豊富なトリミングの「オプション」
お店にトリミングをお願いするとき、メニュー表に書いてあるオプションの多さに戸惑ったことはありませんか?
その種類の豊富さは正直なところ、現役のトリマーでも「え、そんなのもあるの?」と全てを把握しきれていないほどです。
お店の個性を出すために
トリミング業界では他のお店との差別化を図るため、様々なオプションを提供するお店が増えてきました。
下記ではそれぞれにどんな効果があって、どんな犬に効果的なのか詳しく紹介していきたいと思います。
シャワー・お湯の種類
まず紹介するのはシャワーから出るお湯の違いです。
これらはお店によっては基本メニューに組み込まれていたり、キャンペーンで無料で提供しているお店も多いので、飼い主さんにも聞き覚えのあるものが多いと思います。シャワーで使ったり、小さい浴槽に溜めてお風呂のようにして犬を入れたりします。
炭酸泉
効能
血行をよくすることにより全身の新陳代謝をあげ、毛並がキレイになります。血行促進により体温が上がりその保温効果も高いです。
注意点
湿疹などが出ていて体を痒がっている犬は、血行がよくなることによってより赤みや痒みがます場合があります。
心臓に疾患のある犬も血液循環が増すことで心臓への負担が増えるので注意が必要です。
どんな犬に向いている?
毛艶が悪い。冷え症の犬に向いています。
マイクロバブル
効能
汚れを吸着する効果のある小さい泡をお湯に溶け込ませ、その泡が毛穴の中に入り込むことで非常に高い洗浄力を発揮します。
またオゾンという物質が発生するマイクロバブルを使用すると、非常に高い殺菌効果も生じるので、ニオイなどの除去にも高い効果を発揮します。
注意点
基本的には皮膚の状態の悪い犬に効果的ですが、中には皮脂を除去しすぎると逆に乾燥してしまったり、刺激が強すぎて状態が悪化してしまうケースもあるので、皮膚にトラブルを抱えている犬は事前に獣医さんへの相談がオススメです。
またある程度の時間そのお湯に浸かっていないと効果が十分に発揮されないので、体力のおちている老犬などは注意が必要です。
どんな犬に向いている?
皮膚の状態が悪い犬に向いています。
シャンプー剤
製品によって異なりますが、人間の顔パックやトリートメントのように使用するケースが多く、香りのバリエーションも豊富です。
このオプションの注意点はどれも共通していて普通のシャンプー剤よりも刺激の強いものが多いので、アレルギーのある犬や皮膚に問題のある犬は獣医やトリマーとよく相談してから使用しましょう。
また香りの強さによっては犬にストレスを与えてしまう事もあるので注意しましょう。
泥パック
効能
ミネラルを豊富に含んだ泥を皮膚に浸透させることで、毛穴の老廃物が取り除かれて、血行促進や保湿の効果があります。また塩分濃度が高く殺菌効果があるため、体臭の軽減や炎症の抑制の効果も期待出来ます。
どんな犬に向いている?
ニオイが気になる。脂っぽい犬に向いています。
シルクパック
効能
きめ細かい泡で犬の皮膚や被毛を包み、シルクのようなしっとりした触り心地とツヤを被毛に与えてくれます。
どんな犬に向いている?
被毛が傷んでいる。ヨークシャテリアやマルチーズなどで毛を伸ばしている犬に向いています。
ハーブパック
効能
ハーブの細かい粉がシャンプーでは落としきれない頑固な皮脂汚れやフケ、古い角質を浮かせてくれるため、シャンプー時の皮膚への摩擦が減り、負担が少なくなります。さらにハーブの成分がバクテリアの過剰な増殖を防ぎ、綺麗な皮膚の状態をキープします。
どんな犬に向いている?
シャンプー後フケがよく出る、すぐにニオイが臭くなる。皮膚トラブルの予防がしたい犬に向いています。
その他のオプション
- デンタルケア
- 肉球ケア
歯ブラシや歯石取りなどのデンタルケアや、肉球に専用のクリームを塗る肉球ケアなどをオプションで行っているお店もあります。
これらの注意点としてはその日1度のお手入れでは効果は薄いということです。
人間の歯磨きと同じく毎日やらないと、歯の状態は清潔には保てませんし、よく散歩をする犬であれば散歩ごとにケアをしてあげないと肉球は傷んでいってしまいます。
トリミングの時にお店でやってもらう場合は、あくまで状態のチェックをしてもらうといった程度に考えておいた方がいいでしょう。
トリミングのオプションは正しい使い方をしましょう!
今回例に挙げたモノ以外にも様々なオプションがお店にはあると思います。また同じ名称のモノでも使っている製品によって、その効果は少し違ってきます。
どんなに良い製品でも犬によってはアレルギーの反応が出てしまったり、使い方を間違えるとかえって症状が悪化してしまうこともあり得ます。
犬の皮膚は人の赤ちゃんのように外部からの刺激に敏感です。また赤ちゃんと同じく言葉で我々に痛いや痒いと伝える事が出来ません。
動物の飼育グッズは日々進化していて、どんどん優れた製品が出て来ています。飼い主がそれぞれの製品の使い方を理解し正しく使うことで、犬の健康状態の向上に役立てましょう!