トリマーは犬の美容師
犬を飼ってる人ならおそらく聞いた事があるトリミングという言葉。犬の爪を切ったり、シャンプーをしたり、毛を切って犬を綺麗にする美容作業、それを行うのがトリマーという職業です。
ペットショップだったり、動物病院だったり、トリミングを専門で行っているトリミングサロンだったりトリマーは様々な場所で活躍しています。
そんな色々な場所でトリマーは具体的にどんな仕事をしているのか、1日の流れを特にトリマーという仕事に興味をもっている人に知ってもらいたいと思います。
トリミングの作業内容
まず具体的なトリミングの作業内容と大体の所要時間を紹介します。
カウンセリング(5分程度)
犬を預かる際に飼い主さんにその日のカットなどの要望や、犬の最近の健康状態だったり気になる事はないか確認をします。
グルーミング(平均10分)
耳掃除、爪切り、足裏などのバリカン、ブラッシングなどのお手入れです。
シャンプー(平均10分)
犬は脂汚れが多いので基本的にはシャンプーを2回やった後にリンスします。肛門腺もこの時に絞る事が多いです。
ドライング(平均30分)
ドライヤーで濡れた毛を乾かします。この作業がみなさんが考えるより大変で、人間用のドライヤーの何倍ものパワーがある道具を使っても1時間以上かかってしまうような犬もいます。
カット(平均60分)
前回のトリミングから1ヶ月〜2ヶ月くらいのトイプードルをハサミを使ってカットする場合はこのくらいの時間がかかると思います。顔周りにハサミがくると怖くて嫌がる犬もいるので、その場合はもう少し時間がかかります。
リボン、バンダナ付けや写真撮影(平均10分)
ほとんどのお店でやってるサービスで、撮った写真を飼い主さんにプレゼントしたり、SNSにあげたりします。トリミングが終わって嬉しいのか動き回っていたり、写真が嫌いなのかカメラを向けるとそっぽを向いたり、中々大変です。
以上が基本的な作業内容です。
その他雑務など
その他にも作業ごとにテーブルや床、犬をシャンプーした後のシンクを掃除したり、撮った写真を印刷したり、トリミングが終わった後はその日の作業内容をカルテに記入しなければなりません。
電話があればその応対もあるので1頭のトリミングに2時間30分〜3時間、1シャンプーのコースだと1時間くらいが平均的な作業時間ではないでしょうか。
1日のスケジュール
以上をふまえて、お店の営業時間が10時〜19時のトリミングサロンで一人で働く場合のトリマーの1日の仕事の流れを紹介します。
<9時30分:出勤>
前日に干した洗濯物を畳んだり、洗って乾かしていた道具を閉まったりなどトリミングの準備をしながら1頭目のお客さんを待ちます。
<10時:トリミング①>
<12時30分:お昼ご飯>
休憩は作業の空き時間にとるケースが多いので、まとまった時間が取れない時は、短い休憩を何回かに分けてとります。また犬をシャンプーして、専用のゲージを使い自動で乾かしている間に休憩をとったりもします。
<13時:トリミング②>
<15時30分:トリミング③>
新規のお客さんや毛玉の多そうな犬は時間がどれ程かかるかわからず、早めの時間に予約を入れると次に来る犬のスケジュールにまで影響が出るので、その日の最後の枠で予約を入れるお店が多いです。
<18時:掃除・洗濯・後片付け>
シャンプーで濡れた犬を拭いたタオルや、犬を入れていたゲージに敷いていたマット、テーブル掃除などに使った雑巾など1日でかなりの量の洗濯物がでます。
カットして出た犬の毛の量も多く、ドライヤーの風で部屋中に散ってしまっているので、しっかり掃除をしないと様々な器具(特にエアコン)に毛が詰まり壊れる原因になります。
<19時:レジ締め作業・次の日の準備>
次の日に予約の入っている犬のカルテを準備して、翌日の1日のスケジュールを組み立てます。ホワイトボードに書き出して店内に置いているお店が多いです。
<19時30分:退勤>
シャンプーのみコースの犬がいたり、カットも短時間で終わる犬がいたりして1日で出来る頭数は増えたりしますが、1日のスケジュールはこのような流れになります。1人で営業しているお店だと時間的に余裕もなく、目が行き届かないためペットホテルをやっているお店は少ないのではないでしょうか。
ペットショップや動物病院におけるトリマーの仕事
最近ではペットショップでトリミング部門と販売部門を分けていたり、動物病院でも動物看護師資格が国家資格となり、看護師とトリマーは別の人材でやっている所が増えましたが、以前は兼任している所がほとんどでした。
そのためペットショップではトリミングがない時などは子犬の入っているお部屋をこまめに掃除したり、ご飯やお水をあげたり、汚れがひどい子犬はシャンプーをしてあげます。
特に朝一番と夕方は子犬や子猫全頭にご飯をあげて掃除をしなくてはいけないので、日によってはその時間のトリミングの予約をセーブしている日もありました。
動物病院で手の空いた時間は、診察する動物を保定したり、検査器具のセッティングをしたり、処方する薬の準備など、診察にかかわるお手伝い全般をします。
その他にも入院中の動物のお世話や、爪が長かったり毛がボサボサだと診察がしづらいので、爪切りやバリカンをお願いされたりもします。
犬のプロフェッショナルを目指して
紹介したようにトリマーは働く場所により担う業務も様々ですが、どの職場で働いていても飼い主さんからは犬の健康状態や、オススメのドッグフード、新しい犬を家に迎えるにあたってなど犬に関する色々な相談を受けます。
そのどんな相談にも対応できるよう、トリマーは日々勉強をしています。
そうでないと飼い主さんは安心して犬を預けられませんし、犬自身も安心してトリミングをさせてくれないからです。
そんな人からも犬からも信頼される犬のプロフェッショナルを目指してこれからもトリマー達は頑張って行きます!