「おやつがないとやってくれない」ワンコを行動分析学でやる子に変える方法

「おやつがないとやってくれない」ワンコを行動分析学でやる子に変える方法

オスワリもオイデもマッテも教えたけれど、言うことを聞いてくれるのはおやつを持っている時だけのうちの子。おやつがなくてもできるようにするには、どうしたらいいのでしょうか?その方法を行動分析学で解説します。

お気に入り登録

「おやつ」がないとやらない犬の心理

おやつを持つ手に犬をつかせることで、犬が動く

犬にとって食べることは、生活の中の楽しみのひとつ。特に「おやつ」などのおいしい食べ物はとても魅力があります。

おやつは手に持って犬に匂いを嗅がせると、犬の鼻先を動かすことができるので、誘導する時にも便利です。おやつがあるところに鼻先をもっていくことで、「食べられる」と学習した犬は積極的におやつを持つ手について行くようになります。

この「おやつ」を使った誘導法で、オスワリやフセ、ヒールボジジョンで歩くことも教えられるので、パピーやトレーニングを始めたばかりの犬にはとても有効です。

しかし、この方法はまだ何をしたらいいのか犬がわかっていない場合にだけに行うやり方です。

おやつを持った手をルアー(誘惑するもの)として使うことばかりをしていると、犬は「おやつを持っている時」だけ手について動くようになり、おやつがない時は誘導されないようになります。

それは、犬の意識が「やるべき行動」ではなく「おやつ」だけに向いているからです。このように「おやつ」にだけ意識が向いていると、「おやつ」がない場合には「やらなくていい」と判断するようになります。

「おやつ」の役目をルアーから、ご褒美にチェンジしよう!

犬のおやつ

前述したように、おやつで誘導してその行動を教えるのは最初だけ。オスワリやフセ、ヒールボジジョンで歩く、オイデなどができるようになったら、「おやつ」の役目をルアー(誘惑するもの)ではなく、ご褒美に切り替えましょう!

「おやつがないとやってくれない」というのは、この切り替えができていない場合や、いつまでも「おやつ」をルアーにしていて、犬に見せてから指示を出したりしていることが考えられます。

ルアーとして使用している限り、犬の意識は「おやつ」から離れません。

ルアーとしての「おやつ」

ルアーは犬を誘導するために使う道具です。犬の行動をコントロールするために、犬が行動をする前におやつの存在を見せたり、匂いを嗅がせたりして、そのおやつについてくることを教えます。

行動の前にその存在を犬に意識させることで、効果を発揮するものです。おやつを使用することもあれば、その犬が好きなおもちゃを使うこともあります。

ご褒美としての「おやつ」

ご褒美としての「おやつ」はその行動を強化することを目的に与えます。犬に指示を出し、行動を行った後におやつを出すのです。

このように行動を強化するために使用するものを、行動分析学では強化子と呼んでいます。強化子は、犬がその行動をしない限り与えられることがありません。

指示もハンドシグナル(おやつを持たない手)や言葉で行い、それに従って行動した後に与えられます。

ハンドシグナルで犬がオスワリをしたら

言葉でほめて、おやつをご褒美として与えて、行動を強化します

犬の意識を「おやつ」から、やるべき行動に変えよう!

おやつを見せないとモチベーションがあがらない犬

ルアーは、犬が行動する前に出現しますが、ご褒美は犬が適した行動を取ったあとにしか出現しないという大きな違いがあります。

指示した行動など、その場に適した行動を犬がやらない場合は、報酬となる「おやつ」は与えられません。オスワリやフセ、オイデなど、指示通りにやってほしい行動を犬がした時だけ、ご褒美として「おやつ」を与えるようにします。

これを繰り返すうちに、犬は自分の行動によっておやつがもらえたり、もらえなかったりする関係に気が付くことでしょう。

そうなると犬はおやつがもらえる「やるべき行動」は何だろうと考えるようになります。飼い主さんの手の動き(ハンドシグナル)や指示の言葉にも意識が向くようになります。

その行動ができるようになったら、おやつを見せる必要はありません。おやつはあくまでもその行動をした後のご褒美(強化子)として使いますが、見せびらかしたりして誘導するものではないと考えてください。

