犬の睡眠時間について
成犬では12~15時間、成長期の子犬では18時間以上の睡眠時間が必要と考えられています。
犬も人と同様に、脳も休んでいるノンレム睡眠(深い眠り)と、身体は休んでいるが脳は活発に活動しているレム睡眠(浅い眠り)があります。しかし人と違ってその睡眠サイクルは約20分という短い時間しか続かず、1日に何回もそのサイクルを繰り返しています。
犬は1日の半分以上は寝ていますが、その中には眠るわけでもなく何もしていない時間も多く、睡眠と併せて体を休めエネルギーを蓄えるために大切な時間です。
犬が睡眠不足になった場合、どうなる?
犬が睡眠不足になると、このような様子がみられます。
- 1日中寝そべっている
- 飼い主さんの言うことを聞かなくなる、イライラしている
- あまり動きたがらず、疲れやすい
- いつもより食欲がない
睡眠不足のときは、体力を回復しきれずに1日中寝そべっていることが多くなります。また、睡眠不足によるストレスや疲れなどからイライラし、飼い主さんの言うことを聞かなくなることもあります。
また、あまりに疲れていたり睡眠が足りていないと食欲が減る可能性もあります。睡眠不足から心身ともにストレスがかかり、犬の免疫力が低下することもあるでしょう。
睡眠不足の原因と対策
体調不良や痛み
睡眠不足から免疫力が落ち健康に悪影響を及ぼす可能性があるのとは逆に、体調不良や体のどこかに痛みがあって睡眠不足になることもあります。
以前は寝ていた状況であまり眠れていないようだ、食欲や元気も落ちているなど、何か体調不良や痛みを抱えていることが疑われる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
運動不足
これは、睡眠不足というより睡眠の質を悪くさせ、犬のストレスにつながる可能性が考えられます。散歩や遊びの量が足りておらず、十分に体を動かしたり精神的に満足することがない生活では、あまり質の良い睡眠をとることができないでしょう。
散歩に行くにしても、歩いたり走ったり色々なコースを散歩してみたり、散歩以外にもボール遊びやひっぱりっこ、ノーズワーク(におい探し)などで遊んであげるなど、犬が心身ともに満足するような工夫をしましょう。
飼い主さんの不規則な生活
犬は昼間にも寝ますが、夜遅くまで飼い主さんが電気をつけ、大きな音でテレビをつけているなどしていると、愛犬はうるさくてゆっくり眠れず、睡眠不足になってしまうかもしれません。
飼い主さんも規則正しい生活を心がけたり、静かで暗い場所に犬が夜寝る場所を作ってあげましょう。
不適切な環境
たとえば夏は1日中、クーラーをつけて快適にしてあげてください。設定温度は26~28℃、室内の湿度は40~60%ぐらいが人と同じく犬にとっても快適です。子犬や老犬は体温調節機能が十分に働かないため、冷えすぎや暑すぎには特に注意が必要です。
冷暖房を使わずに部屋が暑すぎたり寒すぎたり、外から絶えず騒音が聞こえたり、折り合いの悪い同居動物と常に一緒にいなければいけなかったりと、犬が安心して快適に眠ることのできない環境では、睡眠不足となるかもしれません。
愛犬の寝床はどこがベスト?
犬はお気に入りの寝床を持つものです。快適に眠る場所がないことは、犬にとってストレスとなり得るので、快適な寝床を用意してあげましょう。
犬は昔、薄暗い巣穴で寝ていました。囲いがあり、ある程度狭くて薄暗い場所で犬は安心します。
愛犬の寝床にNGな場所
- 直射日光が当たる窓辺
長時間日光があたり、暑すぎたり熱中症になることもありますので注意してください。
- エアコンの風が直接あたる場所
冷えすぎて体調不良の原因になることがあります。
- トイレの隣
犬は寝床を汚したくないと考えるので、トイレと寝床が近いとストレスを感じてしまいます。できるだけ寝床はトイレと離してください。
- テレビやトイレの近くなど音がうるさい場所
落ち着かず安眠しづらいですので静かな場所に移動してあげましょう。
- 明るい場所
1日中電気がついている場所や人の出入りが多い場所は、人間と同様に落ち着きませんので部屋の隅などに寝床を作りましょう
- コードや配線がある場所
犬がいじってしまいコードが断線、プラグが外れる、犬が感電するなど、様々な事故が起きるリスクが高まりますので、コードや配線がある場所に犬の寝床を作るのは避けましょう。
季節別、寝床で注意すべきこと
- 夏の注意点
エアコンの設定温度を26~28℃程度に設定し快適な室温を保ちましょう。
寒い地方が原産で毛量の多い犬などは、飼い主さんが快適だと感じる設定温度では暑過ぎることがあります。可能な範囲で設定温度を下げてあげたり、ペット用のクールマット等を併用するとよいでしょう。
- 冬の注意点
暖房をつけて部屋全体を温めることに加え、ペット用のヒーターマットを寝床に敷くとよいでしょう。ケージやクレートの上に毛布をかけるのもよいです。何を使ってどのくらい暖かくしてあげたら良いのか、犬の様子を見ながら調節しましょう。
どの季節でも眠る場所は頻繁に変えるのではなく一定の場所に決めておき、犬が快適に安心して眠れる環境作りを心がけましょう。季節によって犬が好む場所が変わることはあると思います。可能な範囲で、犬が自ら好む場所に寝床を作ってあげられると良いですね。
お気に入りのベッドがある場合、そのベッドを置いてあげた所が犬が寝たい場所になります。素材や形、かたさなど、様々なベッドの中から好みのものを見つけてあげましょう。
また、飼い主さんの気配を近くに感じられる場所で眠るのが好きな犬もそうではない犬もいます。
まとめ
犬は長時間、休んだり眠ったりする必要がある動物ですので、快適な環境でぐっすり眠れるように環境を整えてあげましょう。
人間と同様に、犬も健康で長生きするためには良質な睡眠が必要です。愛犬も飼い主さんも適度な運動と規則正しい生活を心がけて快適に過ごせると良いですね。