高い登録料を払ってモデル犬事務所に登録しているからと言って、撮影に使われるのは一握りのラッキーな犬。
それではどんな犬が比較的デビューしやすいのかお教えしましょう。
- オーナーが撮影やオーディションの日程に対して柔軟に対応できること。
- 監督やカメラマンが撮りたいイメージにマッチングしていれば選ばれます。
- 毛色…明るめの毛色が好まれる傾向にある。黒のチャンスより白のチャンスが多い。
- 大きさ…大中小型犬。
- 犬種…どちらかと言えば誰でも知っているような人気犬種にチャンスが多い。柴犬トイプードルゴールデンレトリバーなど。
- 精度…トレーニングの精度は二の次だけど、特技に焦点をあてられる場合もあるので何でもできるのがベター。
どんな犬種であろうと、オーディション合格の確立をあげていくには「社会化」と「オビディエンス」と「トリック」のトレーニングで、コマンドに対しての行動が毎回間違いなく一度で出来て、気が散らず集中してできるように精度をあげていくほかありません。
今までの連載でも口すっぱく書いたけれども、犬に何かをしてもらおうと思ったら強制的にやらせようとしてもうまくいきません。
調教ではなく協調を目指しましょう。
そのシーンで、犬が言う事をきいてくれないのは犬のせいではありません。
タレント犬のお仕事の流れ
事務所からモデル登録している犬のオーナーに募集要綱が記載された応募メールが流れてきます。
事務所:「○月○日某媒体で中型犬を探しています。応募する人は○月○日までに返事をください。」
オーナー:「種類○○犬の名前○○です。応募します。」と返事をします。
↓
事務所は、応募をした犬の写真やプロフィールなどが載った書類をクライアントに見せて、その中からイメージに合った犬が書類選考されます。
雑誌やカタログ、ポスターは大体このまま決まります。
↓
掲載☆。もしくは、オーディション1回~3回位。
オーディション回数が多くて最終選考落ちると地獄だよ!!
↓
撮影決定
日時の連絡を受け当日現場へ。撮影されたら放映日をざっくり教えられます。
コマーシャルなんかはいつから始まるのかわからないので、偶然友達が見て教えてくれたなんて事が多いです。
これはぼやきだけどね
コマーシャルやドラマの場合は、書類選考の後オーディションがある事が多いです。
オーディションは鬼門です。
コーダはオーディションで勝ち抜いた事がありません。
いや、勝ち抜いて最終的に1頭に絞られてほぼコーダに決まったのに、撮影3日前くらいでどんでん返しを食らう事が多いです。
ドラマ、映画、CM…などを見ていて、「あ、これはコーダが落ちたやつだ」と、どんな内容なのか絵コンテを見たから知っているんです。。。
その寂しさたるや、どこにもぶつける事の出来ない…
「悔しさ」「怒り」「悲しみ」「うらみ」「つらみ」
「ねたみ」「そねみ」「ひがみ」「はらみ」「さがり」
「みすじ」「ロース」「カルビ」「タン」「レバー・ハツ・ミノ!!!」
…美味しい焼肉でも食べて忘れることですね。
こわだわらない&あきらめない
宝くじは買わなければ当たらないのと一緒です。
続けていれば、チャンスが訪れる。
訪れるかもしれないチャンスの為に技を磨いておくのです。
ダメだった事をくよくよしたって誰も喜ばないですからね。
もしオーディションがうまくいかなくても、愛犬の前で落ちこんではいけません。
ナーバスな気持ちはすぐに愛犬に伝わってしまいます。
オーディションについてきてくれたお礼に、帰りはドッグカフェでケーキをご馳走する位の気持ちでいきましょう。
あくまでも愛犬はあなたとのお出かけが楽しくて、嬉しくてついてきただけ。
テレビの中で自分がワンと吠えて居たからと言って「ほらほら、ぼく映ってるよ、見て見て!」と言うわけでもないのですが、テレビの中のわが子を見るたびに愛おしくてたまらなくなるんですよ~。
だっこしてワシャワシャしてたくさん褒めてしまいます。
タレント犬活動をしていて嫌な質問Q&A
Q.「CMなんてそうとうギャラ貰ってるんでしょ?!1本20万なんでしょ?!」
A.「バブル時代はどうだったか知らないけど貰ってないよ!」
Q.「出てたのちょっとじゃない、3秒くらいだったね。」
A.「そうです、そのちょっとの為に書類選考・オーディション・1日撮影があるんだよ」
Q.「どうせ自慢したいんでしょ」
A.「じゃあ、あんたやってみなよ!」
はい。心のささくれは焼肉かなにかを食べて忘れましょう。
平和は微笑みからはじまります。(マザー・テレサ)
タレント犬で良かったこと!
タレント犬活動をしておきながら文句ばかりですが、続けていると良い事もあります。
良い事その①
『クライアントから無理難題が突きつけられるところ』
広告のプロは犬のプロではありません。
撮影の絵コンテには恐ろしい画が描いてあります…
- 「2足歩行の犬が少年と肩を組んで笑っている。」
- 「○○のタイミングで吠える。」
- 「犬に寄りかかる赤ちゃんを見て笑った。」
…なんて言うイメージを来週までに練習してきて!と言う事はザラです。
えっ?!そんな事を犬に?できるわけ…「できます!」
できます&やりますで今までどのくらいのドッグ・トリックをモノにしたでしょうか。
やった事のないトリックを練習して出来るようになれば、次の撮影に出来ることの幅がひろがります。
色々な要求が課題となり、トレーニングした結果コーダとの絆が深まります。
※ドッグトリックとは「ハイタッチ」や「バックステップ(後進)」などの犬の一発芸の事を言います。
良い事その②
『家族が喜び、犬友達が増えます。』
コーダの出ていた媒体をきっかけに話しかけて貰える事も多々あり、特に同じ犬種の飼い主さんや、近所の方などはコーダを応援してくれています。
良い事その③
『ロケ弁美味しいよ!』
監督の好みに合わせたロケ弁や、ケータリングを頂けます。
良い事その④
『愛犬と何かを成し遂げる一体感』
CMでは、たった15秒~30秒の映像のために1日かけて撮影を行います。
その中でのたった3秒だけ自分の愛犬が映っている時間と言うこともザラ。
テレビ番組も1日~3日かけて撮影をします。
たくさん撮ってもらった中のほんの何コマか映っていたとか、自分の犬がカットされているなんてザラ。
雑誌など写真撮影はたった1ページ場合の方が多いです。
カメラマンさんの望むポーズがすぐ決まる子なら5分くらいの撮影で終了の場合も。
数ページあったらモデルさんの衣装チェンジの間何時間も待ったりします。
そんな努力の結晶がテレビで流れた時、雑誌に掲載されていた時の嬉しさ♡
いつか素敵な脚本の映像に出させて貰って、みんなに感動を与えるような演技ができたら良いな!
▼【連載】タレント犬コーダのテイクわん!記事紹介
前:タレント犬コーダのテイクわん!~千葉出身☆梨の妖精になりたい~
今:タレント犬コーダのテイクわん!~心のささくれは焼肉で~
次:
一覧:コーダのテイクわん!