家族の幸せな歴史と共に
僕お兄ちゃんになったよ!赤ちゃんを見守る
クッキー君と飼い主さんの出会いは突然でした。新婚当時に何気なく立ち寄ったペットショップで、可愛らしいチワワのパピーと目が合って感じる運命。そして何かに突き動かされるようにおうちに迎えることを決めたそうです。
こうして家族の元にやってきた子犬のクッキー君。幸せな犬生のスタートです!
やがて飼い主さんに赤ちゃんが産まれると「僕が守ってあげなくちゃ!」と、すやすや眠る赤ちゃんを見守る優しいお兄ちゃん犬になりました。
パパとママの愛を一身に受けて、すくすく大きくなる赤ちゃんとクッキー。可愛らしいツーショットは家族の幸せな思い出です。
ずっとずっと大切な相方
人間より先に年を重ねるわんちゃん。クッキーも息子さんの成長のスピードをグングン追い抜いて先に大人になっていきます。
すると仲良しコンビの関係性にも変化が。
息子さんが幼稚園に入園する頃は、いたずら仲間でママを困らせていたコンビですが、小学生になるとすっかり年上になったクッキーが「自分の方が上!」という意識になったようです。
そして月日は流れすっかりおじいちゃんになったクッキー。晩年は動くのが大儀になりましたが、今度は息子さんが優しくサポートしてくれました。中学生になった息子さんが帰宅すると、尻尾をブンブン振って大喜び。兄弟の絆はずっと続きました。
みんなが喜んでいる姿を見るのが好き!
クッキーは家族みんなの心配事がわかるのか、元気がないと励ましてくれたり笑顔にしてくれたそうです。
なぜか靴下を片方だけ咥えて玄関に駆けつけるお出迎えスタイルが定番。その姿に帰宅した家族が思わず笑顔になってくれるのが嬉しくて、繰り返していたことでしょう。
そんなクッキーは、おもてなし精神とフレンドリーな性格で人気者に!
来訪者を玄関でお出迎えしワンワンと熱烈歓迎!リビングまでご案内すると、ソファに座ったお客様のお隣りにぴったり寄り添い、クッキー流のおもてなし開始です。笑顔になるお客様と家族を見回し、満足気な笑みを浮かべるクッキーなのでした。
お世話ができる幸せ、その時が来るまで寄り添う
余命2ヵ月…残された日々を穏やかに
おじいちゃんになったクッキーは穏やかで幸せな老後を送っていました。
持病ともうまく共存し幸い落ち着いているし、まだまだ若々しくて元気。そう思っていた矢先でした。
発熱が度重なり病院に行ったところ、精密検査で癌が見つかってしまいました。転移もあったことから突然の余命宣告に。
「こんなに元気そうなのに余命2ヵ月なの!?」
なんとか気を取り直し、あらゆる治療法を調べ家族で治療方針を話し合います。
「残された時間をこのまま穏やかに、家族のそばで過ごさせてあげたい」
結論は愛犬ファースト。愛犬の気持ちになって治療方針を決めました。
看病は飼い主とペットが濃密に過ごせるステキな時間
それからは東洋医学もうまく取り入れながら、少しでもラクに過ごせるよう緩和ケアを施す毎日を送りました。
アロマ、手作りご飯、癌に効くと言われるものはすべてやりました。
免疫力アップ、抗酸化作用のある食材などを積極的に取り入れたママの愛情たっぷり手作りご飯がクッキーは大好き!病気とは思えない食いつきでペロリと完食し「おいしかったよ」と笑顔を見せてくれるのです。
この頃はこんな姿に励まされ、手ごたえを感じたそうです。
しかし癌が進行していくと、たびたびの痙攣と徘徊で目が離せない状態になりました。
仲良しコンビの息子さんはサークルを組み替えて安全エリアを作ってくれたり、ネットで調べてくれたり、家族一丸となり看病しました。
クッキー最期の親孝行
脳への転移か4時間おきに繰り返す激しい痙攣。
ある日その痙攣がなぜか急に収まり、束の間の安堵の時間が訪れました。
それまで食べられなかったご飯をシリンジから食べ、お水も飲んでくれました。落ち着いたかもと笑顔になったママさんは、ほっとして久しぶりに穏やかな気持ちで眠れたそうです。
しかしクッキーは9時間後に再び痙攣、そして大好きな家族に囲まれ幸せな14年の生涯を閉じました。
喜んで欲しくて最後の力を振り絞り食べるところを見せ、ママを安心させて少し休ませてあげたかったのではないか?自分も辛いのに健気だったと飼い主さんは語ります。
最期に家族の喜ぶ笑顔を見届けて天国に旅立ったクッキー。元気がないといつも励ましてくれるクッキーらしい最期でした。
天国からのメッセージ
僕は幸せだった!でも…
息を引き取ってからお別れの日まで慈しみ最後の時間を過ごし、家族みんなの手紙と、大好物をたくさん作ってお弁当を持たせて、旅立ちを見送りました。
虹の橋のたもとで辛さから解放され、たくさん走り回って楽しく待っていて欲しいと願う反面、クッキーがもういない、会いたいという思いでたくさん泣きました。
でも不思議なことに『思いは天国と繫がっている』実感もあるそうです。
ペットロスではあるものの、今まではあまり関心がなかった保護犬猫のことが気になるという変化も。
これにはクッキーが「虹の橋には僕みたいに幸せじゃない子もたくさんいるんだ」と伝えてきたと感じているそうです。
次は保護犬の毛皮に着替えてやってきてくれるのでしょうか。楽しみですね。
前を向いて。いつかまた会える!
今は在りし日のことを話して泣いたり笑ったり。「少し離れているけれど必ずまた会える」と確信する日々を過ごしていらっしゃいます。
悲しみの癒し方は人それぞれ。手先が器用で創作活動が大好きな飼い主さんは、羊毛フェルトでクッキーにそっくりなモフモフを作るのが夢なのだとか。製作に没頭し愛をこめて作り上げたクッキーの羊毛フェルトが出来上がる頃には、家族に笑顔が戻りクッキーも笑顔になっていることでしょう。
いつかまた会える!その日を楽しみに。
魂と絆は永遠…ずっとずっと繋がっています。
まとめ
素敵なご家族と愛で満たされた幸せなわんちゃんの一生のお話、いかがだったでしょうか。
ご縁が繋がり迎えたペットと暮らす時間は宝物。しかしやがて訪れる看病やお別れは、辛さだけではなく愛を与え合うお互いにとって意味のある時間になるはずです。
ペットロスは辛いですよね、でも姿はなくとも愛犬の願いや思いは身近にあります。それを感じ取れた時、前を向き一歩踏み出せるのではないでしょうか。
愛し合った我が子といつか会えた時に、笑顔で報告できるような日々を過ごせますように。
ご家族の皆様、クッキー君、このたびはご協力頂き誠に有難うございました!