「おやつ」は、ご褒美としてだけ使うというルールを徹底することによって、犬の意識は「おやつ」から、自分の行動に向くようになります。

褒め言葉を「正解」の合図にすれば、おやつをすぐに出さなくてもOK

笑顔の犬

例えば「オスワリ」と言って、犬が座ったとします。そこですぐにご褒美としてのおやつが出なかったら、犬はその行動が間違いだったのかと迷うことがあります。

犬によっては、覚えた他の行動をいろいろやる子もいますし、逆に動かなくなる子もいます。指示した行動を犬がちゃんとやってくれたら、「それでOK」「正解だよ」ということをちゃんと伝えなければなりません。

おやつポーチなどを身に付けていれば、すぐにおやつをご褒美として与えることで、その行動が正解だと伝えることができますが、少し離れた場所におやつがある場合は、どうすればいいのでしょうか。

犬によっては、飼い主がおやつを持っていない場合に、もらえないから指示に従っても無駄だと思うかもしれません。

ここで重要なのは、おやつと正解の合図である「褒め言葉」とのレスポンデント条件づけです。

犬が適した行動をしたら、その瞬間に「褒め言葉」を発します。レスポンデント条件づけができていれば、犬は飼い主の「褒め言葉」で、その行動が正しかったとわかるようになります。

直前の出来事と関連づけて学習する「レスポンデント条件づけ」

古典的条件づけや、パブロフ型条件づけとも呼ばれている「レスポンデント条件づけ」は、経験や学習によって、得た条件反応になります。

「直前の出来事と関連づけて学習する」ことがレスポンデント条件づけで、「褒め言葉」を「おやつ」のご褒美が出る合図として学習させることで、「おやつ」をすぐに与えなくても、その行動が正しかったと理解をするようになります。

「おやつ」は、ほとんどの犬にとって生得的な強化子になりますが、「褒め言葉」は学習や経験によって得られる条件性強化子になります。

「褒め言葉」と「おやつ」がレスポンデント条件づけされると、「褒め言葉」だけでも、犬は褒められた行動を積極的にやるようになってきます。

この条件性強化子として使用されているものには、「褒め言葉」や「笑顔」のほかにクリッカー音などもあります。

「おやつ」をもらうと走り去る、食い逃げ系の対策は?

オイデでそばに着たら、首輪をもって数粒のおやつを一粒ずつゆっくりと与えてから解放しましょう

「オイデ」で犬がそばに来たので、ご褒美として「おやつ」を与えたところ、食べた瞬間に去っていく「食い逃げタイプ」のワンちゃんもいます。それを防止するにはどうしたらいいでしょうか?

「オイデ」と呼ばれた犬が飼い主のそばに行ったところ、おもちゃが出てきて楽しい遊びが始まった。それを何度か経験すると、「オイデ」の音声で飼い主のそばに行くと楽しいと条件づけされ、飼い主のそばに行くことが増加します。

しかし、「オイデ」と呼ばれた犬が飼い主のそばに行ったところ、捕まえられ自由が奪われるなど、その犬にとって嫌なことが繰り返しあったとします。すると、その犬は「オイデ」の音声を聞くことで、飼い主のそばに行くことが減っていきます。

「おやつ」をもらうと走り去る犬は、「おやつ」は食べたいけれど、その後で嫌なことがあるかもしれないと思っている可能性があります。

特に「おやつ」を見せびらかして呼ぶと、飼い主さんのそばに行く目的が「おやつ」を得ることだけになるので、この傾向が強くなるかもしれません。

対策としては、遊んであげるなどの楽しいことをして、「解放の言葉」をかけてあげましょう。

「おやつ」を強化子にする場合は、小粒のものを複数用意して、首輪を持ちながらゆっくりと一粒ずつ与えていき、「解放の言葉」がかかるまではそばにいるといいことがあると教えます。

まとめ

「おやつ」は、ルアーとしてではなく、ご褒美として使うことで「おやつがないとやらない」犬は、減ってきます。

また、ご褒美として与える前には、必ず言葉で褒めましょう。それを繰り返していくうちに、おやつが出るのが遅い場合や、おやつがない場合でも、犬はその行動が良かったと理解できるようになります。

ご褒美のおやつを食い逃げする犬の場合は、複数の粒を用意して、解放の言葉が出るまではそばにいるクセをつけていきましょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。