2010年2月11日祝日の朝
いつものように朝食の準備をしていると、まだベッドで寝ていた当時12才の愛犬ラニが「キャンキャンきゃぁぁぁん」と凄まじい声で泣いたのが始まりでした。
駆けつけるとベッドで寝転んだまま、声をかけながら抱き寄せようとしたらまた泣き叫び、しばらく安静にしていたら身体も少し動かせるようになりました。
朝食も食べ、いつもより元気はないけど散歩も行きたがり、祝日で病院も休みなので1日様子を看ることにして次の日病院に行きました。
触診すると痛がる箇所あり、X線は3年前と比較すると腎臓の結石が3倍の大きさ、椎間板ヘルニアでは今のところない様子、「ぎっくり腰みたいなものでしょう」との診断でした。
痛み止めの注射と痛み止めの薬を処方してもらいました。
安静にしソファーやベッドの上り下りには十二分に注意。
散歩も短く毎土曜日のシャンプーも中止。
お薬と注意事項を守っていると痛みは落ち着いていき、シャンプーも細心の注意のもと復活でき、お薬も投与しなくてもよくなった頃、異常行動が始まりました。
異常行動
家の中を歩き回り、触られるのを嫌がり、夜も歩いては止まって立ったままほんの少し眠る、また歩き出すを繰り返し、朝方やっとふせで休む。
そんな行動で脳の病気を疑うようになり、MRIを撮る為に高度動物医療VRセンターを紹介してもらいました。
2次診療専門の高度動物医療VRセンター
MRI
3月30日MRIで頚椎椎間板ヘルニアと診断され手術をする事になり、手術をするなら詳しく調べたいと、4月3日2度目のMRIでC2~C3のヘルニアとC4を圧迫している腫瘤を重点的に撮り、腫瘤には血管から造影剤を入れ白くハッキリした腫瘍が浮かび上がったのでした。
MRIの結果
第2-第3頸椎 椎間板ヘルニア
第4頸椎 脊髄-硬膜内髄外 腫瘤性病変
第4頸椎を圧迫している腫瘍は髄膜腫の可能性が高いと診断されました。
治療の選択
- 保存治療(対症療法)症状の緩和 。
- 外科的処置で組織採取摘出。リスクは脊髄損傷、リスクを回避すると取り残しによる再発の可能性。
- 放射線は効果不明。
髄膜腫は脳に出来る腫瘍なので、第4頸椎を圧迫するように出来た症例はないとの事でした。
神経外科のオペ担当医の診察と説明
執刀する神経外科医の説明によると、第2第3頸椎間のヘルニアは喉側からになり2~3時間かけて骨を削っていき、第4頸椎は背中側から腫瘍摘出になりこちらも2~3時間かかり、背骨の強度を保つためボルトを埋め込み1週間程の入院に。
腫瘍が出来た場所が悪く完全に取り除くことは困難、取り残した腫瘍は大学病院で週1回合計7回の放射線治療が必要。
放射線治療は毎回麻酔を打ち、放射線を当てた所が禿げる、火傷みたいに皮膚が萎縮する、自宅と大学病院の往復は4時間半、簡単に決められるものではありませんでした。
選んだのは延命穏和
脊髄に出来た症例はないけど、髄膜腫の症例データから予測された「余命」は、
- 何もしなくて 4ヵ月
- オペして 7ヵ月
- オペ+放射線で 18ヵ月
髄膜腫は転移がまれだそうで腫瘍の成長次第とのこと。
二次診療高度医療センターでの外科手術は選択せず、大学病院での放射線も選択せず、ホームドクターと相談しながら抗がん剤治療を選びました。
QOL(Quality Of Life)
動物用栄養補助食品
抗がん剤に備えて、免疫力向上、生活の質と維持に役立てればと思い、犬猫用D-フラクションプレミアムと犬猫用センダンαを給与。
食事療法 無農薬玄米で排毒
体に溜まった悪い物を排出してくれる玄米を、活性化させる炊飯器で炊く。
次に変えたのが水
体の活性酸素化を防ぐ水素水、酸化還元電位マイナス600mvの水。
水は必ず口にするもの、食事もそう。なので少しでも良いものをと考えていました。
3週間に1度の抗がん剤投与
この抗がん剤は3週間に1度で、投与直前、投与1週間後、投与2週間後、3回の血液検査結果を比較します。
投与後副作用が出やすい白血球数が下がり3週間で白血球数が元の値に戻ってくるもので、戻らなければ抗がん剤投与は戻るまで延期になるか中止になります。
5月6月7月、3度の投与で中止になりました。
介護グッズ
スポイト式給水ボトル
もともとお出かけ時の水筒として使っていたのですが、寝たきりになってからは尚更便利に使ってました。
クイックウォーマーおしりふきあたため器
市販のウエットティッシュが2個入り、取り出しやすい押し上げ機構です。
いつでも温かいウエットティッシュはお尻を拭いたり、便意を託すのに使ってました。
オムツのずれにサスペンダー
流動食にはシリコン哺乳瓶
アメリカのベビー用品メーカー、プリンスライオンハート社のシリコン哺乳瓶は、飲み口もボトルもシリコンで出来ていて、飲み口をつまんで空気を抜き真空状態を作ることが出来るのでお腹にガスが溜まることを防ぎます。
広口なので流動食も入れやすく、シリコンなので飲み口を噛んでも安全、ボトルの側面を両側から押すと、流動食を押し出すことも出来ます。
介護用ハーネスを補強
頸椎の圧迫で麻痺が進み市販の介護用ハーネスでは体が支えられなくなった時、ハワイアンキルトのキルト芯をハーネスの形に合わせて切り重ね厚みと強度を出しました。
幅広ベルトも作り、ハーネスとベルトで体を支える事ができました。
ホリスティック医療
抗がん剤を始めてから、ホメオパシーを活用したホリスティック医療を積極的に取り入れ治療している動物病院にも通いました。
副作用や常用の危険性がないので、腎臓と腫瘍とアンチエイジングの砂糖玉レメディと液体レメディを処方してもらってました。
南部鉄瓶で鉄分補給
貧血には南部鉄瓶で沸かしたお湯を冷ませ飲ませてました。2価鉄が多く鉄分補給に有効だと聞いての事でした。水素水は使わず水道水を沸かすようにしてました。カルキもおおかた除去されまろやかになります。
クリスマス・イヴ
メリークリスマス!
私はラニくんと聖夜を過ごしていました。
7月をむかえるのが厳しいと言われていたラニくん。
2010年の漢字「暑」、暑さを2人で感じる事が出来る幸せをかみしめていた夏。病気の進行との戦いの日々。
今のラニくんは、自立も歩行も出来なくなり寝たきり、食事は流動食、おしっこは紙おむつ、やっと慣れてくれて、した後知らせてくれます。
朝・夕の散歩は手作りハーネスを付け殆んど浮かせた感じで、一生懸命手足を動かそうとしたり、おしっこも出来ます。
うんちの時も知らせてくれるので紙おむつを脱がし膝の上にのせて手伝うと「ふん!」と頑張ります。
寝言でしか「わん」と言わなかったラニくんが声で感情を表すようになってます。
自慢のコートは随分抜けてしまいました。
介護キツイ時も正直あるけどラニくんはホント頑張ってくれてます。
2人でいれば2人の場所が楽園。LeaLani.ラニくんが生きていてくれるだけで幸せです。
その4日後の20時57分ラニくんLaniへ。虹の橋を駆けて行きました。