天国に旅立ってしまった愛犬「アビー」
この物語の主人公は4歳の少女。天国に旅立ってしまった愛犬に送った手紙が、まるで奇跡のようなストーリーを生んだと話題になったお話です。
2009年8月、4才のメレディス・クレアちゃんは兄弟のように育った愛犬のアビーを病気で失ってしまいました。
天国にいる愛犬のお世話を神様に頼む手紙
かけがえのない兄であり親友であったアビーを失ったその日、両親の慰めも耳に入らないかのように、メレディスちゃんは泣き続けます。
ところが、悲しみがまだまだ癒えないその翌日、彼女はあることを考えつき、両親にペンと紙を渡します。
「神様に手紙を書いて!」
それで悲しみが少しでも癒えるならばと、まだ字のかけない彼女に代わってお母さんが手紙を書きました。
宛先は天国、宛名は神様。
天国はとてつもなく遠いに違いないと思ったメレディスちゃんは、この手紙に切手をたくさん張って近所の郵便局に出しました。
神様お願いです。私たちの家族・アビーのお世話をお願いできませんか?
“親愛なる神様へ
神様にお願いします。私たちの家族であるアビーのお世話をしていただけませんか?
アビーは昨日、亡くなりました。天国では病気が治っていますように! 苦しんでなどいませんように!
神様、アビーはもうここにはいません。
でもアビーと一緒に過ごす時間を私たちにくださってありがとう。
神様がすぐに彼女だと分るように、アビーの写真を同封します。よろしくお願いします。
メレディスより 愛をこめて・・・
(この手紙はママが代筆しました)”
奇跡が起きた!?天国からの手紙と愛犬からの感謝の言葉
さて、この手紙を投函してから2週間後、奇跡が起きます。
一家が帰宅すると玄関の前に小さな小包が置かれていました。
そこには「神様より」と署名が!
メレディスが小包を開くと、中には『ペットが亡くなったときに』という本とピンクの便せんに書かれた「神様」からの手紙が入っていました。
“親愛なるメレディスへ
お手紙をありがとう。あなたのアビーは無事、天国に着きましたよ。
あなたが送ってくれた写真のおかげで、すぐにアビーを見つけることができました。
アビーはもう病気で苦しんではいませんよ。
アビーの魂は私と共にここにいて、あなたの心の中にいる姿そのままに、健康で活発で、遊んだり走ったりするのが大好きです。
アビーはあなた方の家族でいられて幸せでした。
さて、送ってくださった写真ですが、天国では体は必要ないので、しまっておくポケットがないのです。
お返ししますので、思い出として大切にしてくださいね。
心のこもった手紙を書いてくれてありがとう。
この手紙を書いてくれた素晴らしいママにも感謝を!
神様より・・・
(この手紙は天使が神様の言葉を書きとめました)”
これにはメレディスちゃんの両親も驚きです!
「いったいどこのどなたが、アビーを失った娘の悲しみを気にかけてくれたのだろう?」
おそらく郵便局の職員がしてくれたことだろうとは思いましたが、あえて突き止めようとはせず、メディアに「天使」へのお礼を掲載しました。
両親は当時のことをこう語っています。
「メレディスが小包を受け取った時、彼女は幸せでしたが驚いてはいませんでした。手紙が天国に届いたことを信じて疑わなかったのです」
天国の愛犬と少女の純粋な愛と優しさの連鎖
人を助けた犬、人に助けられた犬、家族との絆・・・犬にまつわる素敵な話や感動的な話は世界中にあふれています。
しかし、この童話のような小さなストーリーが、何とも心を打つのはなぜでしょう?
小さな少女が、亡くなった愛犬をひたすら案じて考えついた『神様に手紙を書く』ということ、そして「神様」からの手紙を代筆した名も無き『天使』が、とても大切な何かを思い出させてくれるからなのかもしれません。
さて、愛犬を失った後、私ならどうするだろう?
神様に手紙を書いて投函するには、さすがに大人になり過ぎてしまいました。
過去に愛犬や愛猫を見送った時のこと、思い出してみましたが、それだけでも涙があふれてきてしまう!
きっとまた、ベッドにもぐり込んでオイオイ声を上げて泣きながら、こう繰り返すでしょう。
「ごめんね。たくさんありがとう。また会おうね。何度も何度も会おうね」と。
不思議といつも、この言葉が出て来るのです。
天国を信じているかどうか、自分でも分りません。
でも願わくば、愛犬には天国で元気に走り回っていてほしい。
そしてまた、いつかどこかで出会い、一緒に暮らしたい、いや、必ずまた会える!
