう原因になることが。そこで今回は、しつけと遊びの見極めができるようになる知識をお届けします。

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日本一小さい香川県から全国に“その場しのぎではない本当に効果のあるしつけ”を発信しています。情報が溢れる世の中となりました。一時的に行動を変えるなど、細やかな調節を無視した、その場しのぎのしつけ方法が蔓延しています。犬のしつけはその子の性格や犬種、飼い主様の在り方や環境によって様々です。合わないしつけを行ってしまうと、改善するどころか悪化してしまう原因に…愛犬を守るためにも飼い主様が正しい知識を身に付けましょう。しつけの正しい情報を求める飼い主様とわんちゃんとの絆を繋ぐ為のお力になれればという想いで活動しております。

仔犬の遊びとは?

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遊びは暇でやることが無い時に行っていることだと思いがちですが、実はそうではありません。

遊ぶことは本来、採餌に費やすべき時間とエネルギーを消費するため、遊びを行う動物にとってコストが大きい行為なのです。

にもかかわらず、多くの哺乳類はよく遊びます。遊びには何か重要な役割があるのでしょうか?

遊ぶ理由は種によって様々で、細かいことまでは解明されていないそうですが、仔犬の遊びと私たち人間の子供が行う遊びとでは、持つ役割に大きな違いがあるようです。

仔犬と子供、それぞれの遊びが持つ役割の違いとは?

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仔犬の場合

仔犬の遊びは頭で考えて行うというよりも、遊びが誘発される状況になると無意識に始まります。

仔犬は一人遊びの中でモノを咥えて振り回したり、自分のしっぽを追いかけまわしたりする中で、犬として生きるために必要な動作を反復、強化していると考えられています。

犬同士の遊び(集団)では上記の動作の型を強化できることに加え、相手を誘ったり、どこまで噛んでいいのかなど‥

お互いが大きな怪我をしない範囲、しっかりルール化されている中で集団行動に欠かせないスキルを向上させていると推測されています。

子供の場合

子供は身近にいる大人の真似をすることで、人間社会への適応方法を学んでいきます。

決まったルールはなく、大人が見守っていないと善悪の区別もつかない未熟な状態です。人として成熟する為に遊んでいると考えられています。

以上で述べたように、仔犬が行う遊びは〝ほぼ完成された振る舞いを高める為〟に行っているのに対し、子供は未熟な状態からスタートし〝人としてどの様に振舞っていくのかを学び大人になるための通過点として〟遊びが役に立っているようです。

人や犬以外に遊ぶ動物とは?

イルカ

賢い哺乳類として知られているイルカ。

水中でリングを作ったりして遊ぶ姿が確認されています。

集団ではオス同士が身体をぶつけあったり、くっつきあったり激しく遊ぶ場面もあります。

これは交尾の練習をしているのではないかと推測されていますが、詳しいことは分かっていません。

カラス

哺乳類ではありませんが、頭のいいことで知られているカラスも滑り台で遊んだりする姿が目撃されています。

行動だけ見ると遊んでいるように見えますが、本人たちが人や犬のように〝楽しんで〟それを行っているかは定かではありません。

人や犬を始め、これらの動物が遊ぶ理由は詳しくは分かっていませんが、

最も信憑性が高いのは〝知能が発達している動物がより知能を高める為ではないか?〟という見解です。

よく動くことで脳機能が発達するとも言われているので、遊びは動物にとって欠かせないものであることは間違いなさそうです。

遊びとしつけの線引きを見極める為に必要な2つのこと

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遊びがそれを行う動物にとって大切な行為であることが分かったところで【仔犬の遊びをどこまでさせるべきか?】という問題に戻ってみましょう。

まず、仔犬が遊ぶのは成長に欠かせない行為なので、多少ヒートアップしても止めずに見守ってあげた方がよいでしょう。

しかし、冒頭でお伝えした通り遊びをさせすぎると良くない面もあります。

では、気を付ける点とは何でしょうか?

