お疲れ時だから…「簡単愛犬ズボラごはん」のすすめ
毎日家族のごはんを作りながら愛犬のごはんも作るのって結構大変ですよね。普段の生活でも大変に感じる時もある中で、外出時の脅威にさらされている日々ですと、なおのこと飼い主さんのご負担も大きくなってしまいます。
もちろん、毎日きちんと本格的に愛犬にごはんを作ってあげることは素晴らしいことです。でも無理が生じてしまっては続きませんし飼い主さんが疲れてしまえばわんちゃんも悲しい気持ちになってしまします。
そこで、今回おすすめしたいのは「簡単愛犬ズボラごはん」です。
私も以前は、愛犬のために本格的にごはんを作ってあげたいと思っていたので本を読んで勉強したり犬の食育の講座を受講してみたり、資格を取ってみたり手作り食材を吟味して作っていたのですが、あまりにこだわり過ぎて挫折しました。さらに、今は育児の傍ら愛犬の他にも動物が2匹もいるため目が回るように忙しい日々となりました。そんな中での自粛開始で、愛犬に本格的なごはんを作ってあげたくてもできなくなってしまったのです。
でもいつもそばで支えてくれる愛犬の健康も気になるし、なんとかできる方法はないかと模索しているうちにたどり着いたのが「簡単愛犬ズボラごはん」です。
わんちゃんホンポを閲覧の皆様も、様々なご家庭の事情を抱えながらわんちゃんと暮らしていらっしゃいますよね。きっと日々様々なご苦労を抱えていらっしゃる方も、たくさんいらっしゃることと思います。そんな日々にもわんちゃん達は私たち飼い主に笑顔を届けてくれるんです。そんな愛おしい愛犬のために“出来る範囲でできること”をしてあげることができれば、お互い幸せなのではないでしょうか。
今回ご紹介させていただきます「簡単愛犬ズボラごはん」は飼い主さんの心も楽になれる、肩に力が入らないレシピとなっておりますので、気持ちを楽にして愛犬と楽しんでみてください。
「トッピングごはん」のすすめ
手作りごはんは全て自分で用意した食材で作らなければいけない!と思っていませんか?いえいえ、そんなことはありません。飼い主さんの家庭環境にもよりますし、なにより飼い主さんは愛犬の専属シェフでも専属栄養士でもなく、“いち飼い主”なのです。そして日々のストレスも多い中、頑張る必要はないんです。大事なのは飼い主さんが楽しむことで無理なく続けられること。それには「トッピングごはん」がおすすめなんですよ。
「トッピングごはん」とは、ドライフードやウエットフードに手作りしたごはんを混ぜて食べさせる方法です。完全手作り食のように栄養計算も難しくないですし、なにより飼い主さんの気持ちが断然楽になります。
また「トッピングごはん」をおすすめする理由はもうひとつあります。それは“災害時のため”。
災害時は十分な食材は手に入らなくなりますよね。そうなった時にドッグフードが支給されます。そのドッグフードはドライタイプやウエットタイプだったりします。主には日持ちするドライフードとなりますが、その時に手作りのごはんしか口にしてこなかった子は、ドライフードが自分のごはんだという認識が出来ずなかなか食べてくれないという事態になりかねません。
災害時は命を繋ぐためとにかく食べなければなりません。そのためにも普段からドッグフードに慣らしておく必要があります。
ローテーション方式の食事
もちろん完全手作り食は体に優しく、吸収率も良いのでぜひ作ってあげていただきたいのですが、前述でもお話しした通り、災害時などの緊急時に備えてドッグフードにも慣らしておくことも必要ですので、「ローテーション方式のごはん」という方法をとってみるのもおすすめです。
「ローテーション方式のごはん」は、1週間のうち「この日は完全手作り食の日」「この日はトッピングごはん」「この日はドッグフード」というようにローテーションして愛犬のごはんを変えてみるという方法です。
この方法を取ることで、手作りごはんもあげつつドッグフードにも慣らすことができます。また、わんちゃん自身も飽きずに楽しんでごはんを食べることができます。メニューは愛犬の体調をみたり、その日の運動量によって変えてみるのもいいです。
ただ注意点としては、極力素材の良いもので作られたドッグフードを選ぶようにしてください。素材の良い物とは、主原料が●●ミールなどというように不明なものが使用されていない、ちゃんとお肉が使用されているものを指します。