そう思うことで、悲しみが少しずつ遠い未来への希望に変わっていくからなのかもしれません。
そうして彼のいない生活に慣れた頃、また新たに1匹を迎えるでしょう。
亡くした愛犬から教えられた愛情を、その新顔に再び注ぐことでしょう。
愛犬を失った人が身近にいれば、その人の悲しみに寄り添うこともできるかもしれません。
愛情や思いやりは、途切れることなく循環し続けるものなのだと思います。
メレディスちゃんの純粋な優しさに共鳴し返事を書いた誰かの思いやりは、そのまま彼女の心に溶け込み、彼女が豊かな心を持つ大人へと成長する大切な支えとなっていくのではないでしょうか。
愛犬の天国への旅立ちまとめ
病気で亡くなった愛犬を案じて4才の少女が神様に送った手紙、そしてそれに応えた「天使」の話は、素朴ながら感動的な話として世界中でシェアされました。
2012年、犬の専門サイト「Dog Heirs」にはこの一連のストーリーと共に、新たに迎えた2匹の犬と暮らすメ10才のメレディスちゃんが紹介されています。
彼女の母親によれば「(メレディスは)今も動物に対して深い愛情を持ち、将来は偉大なことをしたいと話しています」とのこと。
このできごとは、「思いやり」と「愛」というシンプルなメッセージを伝えてくれるものとして世界中でシェアされているそうです。
最もシンプルなことが最も大切なことを教えてくれる----そのエッセンスがギュッと詰まったお話、いつまでも心に温かな余韻を残してくれます。
ユーザーのコメント
女性 colo
悲しいこと、それを乗り越えようとすること、嬉しかったこと楽しかったを思い出にすること、とても大事なことです。大人になるほど段々鈍くなってしまいますが、幼い子供時代から命の重さを知ることで、その先の人生にもとても影響があると思います。
神様に手紙なんて発想は子供ならではですね。そしてその返事を書いてくれたのが誰なのか、てっきり両親のどちらかだと思っていました。郵便局員さんのその優しさにも心を打たれました。
女性 とっと
泣きながらも翌日に愛犬に伝えたかったことは、愛犬の幸せを願う思いであったこと。アビーとメレディスちゃんは本当に素敵な時間を共に過ごしてきていたのでしょうね。どなたかはわからない天使さんも素敵なかたで、実際に行うにはとても勇気が必要な行動だったと思います。メレディスちゃんもお母さんも救われたことと思います。素敵な人のまわりには素敵な人が集まり素敵なことがおこる!少し夢のようなお話ですが、世界にもっともっと素敵なことがおこりますように!そして私のなくなった愛犬も天国で幸せでありますように。
40代 女性 ケーキ
私が以前飼っていた犬は、16歳で最後は病に苦しみ安楽死でしたので、その数年前に先に旅立った祖父に迎えに来てあげてと強く願いました。
小さな犬だったので、恐がりでしたし、わがままだったので、見知らぬ環境ではかわいそうだと心配しました。
病の痛みや苦しみ、入院での恐怖から解放されて、きっと優しい祖父が迎えに来てくれるはずだとそう自分に言い聞かせて、愛犬を見送りました。じいちゃんが今来るからね、じいちゃん以外について行っちゃだめだよ、って心の中で話しかけていました。じいちゃんと一緒にいれば、いつかみんなにまた会えるからね、と。
30代 女性 nico
女性 Ludy
自分の悲しみを癒すために誰かに要求することなく、逢えなくなてしまった、触れ合うことが出来なくなってしまった相手の事を心配し思いやる心。
きっと誰にでも、純粋に相手の事を思いやる心を持って生まれてきているハズなのに。
Newsで見聞きする悲しく悲惨な出来事・・・・・。
人であれ、ワンコであれ、相手を思いやる大切な心、忘れないで大人になりたいですね。
久しぶりに心が洗われるようなエピソードで、涙腺が緩みました。
女の子の手紙に対応してくださった方、きっと素敵な家庭を築かれてる、築くことができる方ですね。
二人の心と行動に感謝です。
素敵な出来事、もっと大きなニュースで世界に拡散されれば 穏やかな相手を思いやる世界が築かれる変化の一助になるかもしれませんね。
あぁ~、まだ涙腺、緩みっぱなしです。
女性 デイジー
女性 チキン
天国や神様を信じていなくても、私もアビーの幸せを願ってしまうような記事でした。うちの愛犬のときも、子どもたちはそんなことを思うのかな、と思うとちょっと涙。