言葉を話せないわんちゃんですが、毎日接している飼い主には、普段の様子や目の表情で、なんとなく意志が伝わりますよね。
しかし病気になったとき、「どこが痛いの?」と聞いても、
「お腹、下の方がチクチク痛いの」などとは言ってくれません。
実際、言葉が話せたらどんなに早く痛みから救ってあげられたことか・・・と、心を痛めた経験が。
病気と一概に言っても、軽いものから重度のものまで様々で、一括りにはできませんが、軽かったはずの病気が、取り返しのつかない事態になってしまう場合もあります。
病気になったときに備え、頭の片隅にでも置いていただけたらと思います。
本当にその治療法で大丈夫?
犬は人間の4倍のスピードの中で生活しています。
「具合が悪い」と分かった段階では、すでに4日経っている症状であると思ってください。
ですから、いつもと様子がおかしいと思ったら、とにかくすぐ病院へ行って診察することが大切です。
たとえそこで、「たいしたことないですよ」という診断をもらって、実際数日様子をみて治ったとしても、この行為は決して無駄ではありません。
わんちゃんの代弁者は飼い主でしかいないのですから、少しのサインも見逃さない!という気持ちが必要です。
そして、反対に病気がハッキリと分かったとしても、必要であればセカンドオピニオン、サードオピニオンは大切です。 特に薬を飲む、手術が必要という診断の場合、決してすぐに納得してはいけません。
特に薬を飲む、手術が必要という診断の場合、決してすぐに納得してはいけません。
日本に比べ欧米では、医療費が高いことや、アレルギーに対して敏感な人が多いので、薬の成分をよく理解して選んで飲んでいる人が多いのですが、この姿勢は犬に対しても同じです。
実際私は数件の病院で、すべて全く違う診断を受けたことがあります。
お腹が痛いのに、原因は骨だ、歯だ、心臓だなど、さまざまなことを言われました。
最終的にはそのどれでもなく膵炎で、膵炎を数日の治療で治ったと誤診したために悪化し、さらに細菌が腎臓に入った・・・ということだったのですが・・・。
▲病院から帰宅後、内出血していました。病気によっては皮膚が弱くなっていることもあると、後に別な病院で教えてもらいました。
病院は複数行ってみることも必要な場合がある
獣医師の説明に納得ができないと感じたり、なかなか治らない、悪化していると感じるなら、場合によっては他の先生に相談してみることも大切です。
ズルズルしている間に、冒頭でも述べたように、一刻一刻悪くなり取りかえしのつかない状況になってしまうからです。
そこで実践していただきたい項目がこれです。
- 看護日誌をつける
「痛い」といえないわんちゃんのために、どのように、どんなふうに痛いのか、どんな症状なのかを代弁するためには、1日どのようにしているのかを観察することも大切です。とても小さなことでも気になったことを記録したり、簡単でいいのでおしっこ、うんちの状態をメモしたり、治療前と後で変わったこともしくは変わらないことがあるのかないのか確認したり…できる範囲で少し記録を残すということも治療をするうえで大切なことになりますし、病院でも治療の判断のための助けになります。
- ナースステーションを作る
病気によると思いますが、飼い主がいわばナースであり、栄養管理士であり、介護士であり色々な役割を果たします。
スムーズに素早く対応するためにも、必要なものをセットしておくとよいでしょう。うちの場合は注射をする必要があったり、薬も朝晩違う種類を数種類飲ませる必要があったりしたので、結構本格的なナースステーションが出来上がりましたが、そうしてからはとても便利で看護しやすくなりました。
- 医師とはあるていどの距離感を保つ
しかしそれにより疑問や不満を言えなくなってしまったり、要求を真剣に受け止めてもらえなかったり、ということも場合によってはあります。あくまでお医者さんと患者さん、という立ち位置を忘れないようにしましょう。
- 答えが出るまでとことん悩む
医師により指摘箇所が違う、もしくは説明を受けても理解できないことは、自分でも納得するまで調べ、確認しましょう。インターネットは重要なツールですが、正しいことも間違っていることもあります。実際にわからない部分は獣医師に聞いて納得するまで話合うことも大切です。
病気の理解が深まれば、たとえ医師から3つの違う診断を受けたとしても、自分自身である程度の予測をして医師と話をすることができます。
まとめ
病気になったら、「人任せ、医師任せにしないこと!」
わんちゃんの全ての責任、生死は自分の判断に委ねられているという自覚をしっかり持ち、「私が絶対治してあげるからね」という強い気持ちを持って臨みましょう。
そしてわんちゃんに語り掛け、決してネガティブにならないことです。
あの時ああしていれば・・・、こうしていればと後悔しないためにも、きちんと病気と向き合っていくことが大切です。