遊びをどこまでやらせてあげるべきか、それは〝仔犬の月齢や環境によって変わる遊びの種類〟と〝遊びの対象が何か〟によって見極めます。

遊びの種類とは

まず、遊びの種類はざっくり2種類に分けられます。

しつけに大きく影響しない種類の遊びと、人が一緒に暮らすためのルールに大きく影響してくる種類の遊びです。

後者は生後4ヵ月辺りから頻繁にみられるようになります。この時期から、遊びとしつけの線引きをしっかり引く必要があります。

遊びの対象とは

仔犬の遊びの対象は主にモノ、人、他の犬です。

遊びの種類と遊びの対象の組み合わせによって、適切な対処法が変わってきます。

遊びとしつけの複雑な線引きが見極めができるようになるには、まず前者で述べたしつけに大きく影響しない遊びについての理解が欠かせません。

そこで、ここからは生後3ヵ月未満の仔犬が行う遊びに限定し、遊びを行う対象毎に適切な対処方法をお伝えします。

生後3ヵ月未満の仔犬・遊びの対象ごとに変わる適切な対応

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他の犬に対して

生後3ヵ月未満の仔犬同士であれば思う存分遊ばせてあげてください。

基本的に仔犬がちゃんとしたルールの中で遊びを行っている場合は、やられる側とやる側が交互に入れ替わります。

たとえ、一方的に噛みついているように見えても、やられている側も噛み返している場合は様子を見て構いません。

この時期の仔犬であれば本気の喧嘩に発展する可能性は低いですが、万が一ということもありますので、交流している間は目を離さないよう気を付けて下さい。
※3か月未満でも稀に、突出した攻撃的要素を持っている子もいます(闘犬や和犬に多い)

その場合は当てはまりません。

モノに対して

モノを咥えたり振り回したり‥ヒートアップしてきてもモノに対する遊びは好きなだけやらせてあげて構いません。

サークルやトイレトレーなど、噛んでほしくないものに関しては、『噛んではいけない』と教えるよりも〝噛まないでいられる環境〟を整えてあげたほうが望ましいでしょう。

この時期の仔犬は興味がコロコロ変わるため、おもちゃをよく変えてあげたり、一緒に遊んで動きに変化を付けてあげるなど遊び方を工夫してあげてください。

環境を整えてもコントロールできない場合は、ビターアップルなどを一時的に使ってあげるといいでしょう。

ちなみに、この時期の仔犬に物を噛まないようしつけを通じて教えることはお勧めしません。

なぜなら、教えなくても自然と落ち着いてくる可能性が高く、抑制するデメリットの方が大きいからです。

上記のように、遊びとモノに対するルールを明確にするのは4ヵ月齢以降からしつけを通じて徐々に教えあげても遅くはありません。

人に対して

人に対するじゃれ噛みは、たとえ遊びであってもやらせないようにします。

理由は、この時期から人の体に歯を当てることを許してしまうと、遊びとの線引きが難しくなる為です。

犬が噛む理由は様々です。

しかし、噛む理由の根本は同じ、犬は〝自分が求めたいことを叶えるため〟に噛みを用いて表現する動物です。

モノであれば、多少強く噛まれても大事には至りません。

犬同士の交流に関してもお互いが正確なフィードバックを与え合うため、噛む力を学ぶことができます。

しかし、人の体を噛むことの加減はプロはともかく、飼い主さんが犬の代わりに教えることは難しいです。

その為、最初から【人の体に歯を当てることはNG】というルールを教えておく方が望ましいでしょう。

既にじゃれ噛みが出ている場合は、手を噛み出した時におもちゃを使って遊んであげる

【手で遊ぶことが楽しい】→【人とおもちゃで遊ぶことが楽しい】という風に変えてみる。

おもちゃと交換しても噛むことをやめない場合は、遊びを中断したり『痛い!』など声を上げることで犬に噛むデメリットを伝えるようにします。

わんちゃんによっては中断することで『噛むことで人を退けられる=自分が嫌なことをされたときは噛んだらいいのか』と学習するきっかけになってしまったり、声を上げることで『面白い反応だ!もっとやっちゃえ!』と興奮が助長されてしまう恐れもあります。

人が取った行動で噛みつきが収まるどころか、ヒートアップする場合は3ヵ月未満の仔犬でも早めにプロに相談して下さい。

まとめ

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遊びひとつでも個体差がありますので、その子やおうちの環境によって飼い主さんに求められる適切な対応は変わってきます。

臨機応変に対応を変えることは中々難しいので、最低限これをすれば大丈夫ということが分かるように、これまで述べてきた内容を以下に纏めてみました。


1、長い間遊んでいる、特に仔犬同士の場合は15分ほどで一旦休憩させてあげましょう

休憩なく長く遊んでいると疲労による体調不良や怪我のリスクが高まります。

2、遊びで強化されたことによって日常生活に支障が出てきている場合は状況によって介入が必要です
しつけを始めることを検討してください。
例:遊びのなかで吠えが多くなる→その結果他の犬や人に良く吠えるようになった等

3、遊びはその時の状況で変わってきます
犬同士の交流になると他の犬も関わってくるため、より複雑になります。

特に遊ぶ相手の中に4ヶ月以降の仔犬がいる場合は要注意。月齢で遊ぶ目的が変わるため、交流内容によっては他の犬に対してマイナスの印象を持ってしまう経験に。犬同士の交流が不安な方は、プロが行っている交流会に連れて行ってもよいでしょう。


仔犬の時期に遊びを通じて適切な経験をさせてあげることで、わんちゃんは他の犬や人と友好的に過ごすことができます。

ぜひ仔犬の遊んでいる様子を観察し、飼い主さんがその子にしてあげられることを見つけ実行してあげて下さいね。

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