犬の舌の秘密!味覚やその他の機能について

犬の舌の秘密!味覚やその他の機能について

犬は舌を使って愛情表現をしたり、暑い日は体温調節をしたり。様々な役割を持つ『犬の舌』の秘密をまとめてみました。

犬の舌

犬の舌の主な機能

犬の舌には、「食事」や「味覚」、「体温調節」、「感情表現」と主に4つの役割があります。
そんな様々な機能を持つ『犬の舌』には、大事な犬の気持ちが表れることもあるのです。

甘えやおねだりの愛情表現

犬が飼い主さんの口元を舐める仕草は、甘えやおねだりなど犬なりの愛情表現です。
手を舐める場合は、怒られたときに許しを請う行為、もしくはおやつを手でくれるからかもしれません。

また、同居犬の口元を舐める仕草もまた相手への好意や信頼を表現しています。
どちらが相手を舐めているか、まおkpた舐められるのを嫌がっているかでその立場や優位などが理解できることもあります。

不安や緊張を和らげる

犬が不安や恐怖を感じたときに自分を落ち着かせるため、自分の口周りや鼻先を舐める仕草をします。
これを「カーミングシグナル」といい、犬が緊張するとあくびをするのもその一つです。

体温を下げる

犬は暑いときに舌を出してはぁはぁと呼吸し、体温調節を行っています。
舌や口腔内の唾液を蒸発させて体温を下げようとしているのです。

ストレスや病気の可能性

犬が自分の足先や身体、口周りなどをしきりに舐めたり身体を痒がる行為は、自分の体に何かが付いた時や不快に感じて舐めて綺麗にしているという時もありますが、ひたすら舐めて皮膚が赤く炎症を起こすこ場合にはストレスが原因の場合もあります。
また、舐める前から皮膚が炎症を起こしている場合は、皮膚炎などの疑いがあります。

情報収集

犬は散歩中に道端のあらゆる場所の匂いを嗅いだり舌で舐めてみたりして歩き回っています。道路や花や土、落ちてるもの、他の犬のオシッコなど。
まるで何かを探しているようにも見えますが、人間の何100倍も優れた嗅覚で情報を集めているのです。
そして電信柱などの臭いを嗅いで他の犬のオシッコを舐めただけで、いつこの道を通ったのか、犬の種類や年齢、発情の状況などが分かるといわれています。

退屈しのぎ

犬が床を舐める仕草は暇や退屈を紛らわすためや、自分を落ち着かせるためということも。
もしくは食べ物などいい匂いが床に付着している場合があります。

このように、犬の舌には様々な心理が含まれているのです。
時にはストレスや病気、熱中症などの可能性も考えられるので飼い主さんが見極めてあげることが大切です。また、心配な時には動物病院に相談されることをお勧めします。

また、散歩中の他の犬のオシッコを舐めることで他の犬から感染症をもらってしまうこともありますので、止めさせるよう飼い主さんは気を付けて見ていてあげましょう。

犬が舌で感じる「味」について

食べる犬

犬も人間と同じように「味」を感じており、好みもあります。
それは人間にも犬にも舌の上にある味蕾という味を感じる細胞があるからです。

人間はその味蕾が約1万個あり、それらで甘味や塩味、酸味、苦味、旨味を感じることができます。
その点、犬の味蕾の数は約2千個しかなく、その性能は人間ほどではありませんが、全く味を感じないわけではありません。
また、水にだけ特に反応する特殊な味蕾細胞があるといわれています。

甘味

犬は雑食動物として進化してきたため、果物による「果糖」や砂糖に含まれる「ショ糖」に反応します。
ドライフルーツやクッキーなど、市販の犬用おやつに甘いものが多くあるのは、それを好んで食べるからです。

酸味

甘味と同じく酸味も反応します。元々犬は柑橘系の匂いが苦手なので酸味のあるレモンなどの匂いを嫌がる子も多く、中には興味本位で食べて、悶える姿を楽しむ動画がインターネット上でもよく見かけます。

塩味

犬は塩分を感じる味蕾が少ないとされています。
元々肉食をメインとしてきた動物であり、獲物の血液に含まれる塩分を自然と摂取していたため、過敏に反応する必要がなかったということでしょう。

苦味

人間が苦味を舌の奥の方で感じるのと同じように、犬も舌の奥の方で強く反応を示します。
しつけ用品の「ビターアップル」は犬に苦味という不快な刺激を与える役割があります。

以上のように、犬の舌は全く味を感じないわけではありません。
まず犬は匂いで味わい、次に食感や味覚で感じます。当然、見た目は重要視していません。

犬が舌を出す理由

舌を出す柴犬

水を飲むとき

犬が水を飲むときに舌を出しているように見えますが、それは舌を丸めてすくっているのです。
犬が大量に水を飲もうとするとき、舌の裏を丸めて水をすくい取り、更に舌の表面を水面から勢いよく離すことで水を空中に上げて飲みやすくするという器用な技を持っています。

水を舐めて飲むときは舌の表を使っていますが、犬は舌を表と裏で使い分けることができます。
犬の舌は裏側の筋肉が発達しており、舌の裏を使うことで犬は呼吸をしながら水を飲み続けることができます。
また舌の裏には太い血管があり、この血管を冷やすことで体温を下げているともいわれています。

暑いとき

お散歩中や夏の暑い日に犬が舌を出して満面の笑顔のような表情ではぁはぁと息が荒くなっているのは、体温調節をしている時です。
犬には体温を下げるほどの汗をかくことは出来ないので、口の粘膜や舌の表面で体温を調節しています。
そんなときは脱水症状になる恐れもあるので、水分補給をさせましょう。

緊張や不安を感じたとき

運動してないときや、暑くない室内ではぁはぁと息を荒くしているときは慣れない場所だったり、緊張や不安を感じているときが多くあります。

土や人間の手足を舐める

近年ドッグフードに「塩分無添加」と書かれていることが増え、犬に塩分は悪いと思われがちですが、人間や犬が生きていくうえで一定量の塩分は必要です。

飼い犬は運動不足もあって塩分過多になりがちなので、必要以上に与えることは良くないですが、塩分が必要なのに十分に摂取できていない犬は、何かしらを舐めることで塩分を補給しようと考えます。

そして最初に浮かぶのがお散歩中にある『土』です。土の中には少量の塩分が含まれていることがあり、ナトリウムを摂取しようとしているのでしょう。

また、人間の手足を舐めるのは人の汗に含まれる塩分を少しでも吸収しようとしているのです。
これらの行動が頻繁に見られるときには、塩分量を見直してみましょう。

お散歩中や室内で犬が舌を出しているときの状況などをよく観察してみましょう。
また、口を閉じているのに舌が出ていたり、常に舌を出している場合は歯並びや噛みあわせの問題が考えられるので、動物病院に相談してみましょう。

最後に

犬に個性があるように、舌にも様々な個性があります。
そしてその舌は様々な理由で色が変化したり、時には重大な病気のサインにもなるのです。

普段の色やツヤ、斑点の有無などを知っておいて、定期的にチェックすることも大事な健康チェックとなります。

多くの犬は健康な舌の色はピンク色で、表面が唾液でツヤツヤしています。
たまに青黒い舌を持つ犬、人間でいうほくろのように斑点がある犬などいます。

舌が普段と異なる色になったり、突如として黒い斑点が現れたときには動物病院で診てもらいましょう。
時に命に関わる重大な病気が潜んでいることもあります。

日頃から、虫歯や口臭チェックと同時に舌の健康チェックをして病気のサインを見逃さないように心がけましょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。