●●ミール=副産物という意味で、新鮮なお肉ではなく様々な部位を織り交ぜて作られたもの。消化吸収が悪く体から排出される量が多くなってしまうので、安心して食べさせることが出来ません。そしてなるべく抗生剤などを使われず、のびのび育った動物のお肉が使用されているドッグフードを選ぶとアレルギーが出にくく、愛犬の体の負担が軽減できます。
「簡単愛犬ズボラごはん」レシピ
「簡単愛犬ズボラごはん」のレシピはどれも簡単ですし、ご家族とわんちゃんのごはんを一緒に作ることができるレシピもありますので、ぜひトライしてみてください。そして「簡単愛犬ズボラごはん」を作る上で心得てほしいことがあります。
「簡単愛犬ズボラごはん」の心得
- 楽しむこと
- 無理はしないこと
- 本格レシピを作りたい時の中休みとしても
- 毎日継続するために頑張らない
- 楽したって良いと考える
- 必ずはかりを用意すること
この6つを踏まえたうえで「簡単愛犬ズボラごはん」を作ってみてください。愛犬が健康でいることが第一ですが、飼い主さんが今この時に無理する必要はないんです。すべてのことに言えますが、毎日続けられることを少しずつ愛犬と一緒に取り組んでいきましょう。
※レシピは全て5kgの成犬を基準にして、1日分と1食分(1日2回食とする)2パターンの分量を載せています。年齢や体格、体調などによって変更してください。
簡単鶏ひきパスタ
材料
材料 | 1日分 | 1食分 |
---|---|---|
パスタ | 40g | 20g |
人参 | 20g | 10g |
だいこん | 10g | 5g |
さつまいも | 10g | 5g |
鶏ひき肉 | 120g | 60g |
だしパック | 1つ | ー |
飼い主さんメニュー【肉団子煮物】 2~3人分
材料 | 分量 |
---|---|
人参 | 1本 |
大根 | 1/3本 |
さつまいも | 1本 |
鶏ひき肉 | 200g |
めんつゆ | 大さじ2~3 |
みりん | 適量 |
ポイント
飼い主さんメニューと愛犬メニューを同時進行で作ることが出来るレシピです。
飼い主さんのお昼をパスタにした日、愛犬の分のパスタも一緒にゆでて、取り分けておくようにしましょう。
また、にんじん、大根、さつまいも、鶏ひき肉は肉団子煮物を作る過程で愛犬の分を取り分けます。
作り方
- 人参、大根、さつまいもを煮物しやすい大きさに切っていきます。
- 鍋に水を入れ中火にし、だしパックを入れます。
- 少し煮立ってきて、だしが取れたら①を鍋に投入し少し火を弱めます。
- 野菜を煮ている間に肉団子を作ります。肉団子を作る前に愛犬の分の鶏ひき肉を分けておきましょう。肉団子にはごま油で風味付けします。
- 鍋に肉団子と愛犬の分の鶏ひき肉を入れて火を通します。この時にみそこしを使うと便利です。愛犬の分の鶏ひき肉はみそこしに入れて火を通しましょう。愛犬の分の鶏ひき肉に火が通たら、鍋から引き揚げて小皿などに移し冷ましておきます。
- 野菜も肉団子にも火が通ったら、愛犬の分の煮た野菜を取り分け器に移します。取り分ける時に近くにはかりを置いておくと便利です。この時にだし汁も取っておきましょう。
- 愛犬の分を取り分けたら、飼い主さん用の肉団子煮物を仕上げていきます。鍋にめんつゆとみりんを入れ、再び中火にし少し煮込んで野菜や肉団子に味が染みてきていい色合いになったら火を止めて出来上がりです。
- 愛犬の分の簡単鶏ひきパスタを仕上げていきます。取り置きしておいたゆでたパスタを愛犬が食べやすいようにスプーンで潰すか、調理バサミで短くカットします。⑥で取り分けた野菜を、愛犬が食べやすいサイズに調理バサミでカットし、パスタの上に盛りつけます。最後に⑥で取っておいただし汁をかけて出来上がりです。
簡単夏パスタ
材料
材料 | 1日分 | 1食分 |
---|---|---|
ウエットフード | 30g | 15g |
パスタ | 40g | 20g |
きゅうり | 20g | 10g |
人参 | 20g | 10g |
鶏ひき肉 | 60g | 30g |
ポイント
