犬から見たテレビは「コマ送り」!?
そもそも、「犬がテレビを見るの?」と驚きの方もいらっしゃるかと思います。私も犬を飼うまでは信じられなかったのですが、いやはや、本当に見るものなのです。じーっと見つめたり、ちらりと盗み見たり。
人と同じように、犬にとってもテレビは娯楽のひとつなのでしょうか?
答えは、YesともNoとも言えない微妙なところ。というのも、犬にはテレビが「コマ送り」に見えているというのです!
犬の驚異の動体視力
テレビがチカチカ「コマ送り」に見えてしまうのは、犬が驚くべき動体視力を持っているからなのです。なんと、牧羊犬にいたっては1㎞先の羊飼いの手の合図を見分けられるほど。犬種によってかなりの差はあるそうですが、どうしたって人には真似できません。これほど優れた動体視力があれば、狩りの場で役立つことこの上なし!
1秒あたり30コマで構成されているテレビは、人間の4倍もの動体視力を持つ犬にとってはコマ送りにしか見えないというのも納得です。近年、コマ数が増えたとはいうものの、それでも犬にとっては違和感があるでしょう。
ここからは少し掘り下げて、犬の「目」について見ていきます。
視力は0,3程度
「犬は視力があまり良くない。」と言われますが、実際にはどのくらい見えているのかというと…
- 人間でいう0,3程度
だそうです。遠く離れた静止している物体にピントを合わせるのは苦手です。だからその分を、優れた動体視力や嗅覚、聴覚で補っているのです。
視野は広い
人間の視野は、およそ180度といわれています。これに対し、
- 犬の視野はおよそ250~290度
もあるのです。左右の目が離れて付いているため、こんなにも広い視野を持っているのです。
たしかに、我が家のわんこを見ていても、かなり後ろの方まで見えているんだろうなと感じることが多々あります。見えていないだろうと思っていても、ほとんど見えているのか。。悪いことはできませんね(笑)
色覚は2色型
色を感じる視細胞は、人間の10分の1程度だといわれています。
- 黄と青の識別はできますが、赤と緑は識別できません。
犬がどのような色の世界で生きているのか。とても不思議で興味深いことなのですが、これだけ研究がすすんでも、まだ想像の範囲を超えていないというのが実際のところ。最近は、青・紫・黄は見えているのでは?と推測されています。詳しく説明すると、緑・黄・オレンジを「黄色っぽい色」、紫・青を「青っぽい色」、そして赤を「非常に暗いグレー」と捉えているのではないかとされています。
色の識別は人間に劣るものの、光の強弱を感知する細胞が人間の7~8倍あるので、暗闇でも夜目がききよく見えます。元々夜行性の動物である犬は、暗闇で活動するため色覚を発達させる必要があまりなかったのでしょう。
まとめ
テレビがコマ送りに見えるほど、優れた動体視力を持つ犬たち。それがどんな世界なのか、私たちには想像することしかできません。小さな虫や、風に舞う葉をどのように感じているのかな。暗闇も怖くはないのかな。
一度は見てみたい!体験してみたい!!
それが叶わないのだとしたら、私はカラフルなこの世界を大切にしたいと思います。
P.S.わんちゃんたちに朗報。犬専用のテレビ番組があるらしい!1秒ごとのコマ数が格段に多く、2色型色覚に合わせた色彩に調節されているみたい。お留守番で寂しいとき、退屈だなと感じたときにどうぞ、ということらしい。ドッグトレーナーや動物心理学者のお墨付きなんだって。飼い主さんに頼んでみてはいかが?