その行為、まさかのNG!
新しい生活様式に沿ったライフスタイルにより、以前に比べて愛犬と過ごす時間が増えたという方もいらっしゃると思います。
時間を長く共有することで、いつもはなかなか見られない犬の表情や思わぬしぐさを、タップリと見られるのは嬉しいですね。その姿をついついカメラに収めたくなるものです。
例えば、この撮影時によく見られる「NG予備軍行為」。
愛犬のカメラ目線が欲しいばかりに、ついつい、〇〇ちゃん!オヤツ!おいも!お散歩いく?ごはん!!などと、気を引くようなワードを連呼したりしていませんか。
「え?それのどこがNG予備軍なの?」と思われた方は、ちょっと注意が必要かもしれません。
NG行為1.約束をやぶる
犬にレンズのほうに向いてもらいたいために「オヤツ!オヤツ!」など、愛犬の好きな言葉を叫んでしまう気持ちはわかります。
でも、愛犬が目線をくれたあと、飼主さんは約束を守っているでしょうか。ここで言う約束というのはオヤツのことです。
その場だけ愛犬の気持ちを【吊る】かのように高ぶらせて、実際はオヤツをすぐにあげないという方はけっこう多いものです。
何度も何度もこれを繰り返しているうちに、犬は飼主さんを信用できなくなるのは当然のことかもしれません。
人と犬の信頼関係というのは、なにもオヤツという報酬をあげることで成り立っているのではありませんが、犬はあなたを信頼しています。
約束をスルーせずにきちんとこなしていくことで愛犬からの尊敬度はUPしますから、きれいな犬の瞳を裏切らないよう、小さなちいさな約束を守って信頼関係をさらに高めてくださいね。
NG行為2. 激しすぎるしつけ
愛犬におりこうになってほしい。そんな思いを強く持ちすぎるあまり、ついついしつけの指導が厳しくなりがちな飼主さんも少なくはありません。
しつけの方針はもちろん各ご家庭により様々のことと思いますのでここでは触れませんが、犬のために良かれと思って行っているしつけ方でも、実は犬の気持ちに全く響いておらず、逆に信頼関係を崩しているということもあります。
例えば、子犬の時期。幼い犬は何にでも興味を示し、飼主さんの思わぬ行動をしてしまうこともしばしばです。
この時期に激しく怒鳴ったり、大きな音を立てて犬を驚かせてコントロールする方法は、やり方によっては信頼関係を築く上でマイナスになりますからNG行為と言えるかもしれません。
子犬の時期だけではなく成犬になってからも同じことが言えます。あまりに厳しすぎる態度ばかりでいると犬の中には萎縮してしまう子も。
人と犬の関係づくりの基本は信頼の積み重ねです。できたらほめることを忘れずに丁寧なラリーを続けていくことが大事ですよ。
NG行為3.ダブルスタンダード
犬が同じ行動をしていても、あるときはほめてもらえるのに、あるときは叱られる。こんなことが続いたら犬はどのように思うでしょうか。
具体的な例では、犬がスリッパをくわえてお母さんに持っていくと「あら、お手伝いしてくれたの」とほめてもらえるのに、お父さんに持っていくと「コラ、ダメじゃないか!」と厳しい口調で叱られてしまう、といったケースです。
ひとつの行動に対して正解が2つできてしまうこと、これをダブルスタンダードと言います。
犬は正解がなにかわからないので混乱しますね。これに気づかずどんどん積み重ねていくと、犬は人に対して不信感を持つようになる場合があります。
こうしたとき、飼主さんは「このごろワガママになってしまって」や、「最近、言うことを聞かないのよ」と、まるで犬だけの問題のように取りがちですが、はたしてそうなのでしょうか。
愛犬の行動について、これはほめる、これはやめさせる、というルール軸をご家族の中であいまいにしたまま反復していくと、やがて犬との信頼関係にひびが入ってしまうことにつながりかねません。
ですから、正解がひとつになるよう、わかりやすく犬に接することが大切なのです。
まとめ
みなさんご存じのように、人と犬との共同生活が始まったのははるか遠い昔のこと。その時代から異種である人と犬が仲良く生活できてきた理由には、信頼関係があったからだと言われています。
言葉は話せなくても気持ちで通じ合う関係になれるように、日々の暮らしの中で小さな信頼の積み重ねていきたいですね。そう。まるで「あ、うん」の呼吸のように。