もっと早く、小さな円の世界を抜け出させてあげたかった
世話した年月
米国の動物愛護団体PETAが「ウィリー嬢」と呼ぶこの犬は、1日24時間、365日、鎖につながれていました。
12年間も…。
この半円が、ウィリー嬢の世界の全てだったのです。
人で言ったら、70歳…75歳くらいでしょうか?跳んだり、走ったりが大好きで不可欠な、犬ですよ?
PETAのスタッフがウィリー嬢を訪問しては世話をし、少しの間でも、コミュニケーションをしてきました。
この太い鎖を見てください。
ある日、ウィリー嬢は、衰弱して立ち上がることもできなくなっていました。
こうなって初めて、飼い主はウィリー嬢をPETAに託したのです。
きっと、衰弱死したら始末が面倒だから、ということなのでしょうね…。
犬、そんなに好きじゃないですよね?なんで飼ったんです?団体が譲り受けるというのを、なぜ拒絶し続けたんです?素朴な疑問です…。
病院へ
ウィリー嬢はかなり危険な容態でした。
ずっと、プフップフッと空咳をしています。
余命宣告、そこからの日々
肺に水が溜まっていると判明し、水抜きの処置が施されると、翌日にはだいぶ元気になりました。
しかし医師には、おそらく余命数週間だろうと宣告されました。
そこで、ウィリー嬢を特に気にかけてきたPETAスタッフのジェスさんは、残された時間を存分に楽しんでもらおうと、ウィリー嬢を自宅に連れ帰りました。
ジェスさん、色々体験して、最後の日々を楽しく過ごしてほしい!という思いで、考えました。
まずは友達を招いて「誕生会」
ウィリー嬢、尻尾をブンブン振っています!
続いて「カヌーで川遊び」
身を乗り出すようにしてますよ。すべてが新鮮!
カフェも楽しむ
立ち寄ったカフェでは、長年連れ添ったパートナーのよう。
泣いちゃダメ、まだ泣いちゃダメ、とことん楽しむんだから!
次は「マッサージ」
神妙な表情…。
ふう、気持ちよかったよー。
今日は「消防署訪問」
消防士たちが、ウィリー嬢に敬意を払っていますよ。
嬢はとても、人が好き!出会いを楽しんでいるのが伝わります。
そして、「海辺の休日」
世界は、広かったね。
その後
半円の外の世界で色んな初めてを体験して、遊んで、友達を作って、2週間と2日後にウィリー嬢は息を引き取りました。
友達に囲まれて、きずなを感じながら、静かな旅立ちでした。
ウィリー嬢や、同じ境遇の犬たちを忘れないで。見かけたら、観察して、声をかけてみて。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:PETA (People for the Ethical Treatment of Animals)