世界で初めて地球を周回した宇宙犬ライカ!
1950年代から1960年代にかけて、旧ソビエト連邦では国家事業として宇宙開発が行われていました。
そこでは、人間の宇宙飛行が可能であるかを調査するために、犬たちを宇宙に送り出したのです。
なんとその回数は少なくとも57回と言われています。
特に、1951年から1952年にかけて複数の犬をR-1ロケットに乗せ高高度飛行を行っています。
その背景には、当時ソビエト連邦はアメリカと冷戦中であったため宇宙開発戦争とも呼ばれる競い合いがあったことが挙げられます。
そんな最中、1957年にスプートニク2号に乗せられ宇宙へと旅立ったのが「ライカ犬」と呼ばれる犬種の女の子、「クドリャフカ」です。
なぜ女の子が選ばれたのかと言いますと、排泄の仕方によるものだそうです。
この「クドリャフカ」とはロシア語で「巻き毛ちゃん」という意味ですが、打ち上げ当時はその名前は発表されず、犬種である「ライカ」が名前として報道され定着しました。
現在では、ロシア国内の記念碑などにも、クドリャフカではなく「ライカ」として記述されているそうです。
1957年11月3日にライカは宇宙飛行実験により、様々な険しい訓練を乗り越え、宇宙へとたったひとりで飛び立ちました。
まさかライカ自身は、宇宙犬になるなんて思ってもみなかったことでしょう。
それが片道飛行であるとライカは知っていたでしょうか?
当時の人達も知り得なかったことではないでしょうか?
また、ライカの死についてですが、色んな説が飛び交う中、2002年に発表された内容は、「宇宙空間に入る以前の飛び立った直後に、機体の加熱などの原因により、ライカはパニックに陥りすぐに死んでしまっていた」と言われています。
ライカ犬への思い
私はこの出来事を知ったとき、この記事について書くことができなくなるくらいのショックを受けました。
しかし、それと同時に、ライカのことを多くの人に伝えなければとも思いました。
なぜならライカの死を無駄にはさせたくないからです。
人間の夢を乗せて、まだ宇宙からの帰還方法が確立していない中で、なぜライカは宇宙へと送り出されてしまったのだろうか。
人間の欲望のなにものでもないと感じました。
ライカの死によって、仮に開発が進んだり進歩が早まったりしたとしてもそれが何の意味を成すのでしょうか?
私は激しい怒りと悲しみでいっぱいになりました。
可愛いライカの顔を浮かべては、言葉も話せないライカのためになにか出来ることはなにか考えました。
それはやはり伝えていくことだと感じました。
ライカは何も知らずに、ただひたすら過酷な訓練に耐え続けていたのです。
密室空間に長時間閉じ込められるなどの訓練は犬にとって、またどんな生き物にとっても耐え難い苦痛以外の何物でもないことです。
動物を使用した宇宙飛行実験はまだ続いているのでしょうか?
動物に今していることは、巡り巡って私たちの番になります。
弱者の命を大事にせずにして、私たちの命は守られません。
これは果たして綺麗事なのでしょうか?
確かに、私が生きていることは必ず動物の犠牲が伴っていることを知っています。
しかしライカのことを知り、ただただ心が揺さぶられ心臓に大きな穴が開いたことは紛れもない事実です。
まとめ
ライカは人間の夢を叶えた偉大な英雄です。
ライカの歴史があり、今があるのです。
私はライカの悲劇が二度と繰り返されることのないように祈るばかりです。
自分の愛犬がもしライカと同じ立場にあったらと思うとぞっとしました。
どんなに英雄になろうとライカはライカです。
何もそんなことはライカは望んでいなかったはずです。
人間の欲望のために動物の悲劇が生まれることは、本当に耐え難いものです。
ライカのことを知ることができたことで人生観が変わりました。
目を背けたくなるような悲劇であっても、やはりちゃんと見つめることが大事であると、そこからが始まりであると強く感じました。
ライカが天国で幸せに暮らしていることを心から願います。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 葵
ただけにしか思えません。人間の傲慢さが生んだ悲劇だと、憤りを感じずにはいられません。
40代 女性 てとめる