こちらのレシピも飼い主さんのお昼がパスタの時にゆでた後、愛犬の分を取り分けておきます。愛犬の分のきゅうりは新鮮さを保つため、切ったら必ず冷蔵庫に入れておきましょう。
作り方
- きゅうりをみじん切りにし、人参はすりおろし器ですり下ろしておきます。生の人参が苦手な子の場合は、一度人参をゆでた後スプーンなどで潰して食べやすくします。(レンジで温めても可)
- 鶏びき肉をフライパンにオリーブオイルを入れて炒め、しっかり火を通します。しっかり火が通ったら、小皿などに移して冷ましておきます
- 取り分けておいたパスタを愛犬が食べやすいサイズに調理バサミでカットします
- 愛犬の器に、パスタ、きゅうり、人参と先程冷ましておいた鶏ひき肉を混ぜ合わせます
- 最後にウエットフードを混ぜて出来上がりです
簡単&すぐできる!合いびき肉の肉炒めごはん
材料
材料 | 1日分 | 1食分 |
---|---|---|
いつものドライフード | 通常量の8割 | |
ピーマン | 10g | 5g |
キャベツ | 10g | 5g |
オクラ | 1~2本 | 1/2~1本 |
合いびき肉 | 30g | 15g |
水 | 100cc | ー |
飼い主さんメニュー【肉みそ炒め】 2~3人分>
材料 | 分量 |
---|---|
ピーマン | 3つ |
キャベツ | 1玉の1/2 |
オクラ | 3~4本 |
合いびき肉 | 150g |
焼き肉のたれ(甘口や中辛) | 適量 |
みりん | 適量 |
ポイント
飼い主さんメニューと愛犬メニューを同時進行で作ることが出来るレシピです。
飼い主さん向けメニューは「肉みそ炒め」を作ります。ポイントとして、味付けに焼き肉のたれを使います。
作り方
- 飼い主さんメニュー「肉みそ炒め」を作りながら愛犬の分のメニューも作っていきます。まず、肉みそ炒め用にピーマンとキャベツを一口サイズに、オクラは5㎜幅に切ります。そこから愛犬の分を取り分けます。愛犬の分のキャベツとピーマン、オクラを愛犬が食べやすいサイズに切っておきます。
- 飼い主さんメニュー用に大きいフライパン、愛犬メニュー用に小さいフライパンを用意し、それぞれ同時進行で作っていきます。(もちろん、愛犬の分を後から作ってもオッケーです) それぞれのフライパンに油をひき、中火で熱し、合いびき肉をそれぞれのフライパンで炒めます。
- 【愛犬メニュー用】フライパンの方を弱火にし、水を入れて煮立ててキャベツ、ピーマン、オクラを入れ、柔らかくなるまで煮込みます。【飼い主さんメニュー用】フライパンの合いびき肉に火が通ったら、キャベツとピーマンを入れて少し火を弱めて炒めます。
- 【愛犬メニュー用】フライパンのキャベツ、ピーマンが柔らかくなったら火を止めて冷ましておきます。その間に飼い主さんメニューを仕上げていきましょう。【飼い主さんメニュー用】キャベツピーマンにある程度火が通ったらオクラを入れ火を通します。その後、焼き肉のたれをぐるーっと一周回し入れ、みそ小さじ1/2、みりん少々で味を調えて出来上がりです。お好みで豆板醤やラー油を入れてもおいしいですよ。
- 愛犬の器にドッグフードを入れそこに先ほど冷ましておいた④を乗せたら出来上がりです。
腸内環境改善メニュー!切干大根と根菜の煮物と納豆とりひきごはん
材料
切干大根と根菜の煮物
材料 | 人用 | 犬用/1日分 | 犬用/1食分 |
---|---|---|---|
切干大根 | 1袋の1/2 | 5g | 2.5g |
大根 | 1.3本 | 10g | 5g |
さつまいも | 1本 | 10g | 5g |
にんじん | 1本 | 10g | 5g |
だしパック | 1つ | ー | ー |
めんつゆ | 大さじ2~3 | ー | ー |
みりん | 適量 | ー | ー |
納豆鶏ひきごはん
材料 | 人用 | 犬用/1日分 | 犬用/1食分 |
---|---|---|---|
米 | 3合 | 80g | 40g |
小松菜 | 2束 | 10g | 5g |
納豆 | 2パック | 10g | 5g |
鶏ひき肉 | 250g | 120g | 60g |
(味付けはお好みで)
ポイント
今回は2品いっきに作っていきます。どちらも愛犬と飼い主さんが一緒に食べることが出来るメニューとなっています。
