知らずしらずのうちに
犬の可愛がり方は人それぞれ。人の子供のように接しなにごとも愛犬最優先という方や、反対に犬は犬であり人とは違うのだから、けじめをもって可愛がることが犬の幸せだと考える方もいます。そのあたりは各ご家庭によりけりですが、一般的にはその愛くるしさゆえに、ついつい溺愛してしまうご家庭が多いように思います。
このような状態になると往々にして、盲目的な愛情を犬に注ぎがちになる傾向が見られます。特に、リモートワークの普及が進む現在においては、愛犬と二人だけの世界に浸ってしまう方も増えたことでしょう。そうした環境下もあいまって、犬を飼っていない方からすると、過剰な可愛がり方だと捉えられることがあるかのかもしれません。ここからは具体的な例を一緒に見ていきましょう。
1. お犬様な生活スタイル
まるで『お犬様』のように愛犬に接している方も珍しくありません。え~?うちはそんな親バカではないですよ、という方も、例えば以下のようなことは思い当たりませんか。
- 自身の身だしなみにかかるお金は節約、しかし犬のおしゃれのためには糸目をつけない
- 車の助手席は犬専用のシート。人が乗れなくてもしかたがない
- カフェ選びはいつも犬好みのメニューがあるかどうかで決める
こうしたことは愛犬の健康や感情を思えば当然のことかもしれません。でも、つ一つの行為が行き過ぎてしまうと、犬を飼っていない方からは「ちょっと目に余るね、あの可愛がり方は無いよね」。というように眉をひそめられてしまうかもしれません。
周囲から過剰だと受け取られないように大事なのは、愛犬との関係を時々、俯瞰して見てみることです。いつまでも良いバランスを保ちながら、愛犬と素敵ライフを送りたいですね。
2. 赤ちゃん口調
犬の前では無意識のうちに赤ちゃん言葉になってしまう飼主さんもいらっしゃいますね。犬はまるで人の子供のようなしぐさをすることがありますから、その愛らしい姿を前にすれば、愛犬家ならば「なにちてるの~」とか、「おちゃんぽ行こうか」など、友人や同僚の前では絶対に発しないような口調が、つい口をついて出てしまいますね。
こうした家庭内では当たり前のことでも、犬を飼っていない方にとっては、少し理解のできないことかもしれません。犬は、しゃべらなくても気持ちを敏感に汲み取る能力があると言われていますから、外出先では犬に赤ちゃん言葉で話しかけなくても、十分に飼主さんの気持ちを読み取ってくれるものですよ。
3. フォトスポットマナー
SNSはもう若者だけの特別なものではありません。一般社会にあっという間に浸透したこのコミュニケーションツールをデイリーで利用するという方も多いのでは。特に愛犬の様子を写真や動画に撮って投稿する飼主さんがよく見られますね。
各地の施設に設置されたフォトスポットは愛犬も利用可能な場所が増えました。さて、このフォトスポット。この場所をめぐっては、しばしば愛犬家のマナーが問われています。
撮影にはベストポジションを確保したいのは誰でも同じです。しかし、人の子供と同じように、いえ、それ以上に犬をかわいがる気持ちを持つ飼主さんの中には、節度を越えたマナーの悪さが目立ってしまうこともあるようです。
少数のそうしたルールを守らない飼主さんの振る舞いにより「ペットの入場お断り」と、入場を規制されてしまうのはとても残念です。私たち愛犬家は公共の場所で目に余るような過度なかわいがり方をせず、慎みを持って社会に受け入れてもらえるようにしたいですね。
まとめ
いつも頭の中は愛犬のことでいっぱい。可愛くて可愛くて仕方がないという飼い主さんの気持ちは大事です。その思いがあるからこそ犬との強いきずなが結ばれると思っています。でも、それをあまりに過度に露出してしまうと、社会から「ちょっとあの可愛がり方は無いよね」。というような目で見られることもあります。
TPOをわきまえてその場に適した立ち振る舞いを愛犬とともにしていけば、きっと社会はもっと犬にやさしくなるはずです。そのために、私たち飼主は周囲にも気を配っていく必要があるのです。