完全なる街の不審者
それが若者だったらまだ良かったかもしれないけど、中途半端な年齢の女性はふつう公園の隅で犬と共に修業はしないでしょう。
ドッグトレーニングの何たるや全く知識もなく、当時はアジリティやディスクドッグにドッグトリック、ドッグダンス、オビディエンスなんてものがあるのも知らず、しつけ教室などにも行かず独自の路線を突っ走っていました。
独自のヘンテコトレーニング
コーダと一緒にリードを持って全速力で50m走のように何本も走り込みをしたり、木に登ったり、人ごみを素早くすり抜けたり、ボール投げ100投を鬼コーチのようにやったり、色んな物をジャンプさせたり、ともかく色んな物に登らせたり、そしてともかく色んなところで写真を撮る練習をしました。
そのままの路線を突っ走っていたら、コーダはモデルやタレント犬ではなく忍者になっていたかもしれません。
コーダとの親密さを妙な形で強化していった私は、ケーブルテレビでやっていたアメリカの番組の「カリスマドッグトレーナー」とやらに興味をひかれました。
エネルギーで犬を威圧して穏やかで毅然とした態度をとるのね。と、毎度番組を観るたびにどんどん偽シーザー・ミランになっていく私。
危険な偽シーザーミラン
散歩するを時も「穏やかで毅然としたオーラ」を出して胸を張りながら歩かねばならないし、何かしてほしくない事をしたらひとさし指を立てながらシッ!!と威嚇します。シッ!!の効力かない場合は、首元に熊の手の形でチョップする暴力的な方法でトレーニングするようになりました。まだ忍者修行の方がマシだったかもしれません。
絶対にマネしないでください!
…この方法は犬に恐怖を与え、人の手に対しネガティブな印象を持つようになります。絶対に真似しないでください。
コーダが1歳を迎える頃にはオスワリ、フセ、マッテ、ジャンプ、ボールキャッチなどはそこそこ出来るものの、散歩が困難なほど引っ張りが強くなり、嫌なことがあると手を甘噛みしてきたり、リードを噛みちぎったりするようになりました。
留守番の時は家の中のティッシュやゴミ箱などをズタズタに破壊したり、ギャンギャン鳴いて獣医では分離不安と言われ、前の犬は良い子だったのに、と10歳で亡くなった老犬ダックスのココを偲ぶのでした。
イングリッシュコッカースパニエルと言う犬種が珍しかったのが功を奏したのかもしれませんが、謎トレーニングや偽シーザー・ミランをしている時もモデルの仕事はコンスタントに入ってきました。
相変わらずマテヨマテヨしながらも、撮影の時はとっても良く言う事を聞いてくれるコーダです。
しかし、そんな中、事件がおきてしまいました。
(闇雲トレーニング時代の巻②へつづく)
▼【連載】コーダのテイクわん!記事紹介
前:コーダのテイクわん!~初仕事の巻~
今:コーダのテイクわん!~闇雲トレーニング時代の巻①~
次:コーダのテイクわん!~闇雲トレーニング時代の巻②~
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