2品いっきに作ると言っても難しい工程は一切ありません。簡単でおいしいだけでなく、腸内環境も整えることができる「免疫向上」レシピです。
『納豆鶏ひきごはん』は3合のお米に材料を入れていくだけの、とっても簡単なレシピです。
作り方
- 鍋に水、だしパックを入れて中火で煮立てます。
- その間にさつまいも、大根、人参を一口サイズに切っていきます。そして『納豆鶏ひきごはん』で使う小松菜も一緒に切っておきましょう。切るサイズは1㎝幅程で切ります。さつまいもはあく抜きしておきます。
- だしが出てきたら火を少し弱めてだしパックを取り出し切干大根、さつまいも、だいこん、人参を投入し柔らかくなるまで煮ていきます。 ※だしパックは取っておき『納豆鶏ひきごはん』を焚く時に使います。
- ③を煮ている間に『納豆鶏ひきごはん』を作っていきます。お米3合を用意しといだら水を三合の目盛まで入れ、先程切っておいた小松菜と鶏ひき肉、納豆(1~2パック)、②で取っておいただしパックを入れて、風味づけにごま油を少し入れます。あとは炊飯ボタンを押すだけです。※炊き上がりは柔らかめのごはんになります。
- 根菜類が柔らかくなったら火を止めて、愛犬の分を取り出し冷まして食べやすいようにスプーンなどで潰します。さつまいもの皮は潰してからだと簡単に取り除けます。切干大根は愛犬が食べやすいように調理バサミで小さくカットしておきましょう。
- 愛犬の分を取り除いたあとは、飼い主さん向けに味付けをしていきます。めんつゆ(お好みの量で)、みりん適量を入れて弱火で少し煮て味が染みてきたら火を止めて出来上がりです。
- ④の『納豆鶏ひきごはん』が焚けたら15分蒸らし、下からごはんをすくい上げるように混ぜます。混ぜたら愛犬の分を取り分けます。その後、飼い主さん向けに味付けをします。お好みでめんつゆや鶏ガラスープ、チャーハンの素などを入れて味付けしてみましょう。お好きな味付けで楽しんでみてください。
- これで2品出来上がりです。愛犬の分は冷ましたら『納豆鶏ひきごはん』を器に入れてその上に『切干大根と根菜の煮物』を乗せて食べさせてもいいですし、ドライフードの上に『切干大根と根菜の煮物』を乗せても良いです。また『納豆鶏ひきごはん』は小分けにして丸めてラップをし、おやつとして与えてあげてもいいですよ。(冷蔵の場合は2日以内。冷凍の場合は一週間以内に食べきりましょう。)
手作りごはんは多めに作って冷凍保存や購入するのももおすすめ!
毎日手作りする時間がなかったり「毎日はちょっと大変」という時には、時間があるお休みの日などを利用して多めに作り小分けにして冷凍し、食べる時にレンジで温めて食べさせても便利です。
忙しい時や心身ともに疲れている時は無理しないでください。また様々なショップで手作りごはんを販売してますので、そのようなものを利用するのも良いですね。“完璧な飼い主”を目指すのではなく、飼い主さんが笑顔でいられることを優先してくださいね。
最後に
今回ご紹介させていただきました「簡単愛犬ズボラごはん」では簡単に作ることが出来るものや、飼い主さんとわんちゃんのメニューを一緒に作ることが出来るレシピをお伝えさせていただきました。
作る要領さえ覚えちゃえば材料は上記以外のものでもアレンジも可能です。色々自由に作ってみてください。
まだまだ気を抜くことが出来ず、飼い主さんもわんちゃんもストレスが大きい日々です。たとえ時間があっても心がついていかなければ手作りごはんが辛いものとなってしまいます。そうなってしまうのはとても悲しいことです。
「簡単愛犬ズボラごはん」はそんな時にお役立ていただければ幸いです。本格メニューの中休みに、毎日楽しく愛犬の手作りごはんが作れるように「簡単愛犬ご飯」のレシピを考案してみました。もちろん毎日手作りは望ましいですが、大変な時だってありますよね。そういう時はウエットフードやドライフードに頼ったっていいんです。食材が良質であれば大丈夫です。
「手作りごはんは、作れる時に作る」という気持ちで心を楽にしてください。愛犬はもちろん、飼い主さんも楽しむことが大事なのです。笑顔になれることは免疫力を上げますし、愛犬にも伝わります。日々心身の疲労が出ているこの時期ですが、無理なく愛犬と免疫をつけて元気に過ごすことができますように願っております。