闘病の始まりは突然でした
「近頃ぐぅがよく水を飲むんよねぇ。トイレも多い気がするわ。」
母のそんな一言が、あんなことになるとはその時思ってもいませんでした。
大型犬のぐぅは母一人で病院に連れていける程お利口でもなく…車が大好きすぎてテンションマックスで車の中を暴れまわる子でした。
じゃぁ私もついていくから、行こう。
っと言っていると数日後、ぐぅが食欲もなく吐いたと連絡があり、急いで病院に行きました。
その日は車に乗せても、暴れることなくシートに横になっていました。
採血や色々な検査をしてもらい、その間ぐぅはお利口に大人しくしていました。体がキツかったんだと思います。
そこで言われたのが『腎不全』でした。
数値的にとても危険な数値であること、もぅここ2日ほどが山だと言われました。
まさか……2日……?っとただただ動揺するばかりでした。
愛犬の闘病生活・・・病気が悪化する恐怖
毎日点滴をして、様子を見る以外治療はないと言われ、入院かと思ったら連れて帰ってあげて下さいと言われました。
え?っと思ってると、家族の傍にいるのが一番ですから。その代わり毎日来て下さいっと……
そんなに悪いの……?この子が?
目の前でクリクリな目で私を見つめてるこの子がいなくなるの?
涙を堪えて、先生の話を一生懸命聞きました。
これからけいれんが起きる可能性があること、この病気は気付きにくいこと、私たちのせいではないよと優しく言ってくれました。
高齢になってくるとかかる子もいるそうで、腎臓の機能が低下してしまう病気で、初期にはよく水を飲み、トイレも多いそうで、ダルそうにしている。だから、飼い主も暑くて水を飲むのかなとか、簡単に済ませてしまいがちだそうです。
帰りの車で見ると、私の手の平は爪のあとがくっきりついていました。ちゃんとぐぅの容態を聞こうと握りしめていたから…
家に帰りダルそうにしているぐぅを居間に出してあげました。いつもはいたずらをするぐぅがしませんでした。ただただ、横になっていました。
次の日、また病院に行き点滴をしてもらいました。
歩くのもキツそうで、母と抱き抱えて車に乗せました。容態は変わりません。
そしてまた次の日、病院に行くと数値がかなりよくなり、先生もびっくりされていました。もしかしたら、このまま良くなっていくかも!!っとみんなで喜んでいました。
ぐぅ、頑張ったね!もぅちょっと頑張ろうね。っとみんなでぐぅに話しかけました。
恐れていた「けいれん」突然の別れ
病院に行きはじめて5日目、私は一旦自宅に帰っていました。
朝方、1回目のけいれんがあったそうです。
そして、2回目のけいれんと失禁が5時頃あり、5時半頃…母の腕の中で静かに息を引き取りました。
どうして?良くなっていたのに…?
という思いでいっぱいでした。
そして、看取ってあげることも出来なかった…そんな悔しい、悲しい思いで…大人になって初めて大声を出し泣きました。
闘病を経て後悔と感じたこと
」
ぐぅは保険には入ってなかったので、その4日間の点滴と検査で10万ちょっとお金がかかりました。
手術などをしてなかったので、この金額でおさまりましたが、いきなりの出費と3月という月と重なり、すごく大変でした。
先生は親切な方で、分割でもいいよと言ってくれましたが、その病院に行くことすら私には苦痛でした。
でも、やはり金額的なことよりも精神的にキツかったです。
もっと早く気づいていれば…もっとなにかしてあげれたんじゃないか…そんな思いが強いです。
大型犬にしては13歳は良く生きた方だと言われますが、家族にとってはそんなことはどうでも良く…愛犬を失ったことしか残りません。
後悔しか残りません。
あの時…もっと早く。
もし、もっと病院に連れて行きやすいように社交的にしつけていれば…。
人が怖いぐぅ…。
昔行ったしつけ教室がよほどトラウマになったのか、他の人や犬が怖いまま大人になりました。
人目を避けて散歩に行き、社交的とは真反対の子でした。
なので病院嫌いで、いつも注射の時などは病院総出でしていました。
なのにじっとしていたぐぅ…。
最後に
今もまだ立ち直れているとは言えないけど、今でもぐぅは一番愛しい子です。
今は違う犬を飼っていますが、犬ドックとかがある病院に連れていっています。
そして定期的に受けようと思います。
今はペット保険にも入りました。
なにかあったとき、お金が…という理由で連れていけないなんてことにならないように、いつでも連れていってあげれるように。
私にとって犬というペットであっても、大切な大切な家族です。
今犬を飼ってる方は後悔しないように日々愛犬の様子に気を付けて、愛してあげてほしいです。