寄付金付き自動販売機って?
かわいい犬の写真やイラストがプリントされたちょっと目を引くドリンク自販機、犬オーナー向けフリーペーパーの記事や、SNSなどで目にしたことのある方もいるでしょう。
または、実際、当の自販機を目にしたり利用されたりした方もあるかもしれません。
誰もが無理なくできる新しい寄付の形として、じわじわと注目されているのが寄付金付き自動販売機ですが、具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。
「飲み物を買うだけ」という支援
1本につき1円〜の寄付
寄付金付き自販機で飲み物を1本買うと、売り上げの一部として1〜3円ほどが様々な動物愛護・保護団体に寄付されるというもの。これらの寄付金は、盲導犬など介助犬の育成、殺処分ゼロのための活動、保護犬の医療費や食費として使われます。
啓蒙としての役割も
自販機本体には、団体やプロジェクトのロゴなどオリジナルなデザインが施されているので、どの自販機が寄付型かは一目瞭然、街中でも目につきやすいものです。
また、通りすがりに何となく飲み物を買っただけだとしても、自動的に寄付がなされ、社会への貢献や保護犬、殺処分について考えるきっかけになるかもしれません。
そうした意味で、啓蒙的な側面も期待されています。
「寄付金つき自販機を置く」という支援
設置費用や管理の必要ナシ
一方、当然のことですが、設置する場所がなくては寄付金つき自販機は生かされません。
多くは主旨に共感した個人や事業者が協力・支援として設置場所を提供し、自販機オーナーとなりますが、その際、設置費用や管理などの必要はなく、電気代のみ(毎月2千円程度)を負担します。
支援する団体を選ぶことができ、寄付金額を任意に設定することもできます。
オーナー側のPR効果もアリ
現状としては、動物病院、トリミングサロン、ペット宿泊施設などが多いようですが、置かれた寄付金つき自販機はオーナー側の意思表明そのものであり、スタンスの象徴です。
利用者側にすれば、自販機を通して設置者の考えを伺い知ることができ、その病院やサロンを積極的に利用しようという気持ちも生まれるかもしれませんね。
次の項でも取り上げたRENSAのHPですが、気になる寄付型自販機による寄付の仕組みや設置までの流れや疑問などが、とても丁寧に説明されているので、設置を検討したい人もそうでない人もぜひ見てみてください!
http://www.rensa.or.jp/hanbaiki/
寄付型自販機のリスト
以下は、寄付型自販機のオーナーを募っている団体や、
介助犬や災害救助犬の育成、保護犬のケアや食費のため自販機の売り上げによる寄付を募っている団体のリストです。
ここに挙げたのが全てではありませんが、こんな団体がこんな主旨で行っているということを知ってください。
特定非営利活動法人 寄付型自動販売機普及協会
平成23年東京都世田谷区に設立。
動物保護団体以外にも、「国境なき医師団」や「地雷処理を支援する会」など幅広い活動に対して寄付型自販機の普及を行っている。下記で紹介する日本アニマルトラストやパートナードッグタウンなどの自販機を扱っている。
特定非営利活動法人 寄付型自動販売機普及協会
一般社団法人 RENSA(れんさ)
各地の動物病院の協力のもと、保護犬・猫の里親になった人に、初回限定無料サービスを展開。様々な形のチャリティーなどを通じて継続する仕組み作りを行っている。
ふなばし地域ねこ活動/A.L.I.S/NPO法人 ワンダフルドッグ/わんずぺーす/paw pads/ペットの里/ワンニャン会 /ヒューマニン財団 などの保護団体を応援している。
一般社団法人 RENSA(れんさ)
一般社団法人アニマル・ドネーション
動物保護、補助犬育成、動物福祉の啓発活動など、動物のために頑張る団体を支援できるオンライン寄付サイトを運営。
- 寄付金額は任意に設定できる。
寄付金は、アニマル・ドネーションを通じて、動物のために頑張る団体に寄付される。
例)・盲導犬協会へハーネスの寄付
- 介助犬協会へ医療費として
- その他保護団体へ医療費として
災害救助犬育成寄付金付き 自動販売機
一般社団法人ジャパン・ケンネルクラブがアサヒ飲料社と共同で全国展開。飲料1本の購入ごとに1円が、アサヒ飲料からJKC災害対策募金に寄付される。
災害救助犬育成寄付金付き 自動販売機
盲導犬育成募金自販機
ダイドー・ドリンコ株式会社の協力によって展開。月間売り上げの2%が公益財団法人 東日本盲導犬協会に寄付される。
盲導犬育成募金自販機
介助犬育成募金自販機
サントリー・ビバレッジサービス、サンポッカサービスの協力によって展開。売り上げの一部が社会福祉法人 日本介助犬協会に寄付される。
介助犬育成募金自販機
非営利 一般社団法人 パートナードッグタウン協会
大阪市の鶴見緑地にドッグランや保護犬譲渡施設を併設した「鶴見緑地パートナードッグタウン」を運営。
1本売れるごとに、利益の一部がパートナードッグタウンに寄付される。
非営利 一般社団法人 パートナードッグタウン協会
日本アニマルトラスト
動物の保護、しつけトレーニングなどを行う。「人と動物の共存」をめざし、地域猫活動や命の教育、啓発などの活動を行っている。
寄付金は動物達の食費や治療費、ワクチン代などに使われる
日本アニマルトラスト
一般社団法人 シンデレラプロジェクト
獣医師、トリマー、トレーナー、ペット業界を中心に、培ってきた技術と経験を生かし、保護犬・殺処分の削減を目指すなど動物愛護活動を行うプロジェクト。
売り上げの一部は、保護犬の生活費や犬の飼育についての相談会開催などに使われる。
一般社団法人 シンデレラプロジェクト
ペットの里
岩手県滝沢市の12万坪の広大な敷地犬・猫の保護兼啓蒙施設。殺処分ゼロを掲げ「ペットの聖地」をめざす。
- 1本につき3円がペットの里に寄付される。
- 寄付型ウォーターサーバーも募集している。継続利用することで収益の一部により、犬猫1頭、1ヶ月分の命が救われる仕組み。
特定非営利活動法人 earth Angel Dog(アース・エンジェル・ドッグ)
人と動物のQOLの向上、動物福祉などに関する活動を行う法人。
- 動物愛護育成資金として1本につき5円が動物愛護や育成資金として寄付される
ご支援のお願い|寄付型自動販売機│特定非営利活動法人Earth Angel Dog
まとめ
寄付金つき自動販売機は、飲み物を買う、または設置場所を提供することで、盲導犬や災害救助犬の育成、保護犬活動に協力できるというもの。
少しずつ増え始めてはいるようですが、その勢いはもうひとつという気がします。獣医さん、トリミングサロン、ペット関連施設だけでなく、学校やお役所施設、さらに街中でももっと見かけるようになるといいのに!
普通の自販機より寄付型のほうがダントツ売り上げが抜きん出れば、一般の自販機オーナーも選択肢に加えてくれるかも。
飲み物を買う機会の増える夏がこれからやって来ます。犬と人とが幸せに暮らせる社会を夢見る私たち、寄付金つき自販機を見つけたら積極的に利用したいもの。
そして、ぜひとも事業者の方々は、設置のご検討を!