科学的に実証されたアイコンタクトの有用性
「人間は、犬を見ているだけで、オキシトシンの量が増加する」最近、海外の研究でこのような発表多く上がっています。
その鍵を握るのが、「オキシトシン」と呼ばれるホルモン。オキシトシンは、体に広がると安心感をもたらし、痛みを和らげる効果があります。
このホルモンは、人と犬のような別の動物間では、初めて発見されました。
愛犬と飼い主、見つめ合っている時は、共に幸せを感られるという事。
それは、人の親子関係と同じ仕組みだった
この「オキシトシン」は、人間の愛情に関連する物質です。身近な所では、たとえば「かわいい」という感情。この感情は動物であっても人間であっても同じオキシトシンが関連する仕組みで起る感情だそうです。
多くの人がカワイイと感じる赤ちゃんですが、実はこの可愛いと感じる赤ん坊の「顔」や「姿」こそ、大人たちがお世話をしたくなるような「気持ち」を揺さぶる、理想の形と言えるそうです。人間に限らず、赤ちゃんは身を守るために、カワイイ姿に進化した、という事ですね。
また、人間が別の動物の赤ちゃんを見た時でも同じことが言えます。神経報酬回路(喜びをつかさどる神経)が活性化して、人間の赤ちゃんを見た時と同じように脳がカワイイと感じる訳です。
マサチューセッツ総合病院の医師たちによる研究では、女の人が、ペットと子供を見た時の脳の反応はほぼ同じであるという結果もあるそうです。
つまり、人間の脳は意外とおおざっぱで、実際には人と動物の赤ちゃんをうまく見分けていないみたいです。
これらは、女性の方がより強く働きます。たとえ犬であっても、関係を築いた相手へ母性本能が働くようです。
長年のパートナーとして、変化してきた犬
犬が人の気持ちを理解する動物だとよく知られています。現代の研究でも、なぜ悲しみを理解して、慰めてくれるのか、全て解明されているわけではありません。
一説によれば、犬は人間の仕草や、目の動き、動向の大きさなどを見て、悲しみ・喜びなどの感情を読み取っているという報告もあります。
また、犬は不思議な事に、自分の飼い主意外の人間に対しても、悲しんでいる人がいたら、慰めるような行動を取る習性が見られたそうです。
犬と人の関係は、人間関係とそんなに変わらない
現代では、犬が家族として暮らしの中に溶け込み、さらに家族間のコミュニケーションを円滑にする役割すら持つようになったといわれています。これは、長年人間と共に生活した犬の進化の結果かもしれません。
そして、人と犬の関係を説明する上で、オキシトシンの働きはとても重要だそうです。 人と動物が触れ合った時のオキシトシンの量を調べた研究では、他のどの動物よりも「犬と触れ合った時が、オキシトシンの分泌量が一番多かった」という研究結果もあるほどです。
オキシトシンの量や、分泌している時間が長い時、その関係性は良好になります。 一例では、オキシトシンレベルの高いカップルほど、スキンシップが多く、笑合う仲になるそうです。
逆に、犬を騙したり信頼を裏切るような事をすると、犬はそれを学習し、オキシトシン量は下がり、関係が悪化します。
まとめ
絆を深める上で重要と言われてきたなアイコンタクト。それは、愛情ホルモン「オキシトシン」がもたらす効果である事が科学的に分かったと思います。
愛犬家であれば当然ですが、自分の犬を信じる事、そして信頼を得るために、真摯に振舞う事が大切なのかもしれません。
犬と絆を深める第一歩として、まずは目線を合わせて、「オキシトシン」を増やしてみてはいかがでしょうか。