登下校時の見守り「わんわんパトロール隊」発足!
5月28日、大阪府豊中市立桜井谷小学校で、その地域に住む犬と飼い主が散歩しながら子供たちを見守る「わんわんパトロール隊」の発足式が行われました。
実は昨年の5月に桜井谷小学校の近くで、登校中の子供たちの列に車が突っ込む事故が起こり、5人の子供たちが重軽傷を負うという事態がおきてしまったそうです。
この事を受け、PTAが子供たちを守るために、地域に住む犬の飼い主たちへ協力を呼びかけ、今回の発足が実現したということ。
わんわんパトロールの活動内容
22世帯24頭から成るわんわんパトロール隊は、登下校中に犬の散歩を行い、子供たちに交通ルールを守る呼びかけや、不審者がいないかの見回りを行います。
発足式では、隊員へ「わんわんパトロール」と書かれたストラップと証明書が渡され、参加した隊員は積極的に声をかけ守っていきたいと意気込んでいた様子だったそうです。
PTA会長の溝田成氏は、「無理のないように登下校の時間に散歩してもらえるとありがたい。大人たちの見守りで、子供が巻き込まれる事故などを防いでいきたい」と話しています。
わんわんパトロールだけじゃない!犬たちの地域貢献活動
今では犬が子供たちを見守る「わんわんパトロール隊」は日本全国の様々な地域で行われていますが、そんなわんわんパトロール以外にも、犬たちの地域貢献は様々な形で行われています。
それでは色々な形で地域を守る犬たちをご紹介します。
獣害から住民を守る!
三重県を中心に活動するNPO法人大地の会では、保健所などから保護した犬たちを獣害対策犬(ガードッグ)として育成し、野生動物被害の多い地域をパトロールする活動を行っています。
獣害対策犬(ガードッグ)は、訓練された犬たちを地域全体で飼うことで、野生動物たちにこの地域は犬がいて危険だということを印象付けることを目標にしています。
現在は、サル被害の深刻な三重県いなべ市で、地域住民の方と協力しながらパトロールを行い、確実に成果を残しているようです。
サルから住民を守る!
大町市農林水産課では、安曇野ドッグスクールと、サルを追い払うために訓練されたモンキードッグたちの飼い主で「大町市モンキードッグ育成サポートクラブ」を結成しました。
安曇野ドッグスクールは、警察犬、救助犬の訓練と、家庭犬をモンキードッグにするための訓練を行うスクールです。
モンキードッグは、サル以外の動物や人には危害を加えず、追い払ったら戻るように訓練された犬です。サルの出没地域でモンキードッグを放し、サルを追っ払った後はすぐに飼い主の元へ戻ってきます。
また、モンキードッグは訓練次第でどの家庭犬でもなることができます。
モンキードッグが配置された地域では、サルの数が激減し、平成22年に農林水産省から鳥獣被害対策優良活動として表彰された実績があります。
空の安全を守る!
海外の話になりますが、アメリカのミシガン州にあるチェリー・キャピタル空港では、野生動物を追い払うワイルドコントロール犬としてボーダーコリーのパイパーくんが活躍しています。
パイパーくんは、定期的に空港内をパトロールし、滑走路や誘導路の鳥を追い払う仕事をしています。パイパーくんの仕事のおかげで、飛行機が鳥と衝突することを未然に防ぐことができます。
パイパーくんはゴーグルにベスト、靴を装着というフル装備で仕事を行っているようです。
ボーダーコリーは、元々羊追いなどで活躍する牧羊犬でとても頭が良いことから、この仕事は適任といえます。
まとめ
犬たちは自分たちの特技を使って様々な形で、人々の安全を守ってくれています。
しかし、私たちは犬たちに頼りきってばかりではなく、この犬たちの活躍をきっかけに自分たちでも地域の安全を守る活動をしていかなくてはいけません。
人とのつながりが希薄になっている現代だからこそ、犬を通じてコミュニティーを広げ、関係を広く強くするべきではないでしょうか。
見て見ぬふりではなく、気づいたことから少しずつ変えていけるような世の中にしていきたいですね。