犬のしつけが必要な理由
そもそもなぜ犬にしつけが必要なのでしょうか。しつけができているとはどういうことなのでしょうか。
「オスワリやマテができること?」「噛んだり無駄吠えをしたりしないこと?」など、細かく考えればこれらもしつけができているということになります。しかし実際には、「しつけ」とは、人間とは異なる動物である犬に人間社会の中で、人間が決めたルールに従って幸せに暮らしていくためのマナーを守ってもらうことなのです。
そしてこれは、犬だけに守らせることではなく、飼い主も一緒に学び実行していく必要があります。
むしろ飼い主側が犬に守らせたいルールとその指示を、飼い主自身がきちんと守ることが大切です。飼い主側がルールを守らなければ、犬は混乱してしまい、ルールを守るどころではなくなってしまいます。
また、無駄吠えや散歩時の引っ張り、またはトイレの粗相等のいわゆる「問題行動」は、本来犬にとっての問題行動ではなく、「飼い主にとって問題だと思えてしまう行動」なのです。
なぜ問題と思えてしまうかといえば、それらの犬の行動によって、近所迷惑になったりケガをしたり、はたまた大切なものが壊されたりするからです。問題行動が助長されると、飼い主が大変なだけでなく、周りの人も犬自身も不幸せになってしまう可能性があります。
しかしそれらの行動ひとつひとつが、実は犬にとっては家族を守るためであったり、狩りや仕事を模倣した遊びであったりする「自然な行動」なのです。言葉が通じない犬たちに人間社会のルールを守ってもらうためには、毎日トレーニングを継続する必要があるのです。
犬のしつけは何歳まで?
結論から言えば、犬のしつけは何歳までも(一生)続けてできるものです。というより、一生かけてずっと繰り返し同じことを伝えていくものです。
確かに子犬は様々な経験から知識を吸収するスピードが段違いです。社会化期と呼ばれる生後3週~12週くらいまでの間に様々な経験をすることで、人慣れや犬慣れ、音慣れを行っていきます。
またこの時期から生後1年ころまでは、性格の形成や生活習慣の習得にとても大切な時期といえます。この時期に人を信頼することを覚えた犬は、一生「人が好き」といえるでしょう。
しかし子犬期に上手に人を信頼できずにいると、犬たちは精神的な安心感が得られず、前述したような問題行動を起こしやすくなると言われています。人間も信頼できない人に指示されても反発したくなるものですし、犬も同じであると言えます。
成犬のしつけのコツとは
愛犬の「しつけ直し」をしたいと思う飼い主さんは、まずは犬との信頼関係を結び直すことから始めなければいけません。
犬に信頼されるには「ブレない」「得する」「安心できる」飼い主であることが大切です。その時々によって指示があいまいだったり、やりたいことをことごとく邪魔されたり、指示に従ったのに叱られたり褒めてもらえなかったりすることは、犬にとっては混乱の元となります。しかし逆にいうと、ここに一貫性がある場合犬たちは飼い主を信頼して指示を聞いてくれるようになります。
子犬の場合はこの信頼を得る期間が短いのですが、成犬になるとなかなか難しく期間が長くなりますが根気強く、そしてブレのない姿勢でいることがとても大切なんですね。
その加減が分からない、どういう姿勢で行えばよいのか分からないという方は、プロのドッグトレーナーに相談してみましょう。トレーナーに預けて対処してもらうのではなく、犬と一緒にマナーを学び直すつもりで頑張りましょう。
まとめ
犬のしつけは、犬を抑えつけるためのものではなく、人間社会で幸せに暮らしていくためのマナーを守ってもらうために行います。そしてこのしつけは、犬が生きている限りずっと続けるものです。
こういう犬だから、とあきらめることなく、さらには愛犬からの信頼を得るためにも、飼い主側も学び続ける姿勢が大切ですね。