発症
3歳の頃に失明宣告される
我が家の愛犬プシュケは3歳の頃、先生から先天性網膜萎縮症(通称PRA)という、生まれつき網膜細胞が萎縮し、最終的には失明するという病気を宣告されました。
宣告された当時はショックを受けましたが、進行を少しでも遅らせるサプリメントを服用させていた事や、あくまでも宣告は宣告であって実際は視力が低下するくらいで済むのではないかと、真剣に病気と向き合わないまま生活をしていました。
でも、病気は少しずつ確実にプシュケから光を奪っていき、更にはとある深刻な病気まで併発していったのです。
目の充血から始まった
それはプシュケが6歳を過ぎたばかりの2月の後半。
トリミング(冒頭で病気を宣告された病院と併設している)をお願いした際、健康チェックを行なった先生がプシュケの目の異変を感じ取り、
「この充血は、あまり良くない状態だからすぐに治療をしましょう」
と言われました。
実はそれ以前にも彼女の目には、白いモヤみたいな異物が現れたり軽い充血は度々起こっていて、その都度病院へ相談しに行っていたのですが、その時は特に問題はなく、その時もプシュケが充血しても大して気に留めてはいなかったので本当に驚きました。
そして先生から言われた病名は「PRAと併発した重度の角膜浸潤」でした。
激しい痛みと充血を伴う“角膜浸潤”
角膜浸潤とは、慢性的な刺激で目に傷が入って更にそこから菌等が入り込んで炎症をおこしてしまうもので、人間の場合はコンタクトレンズの乱用で起こる方が多い病気なんです。
ただし、犬であるプシュケがこの眼病になるのは珍しいとされていました。
恐らく、この頃のプシュケは既にPRAが進行して視力低下が進行し、壁や物にぶつかる回数が増え、その際に目にキズができたのかもしれません。
原因は私にも含まれていた?
それとキズの原因は私にもあるのかもしれません。
何故なら、時折プシュケは私や家族の足にもぶつかる事があるので気をつけてはいましたが、ある日近くにいるのに気付かずに、私が足を動かした時にプシュケの顔に足が当たってしまった事があったのです。
プシュケもその時は「ヒャン!」と鳴いて痛そうにしていましたが、すぐにいつも通り過ごした事がありました。
少々時間は経ってはいましたが、もしかしたらこの出来事も発症の原因の1つだったのかもしれません。
家族からは考え過ぎと叱られますが、今だに個人的にずっと引きずっています。
闘病開始
多すぎる通院の頻度とかさむ費用
そして翌日からすぐにプシュケの治療は始まりました。
治療は主に「ステロップ」というステロイド系の目薬と「ヒアレイン」という角膜保護の2種類による目薬の投薬をそれぞれ3時間おきに行い、そして病院へは2日おきに連れて行って先生に診てもらうというコースになりました。
かかった費用は…
治療にかかった費用は、ステロップが一本(一月分)2,500円、ヒアレインが一回使い切りのタイプが20本で2,000円、診療代は毎回再診料に処置だけだと2,200円、そこに眼底検査や眼圧を測るとプラス数千円かかりました。
その生活を症状が落ち着くまで続けたので約50,000円、それから4年経過した今現在も毎日の投薬と定期検査を続け、更にその後彼女は心臓病の薬と定期検診も追加されていますので、総合すると軽く10〜15万は越えていますね。
そして、残念な事に我が家はペット保険を掛けていなかったので全て自費で支払ってます。
今思えば本当に保険に加入しておけば良かったと後悔しています。
改善しない&悪化する絶望感
ところが、いくら通院と投薬を続けても一向にプシュケの目の状態は改善してくれません。
それどころか日を追うごとに悪化していき、ついに左目は目を逸らしたくなる位に真っ赤になり、更に黒目まで赤くなってしまったのです。これには先生も頭を悩ませていました。
そして、
「浸潤よりも更に深刻な角膜潰瘍の一歩手前まで進んでいます。このまま治らないなら入院しなくてはいけません」
と言われてしまいました。
心が壊れかける
どんなに投薬と通院を続けても見通しがつかない、また見た目も痛々しくまともに目も開けない状態のプシュケの姿を見た私は、すっかり精神的に疲れてしまい激しく思い詰めたりするようになりました。
自分を責め、疑心暗鬼に陥る
まずは何もできない自身のふがいなさや、「あの時に足が当たってしまったからかもしれない」と自分を責めて、更には「もしかしたら今の病院は間違った治療をしているんじゃないの?セカンドオピニオンを受けるべきなのでは?」と、信頼しているはずの獣医師さんを疑ってしまったりと疑心暗鬼に陥ります。
神頼みや願掛けをする
そして毎日神頼みをするのはもちろん、更にこの年は私の前厄だったので、
「前厄は自分の厄を家族が貰ってしまうらしいから、プシュケが災難に遭ったのかも」
と思い込み、自身の厄除け御守をプシュケに身に付けさせようとして家族に叱られたりする状態にまで、私の心は壊れてしまいました。
前職の経験が治癒のキッカケとなる?
そんなある日、私は投薬をする時に2種類の目薬を手にとりながらふと思い出した事がありました。
それは前職であったコンタクトレンズを扱う眼科スタッフだった時代に、そこの先生が患者さんに良く言ってた「2種類の目薬を投薬する場合は10分以上間隔をあけましょう」という言葉だったんです。
少しずつ改善!
それまでは3〜5分くらいしか間隔をおいてなかったので、その日から藁にもすがる思いでステロップを投薬してから10分置いてヒアレインを投薬をするようにしたところ、少しずつですがプシュケの目の赤みはひいてくれたんです!
※今回は個人の経験と独断で決めたので、基本的には獣医師さんの意見を尊重して下さいね!
検査入院へ
そして約一月が経過した頃、診察に訪れた時に先生から思いもよらない事を言われます。
それは、
「今回のプシュケちゃんの症例は珍しく、知り合いの動物の眼科専門医も興味を持ってるのでPRAの進行度も含めて検査入院してみませんか?」
という提案でした。
プシュケの目の状態を専門医に診てもらえ、また入院費用検査費用も無償だったので、プシュケには可哀想な思いをさせますが、そのまま入院させました。
検査結果は
そして翌日、先生から聞かされた結果は、
「角膜の傷はだいぶ塞がり、投薬回数も通院の頻度も減らしても大丈夫になりました」
でした。
ただし、残念ながらPRAは更に進行していてプシュケは失明していた事が判明したのです。
そして現在
実はPRAと併発した角膜浸潤が発症し、症状が収まってから約4年経過した今でも目薬の投薬は続けています。
止めてしまうとすぐに充血してしまうので、恐らく一生の付き合いになるので闘病終了とは言えません。
更にステロップの副作用で、プシュケの目の周りの被毛は抜け落ちてしまってます。
それでも目薬を続けている限りプシュケは元気でいてくれるので、このまま頑張って続けていこうと思っています。
闘病を経験して思った事は
そしてあの治療を経験をした今、思った事があります。
もし、これからペットを迎え入れる予定でこの記事を見ていている方がいるなら、
「いつ自分のペットに何が起こるか分からないし想像以上に医療費はかさむので、費用を気にしないで治療に専念をする為にもペット保険には加入しとくべき」
と伝えたいです。
生々しい締め方をして失礼しました(笑)