最近では犬用の食事やおやつのレシピ本は、たくさん出版されていますね。私も一時期は手作り食に凝っていて、何冊か購入しました。
キッチンドッグ パーフェクト50レシピ
なかでもこの本「キッチンドッグ パーフェクト50レシピ」が特別なのは、おしゃれでスタイリッシュなことはもちろん、愛犬の食生活についての徹底した理論と、多くの犬たちへの誠実な愛情があふれていること。
犬に必要な栄養素についての考え方など、この本はちょっと徹底されすぎていて正直マネしづらい点もあります。
「一回の食事は、肉類(または他のタンパク質)+野菜、または、穀類+野菜の組み合わせで」、「レバーを使うときは全体の10%以下の量に」
などと記されていますが、この通り行なうのは難しいかもしれません。
しかしながら大切なのは、実践することだけでなく、知識として知っておくこともあげられますね。
そういった意味ではとても信頼のおけるレシピ本だと言えます。
愛犬の食事をパパッと残り物を利用して作るときも、最後にちょっとごま油を振りかけてみたり、この本に書かれていた知識が役立つことがよくあります。
著者の南村友紀さんは愛犬のために犬の栄養学やホリスティック医学を猛勉強、2002年には東京・自由が丘に、「Kitchen Dog!」という犬のためのデリカテッセンの店をオープンされました。
この本の世界観にあこがれ、わが家のボクサー君を連れてこちらのお店を訪れたことがありますが、素敵なお店でした♪(現在店舗は外苑前などに移転。)
またこの本はレシピだけではなく、犬たちにまつわるエッセイがたくさん載せられています。
このエッセイがイイ!犬を飼っている方が読んだら、ほぼ間違いなく泣かされてしまうであろう犬と人とのエピソードもあります。
「犬たちのさまざまな幸福や不幸は、すべて家族である飼い主にゆだねられている」
「私はガブリン(著者の愛犬)を腕枕で抱きながら、彼女のために耳もとで子守唄を歌い、絵本を読んで聞かせ、額を撫でる…」
南村さんの世界観にひたりつつ、愛犬への食事だけでなく日常のかかわり方に思いをめぐらせてみるのもいいかもしれません。