猛暑の中でパトカーに3時間置き去り…警察犬が死亡
6月10日、アメリカのジョージア州チェロキー郡では気温が32.2度以上と、とても暑い日でした。
そんな中、警察犬のベルジアン・シェパード(マリノア)のインカが、約3時間にわたってエンジンを切った車に置き去りにされ、死亡するという事故がおきたのです。
このことに対し、インカのパートナーであった警察官へ非難の声が多くあがっています。
チェロキー郡保安官事務所が発表した内容によると、郡警察学校に勤務する警部補が、午後4時15分頃にインカを乗せたパトカーで自宅へ戻り、エンジンを切ってそのまま家へ入ってしまったとのことです。
インカを車の後部座席に置いてきてしまったことを思い出したのは、3時間後の夜7時。
既にインカは熱中症で亡くなっていました。
インカを置き去りにした理由について、警部補の自宅にいる別の飼い犬を妻と世話していたことで、インカのことを忘れてしまっていたそうです。
さらに、警察犬用のケージや万が一のとき知らせるためのアラームなどの装備がある警察犬同乗のパトカーは、その日は警部補の同僚が使用していたため、警部補は通常のパトカーで自宅へ帰宅したことも理由としてあげられています。
この件は動物虐待致死罪として警部補に責任を追及する声もあるようですが、現在警部補自身がインカの死に対して取り乱し体調を崩していると警察側が述べており、その後の対応についてはまだ決まっていません、
車に置き去りにすることの危険性
暑い時期に置き去りにしたことで、赤ちゃんや子供が亡くなるニュースは日本でもよく耳にします。
これは人だけに対しての危険だけではなく、犬にとっても危険であることは同じです。
梅雨の時期から夏の間にかけて、車に置き去りにされることでどういった危険性があるのでしょうか。
熱中症の危険
みなさんもご経験があるかと思いますが、夏の閉め切った車内の温度は、ほとんどサウナ状態です。
そして窓を少し開けていたとしても車内は通気性が悪いため、あまり変わりません。
犬たちは汗をかいて体温をコントロールすること苦手で、主に呼吸によって熱を放出しますが、その冷却効果は人間よりも低いです。
そのため人よりも犬の方が熱中症になりやすいのです。
熱中症は、体内の熱を放出できず全身に不調をきたす病気です。
最悪の場合、死に至ることもある危険な病気なのです。
熱中症にかかった犬の症状は、元気がない、食欲不振、呼吸が荒い、ヨダレが大量に出る、口の中が真っ赤になる、眼球が不規則に動く、嘔吐、下痢、血便、痙攣などがあります。
熱中症の応急処置
熱中症になった恐れがある場合はすぐに、日陰などの涼しい場所で水を飲ませ、体にも水をかけて体温を下げさせます。
氷水など極度に冷たいものは、血管を収縮させてしまうため使用しないようにしましょう。
その後すぐに獣医さんで様子を見てもらうことが大切です。
熱中症になってから30~60分できちんと処置できれば、完全な回復が期待できますが、2~3時間が経ってしまい血便などの症状が出てしまった場合は、完全な回復は見込めなくなってしまいます。
少しでも熱中症の症状が現れた場合は、先述した応急処置を施し病院へ連れていきましょう。
まとめ
人が暑いと感じているとき、犬たちはそれよりも暑く感じています。
犬は寒さに強いですが、暑さには非常に弱い動物なのです。
これからの暑い季節、熱中症はもちろんですが、コンクリートの熱での火傷や脱水症状などには気を付けてあげましょう。
夏は愛犬と共に色々な楽しいことが体験できる季節です。
飼い主と犬にとって最高の夏の思い出を作るために、上手に暑さと付き合っていきたいですね!